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認印とは?シャチハタ不可の理由や見分け方は?三文判との違いは?

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「ここに印鑑をお願いします。認印で構いませんよ」
何か書類に判子が必要な際にこんなことを言われるのですが、いざシャチハタを押そうとしたら「シャチハタは不可です」と言われることが多いですよね。これは何故でしょうか。

そもそも認印とは何を指すのでしょうか。なぜシャチハタは不可なのでしょうか。

「どうせ押してしまえば違いを見分けるなんて無理だよね?」
と押したら、後で発覚して「シャチハタ以外の判子で再度押してください」と指示されることもありますよね。

今回は、多くの人が不思議に思う、認印の意味やシャチハタとの違いや見分け方、三文判との違いについてまとめました。

認印とは?実印や銀行印との違いは?

認印は、実印以外の印章でシャチハタを除外したものを指します。
(銀行印も除外するという見解もありますが、一般的には「実印以外」となっています。)

では認印と区別されている実印や銀行印とは何でしょうか。
それぞれ、次のようになっています。

実印とは?

実印は、役所で実印登録した判子の印影で、法的効力の高いものです。
自分の好きなデザインの印影で登録可能ですが、法的効力が高く重要な判子であることから、通常は少し大きく、偽造されにくい複雑なデザインにする人が多いです。

■実印について詳しく知りたい場合はこちらの記事がおすすめです。
実印は何に使うの?いつ作るべき?三文判でもいい?銀行印と一緒は?

銀行印とは?

銀行印は、銀行で本人確認するための判子の印影で、預金通帳を作る際に登録し、預金引出しや振込等の際に窓口で押印するものです。
これも実印と同様に偽造されにくい複雑なデザインが好ましいです。

基本的には指定がない限り、どの場合にも自分の好みの判子を使って構いませんが、実印や銀行印は重要性が高いため、目的別に判子を複数買って使い分けた方が安全です。また、実印や銀行印にする判子は安物でも構いませんが、可能であれば偽造防止のため「手彫り」による作り方が望ましいです。

■きちんとした実印や銀行印を作ろうと考えたら、こちらの記事がおすすめです。
印鑑の材質おすすめは?大きさ一般的にどの位?書体の選び方は?
銀行の印鑑は横書きが常識?左右の向きは?女性フルネームの問題は?

認印にシャチハタ不可の理由は?

認印にはシャチハタ不可とされることが多いのですが、この理由はシャチハタの材質やインクの性質が大きく関わっています。
そこで、シャチハタについてご説明してから不可の理由についてお話しします。

シャチハタとは?

判子には、朱肉で押すタイプとインク浸透型タイプがあり、後のタイプを「シャチハタ」といいます。シャチハタは朱肉を使わなくて済むため郵便物、宅急便の受け取りや、町内会の回覧板の確認印、会社で大量に押す確認印等で重宝しますが、役所の届け出書類など比較的重要な書類については使うことができないケースが多いです。

ちなみに、元々「シャチハタ」という名前は商品名ではなく、シヤチハタ株式会社がインク浸透印を作ったことからインク浸透印全てを「シャチハタ」と呼ぶようになりました。ちなみに、シヤチハタ株式会社での正式名称は「Xスタンパー」であり、会社名は「シャチハタ」でなく、「ヤ」が大きい文字の「シヤチハタ株式会社」です。また、他の印章製造メーカーでもインク透過印を製造しています。

◆シャチハタ印が薄くなったらこちらの記事がおすすめです。
シャチハタのインク交換方法は?それでも薄い場合は寿命なの?

なぜシャチハタ不可なの?

認印を押すということは、書類に対して同意したことを意味しますが、シャチハタの場合は本当に本人が同意したのか証拠になり難いため不可とされているのです。(「認印で構いません」というのは、印鑑証明書をつけるほどの重要性を求められていないという次元になります。)

シャチハタは同じ印章とはいえ以下の欠点があります。

  • (内臓インクによる印刷なので)印影が滲んでハッキリしない可能性がある
  • 全く同じものが大量生産されている
  • (ゴム製なので)押す加減によって印影が変わる
  • (ゴム製なので)長年使うと劣化したり摩耗して印影が変わる

また、これらのことから当然、銀行印や実印としてもシャチハタを使うことは不可能です。

朱肉を使う判子の材質について

一般的な判子は、木、水晶、金属、石、動物の角、牙などの材質で作られています。材質によって値段はかなり異なりますが、いずれにせよ、滅多に割れたり欠けたりしない材質というのは共通しています。そのため、シャチハタと異なり、余程のことがない限り印影が変わらないという長所があります。

認印とシャチハタ 違いと見分け方

認印とシャチハタはきれいに押せば違いが分からないだろう、と思う人もいるかもしれませんが、実はよく観察するとインク色や性質の違いが明白です。

シャチハタは、ゴムを使っているのですが、その中からインクが染み出して転写される仕組みで、紙の中に染み込みます。一方、それ以外の判子は朱肉を印面につけて転写する仕組みで、紙の中に染み込まず、紙の上に乗る形になります。

そのため、シャチハタは滲みが出てしまうし紫外線に弱いため時間の経過と共に少しずつ変化してしまいます。一方、それ以外の判子は文字の線にエッジがついて文字が鮮明になっており、時間が経っても変化しません。

どちらか一方だけ見ると分かりにくいのですが、両方を押して並べて見ると性質の違いに気づくはずです。是非お試しください。


認印と三文判の違いは?

認印のことを三文判と言うことがありますが、正確にいうと認印とは若干異なり、三文判は「安い判子」のことを指します。昔の「二束三文(にそくさんもん)」という言葉に由来しますが、文字通り、2束でも3文で買えることから「数が多くて値打ちがない物」を意味します。認印には三文判を使うのが一般的ですが、三文判であっても役所や銀行へ届け出すれば実印や銀行印として使用可能です。

シャチハタも大量生産なので三文判に含めるという見解もあるようですが、どちらかというと、三文判は安い判子の中でも朱肉を使うものという意味で使うケースが多いです。

認印と三文判の違いについては分かりにくいのですが、観点が次の2つの図のように異なっています。

◆使い方による判子の種類
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◆作り方による判子の種類
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つまり、

  • 認印は判子の使い方によって実印や銀行印と区別されるもの
  • 三文判は判子の作り方によって手彫り印と区別されるもの

という次元の異なる判子なので全く同じではないのです。

◆今更だけど、判子と印鑑ってどう違うの?と思ったら、こちらの記事がおすすめです。
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判子と印鑑の違いは?印章や印影は何のこと?版行ハンコウは間違い?

失礼にならない言い方は?

三文判というのは「安くて値打ちがない判子」なので、人に対して言うと失礼に当たるので使わないようにしましょう。

「実印でなくていいですよ」という意味で人に説明する際、間違っても「三文判でいいですよ」と言ってはいけません。
「認印でいいですよ」という言い方が正解です。

まとめ

判子の呼び名は様々あり分かりにくいかもしれません。
ですが、上の図のように使用方法と作り方の2種類を分けて考えると理解しやすいですよ。
もし迷ったら、この図を見て確認して下さいね。

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