引っ越した場合、車検証の住所変更は必要でしょうか。
ナンバープレートは変えなくても良いのでしょうか。
今回は、住所変更した場合の自動車車関係の手続きについてまとめました。
車検証の住所変更は必要なの?
引越し等で住所変更した場合、住民票の異動手続以外に自動車検査証(車検証)も住所変更登録が必要となります。
道路運送車両法第12条において、車検証の変更登録は変更日から15日以内に行う必要があるという意味のことが書かれており、違反すると50万円以下の罰金となっています。
ただ、自動車関連の住所変更手続きはこれ以外にも様々あるので案外手間がかかります。
住所変更した場合の手続きと行う場所は以下の通りです。
- 車検証の変更登録(ナンバー含む)→管轄陸運支局
- 車庫証明の申請→車庫所在地の管轄警察署
- 自動車税の住所変更手続き→都道府県税事務所
車庫証明については書類提出時と受け取り日が別になっているため2度手間となります。
また、役所手続きは平日夕方までしか出来ないことから、転勤族などの場合は「面倒だからやらない」という人も案外多いようです。
自動車関連の住所変更をしない人が多い理由としては次のことがあります。
- 車検は車検証が旧住所の記載でも受けられる。
- 車庫証明を取らなくても、自分の車庫に駐車すれば問題ない。
- 自動車税はどこの住所でも年1回納税していれば問題にならない。※
- 万が一事故があった場合に車検証や自賠責保険の住所が現住所と違っても問題ない。
つまり、「違反すると罰金」となっているけれど、強制的な取り締まりはないことから手続きしない人が多いのです。
◆車庫証明について詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
→車庫証明とは?申請可能距離と所在図の書き方は?手続き自分で可能?
車検証の変更手続きをしないと困ることは?
殆どの場合は車検証の住所変更をしなくても問題ないのですが、車の売却や廃車にする時だけ困ります。
車検証と現住所が違うとこれらの手続きが出来ないため、住所が繋がる書類として「住所の異動を証明するための書類」が必要になります。通常であればこの書類は住民票ですが、何度も引越ししている場合は戸籍の附票等も添付することで住所の全履歴を確認することになります。
自動車税に関する住所変更の届け出
自動車税は毎年5月納付となっており、4月頃に納付書が自宅に郵送されます。
引越しした場合、郵便局の転送サービスが1年間はあるので郵便局に届け出すればこの間は問題ありません。ですが、1年以上経過すると郵便物が届かなくなるため、引っ越したら必ず届け出しておかねければなりません。(1年経過した際にもう一度郵便局に届け出する方法はあります。)
自動車税の届け出は都道府県によって異なりますが、窓口、インターネット、書面郵送、電話等による方法があります。自動車税の住所変更の届け出は車検証住所変更手続きとは全く異なるので、車検証住所変更は別に行うことを忘れないでください。
その他の都道府県については「○○県 自動車税 住所変更」で検索してください。
車検証の住所変更 ナンバーも変えなきゃ駄目?
車検証の住所変更手続きとナンバー変更手続きは一緒に新住所の管轄運輸支局で行います。
新住所と車検証の住所の管轄が一緒の場合はナンバーは同じで済み、住所変更書類を届け出るだけで済みます。
ですが新住所と車検証住所の管轄が異なる場合はナンバー変更となるため、届け出は書類だけでは済まず、車を管轄運輸支局に持ち込まなければなりません。
ところで、「住所変更して管轄運輸支局も変わったけど、ナンバーは気に入っているので変えたくない」というケースもあるでしょう。
上でもお話ししたように、法律上では15日以内に変更しなければなりませんが、役所は平日昼間しかやっていないため手続きに行けず・・・ということで、車検証とナンバーを変更しない人も多いです。
実際に取り締まりがある訳ではないので殆どの場合は問題ないのですが、他県ナンバーだと目立つことから警察から目を付けられる可能性はあります。ですから、くれぐれも安全運転を常に心掛けて下さいね。
車検証の住所変更手続きは?
自分で住所変更を行う場合の必要書類は以下の通りです。
【事前準備する書類】
・住民票(発行日から3ヶ月以内のもの。)
・認印
・車検証
・車庫証明書(発行日から約1ヶ月以内のもの)
この他に、所有者以外が申請する場合は委任状が必要です。
【当日用意する書類】
・手数料納付書
・自動車税・自動車取得税申告書
・申請書
【その他】
・住民票については「車検証に記載してある住所から現住所までの繋がりが分かる住民票」が必要です。
何回も転入を繰り返している場合は、繋がりの確認ができる複数枚の住民票(除票)か戸籍の附票(住所変更履歴のある戸籍謄本の附票)が別途必要です。
・車検証の氏名を同時に変更する(結婚等で姓が変わった等の)場合は、戸籍謄本(発行日から3ヶ月以内のもの)も必要です。
変更登録費用は?
車検証の住所変更費用は地域によって金額が異なりますが、おおよそ次の通りです。
・変更登録手数料→350円
・申請書の用紙代→約100円
・ナンバープレート代(変更時)→約1,500円
※希望ナンバー申込サービスはこちら。
変更手続き手順
管轄運輸支局はこちらで確認しましょう。→全国運輸支局等のご案内
事前準備が出来たら管轄運輸支局に行き、以下の手続きを行います。
(1)用紙の購入(手数料納付書、自動車税・自動車取得税申告書、申請書)
(2)必要事項を記入する(運輸支局内の見本を見て書く)
(3)印紙を買って手数料納付書に添付する(変更登録手数料350円)
(4)ナンバー返納※1(ナンバーの変更を伴う場合のみ)
ナンバーを外すためのドライバーや、外す方法については返納窓口に用意してあります。
(5)書類の提出※2(書類の不備がなければ車検証交付まで暫く待ちます)
(6)車検証交付
(7)運輸支局内の自動車税事務所(税申告窓口)に変更内容を申告する
(提出物→変更内容の記載された自動車税・自動車取得税申告書と車検証)
この提出により、その後の自動車税通知書が現住所へ送付されます。(先に自動車税だけ住所変更手続きしていれば不要です。)
(8)新ナンバー交付(変更を伴う場合のみ)→ナンバーの取付をする→封印を行ってもらう
※1 地域によっては、こちらのナンバーの返納を車検証交付後や税事務所の手続き後に行う運輸支局もあります。
※2 月末は混雑することが多いので、書類提出するのに長時間並んだり、車検証交付まで1時間以上かかる可能性もあります。
まとめ
住所変更した場合は車検証やナンバー等の変更登録をすることが法的に義務付けられています。
ただし、手続きが面倒なことから転勤族などは行わないケースも案外多いようです。
実際には車売却時や廃車時以外は殆ど問題になりませんが、他県ナンバーだと目立つため、警察の目に留まりやすいことだけは念頭に置いてください。「手続きを行わないと50万円以下の罰金」という規定になっているため、基本的には住所変更手続きを行う方が良いでしょう。
◆自賠責保険に関する住所変更はこちらの記事をご覧ください。
→自賠責保険の住所変更は必要?自動車任意保険で忘れたら?金額は?