目上の人に送る年賀状では、新年早々に失礼がないように、言葉選びや書き方には気を配りたいものです。
今回は、目上の人へ年賀状を書く際の賀詞や注意点などをご紹介します。
◆年賀状についてのあれこれはこちら→年賀状作成時に知っておきたいこと【目次」】
年賀状の挨拶文の基本構成は?
年賀状の書き方には、基本的な構成があります。目上の方への年賀状の場合には、押さえておけば間違いありません。
1. 賀詞 (年始の挨拶の言葉)
2. 昨年お世話になったお礼
3. 新年のお付き合いをお願いする言葉
4. 相手の幸せや健康、発展を祈る言葉
ただ、年賀状ではデザインを重視する方もいらっしゃいますので、賀詞に一言添えるだけなどでも、問題はありません。
目上の人の年賀状で使える賀詞や注意点は?
賀詞は、祝いの言葉、祝詞(しゅくし)です。年始限らず、祝いの言葉は「賀詞」なのですが、年始の挨拶の言葉という意味で使われることが多いです。
目上の人への年賀状で使う賀詞の注意点は?
年賀状の冒頭挨拶である賀詞は、自由に使うことができますが、相手によっては相応しくないものもありますので注意が必要です。
目上の人へは、四文字熟語や文章の賀詞を使う
下記にて、さまざまな賀詞をご紹介しますが、1語や2語の賀詞には、「新年を祝う」意味だけになります。4語や文章になると、新年を祝う言葉に加え、相手への敬意を含む言葉も含まれます。
目上の方への挨拶ですから、敬意を表する言葉を選ぶ必要があるのですね。1つのデザインにする場合には、四文字が文章の賀詞を入れておけば間違いありません。
賀詞は1つ
迎春 あけましておめでとうございます
など、書きそうになりますが、1枚の年賀状に賀詞は1つ。年賀状で使われる賀詞には、新年を祝う意味が込められています。そのため、賀詞が一文字であれ二文字であれ、追加で「あけましておめでとうございます」といった文章の賀詞は不要なのです。
英語表記は避ける
「Happy New Year!」は年賀状でもよく使いますが、この言葉には敬語が含まれませんので、目上の方には避けましょう。
目上の人への年賀状で使える賀詞 【四文字熟語】
◉ 目上の方にも、友人などにも気軽に幅広く使える賀詞
謹賀新年(きんがしんねん):謹んで新年をお祝い申し上げます
謹賀新春(きんがしんしゅん):謹んで新しい年をお祝い申し上げます
◉ もう少し丁寧で敬意を表す賀詞
恭賀新年(きょうがしんねん):恭しく新年をお祝い申し上げます
恭賀新春(きょうがしんしゅん):恭しく新しい年をお祝い申し上げます
◉ かなり丁寧、敬意を払った表現
恭頌新禧(きょうしょうしんき):恭しく新年のお喜びをお讃え申し上げます
◉ さらに丁寧、より敬意を払った表現。相手によっては、失礼になるレベルの敬語です。
敬頌新禧(けいしょうしんき):恭しく新年の慶びを称え申し上げます
- 「賀」 先方にあったよい事を喜び祝う、喜びたたえる
- 「謹」 謹しむ(つつしむ)、相手への敬意
- 「恭」恭しい(うやうやしい)、相手を敬い礼儀正しく丁重であること
- 「敬」敬う(うやまう)、相手を尊び礼を尽くすこと
- 「頌」頌する(しょうする)、人の徳や物の美などをほめたたえること
目上の人への年賀状で使える賀詞 【文章】
明けましておめでとうございます
新年おめでとうございます
新春のお慶びを申し上げます
謹んで新年のお慶びを申し上げます
謹んで新春のお慶びを申し上げます
謹んで年頭のご祝詞を申し上げます
謹んで年始のご挨拶を申し述べます
四文字熟語と同様な考え方だと「謹んで」を入れる方がよさそうですが、「明けましておめでとうございます」だけでも構わないとされています。「ございます」が丁寧な表現だからということでしょうか、、
一般的な年賀状に使える賀詞
目上の方の場合には、上述の通り四文字熟語や文章になるのですが、賀詞は他にもたくさん種類があります。
年賀状に使える賀詞 【四文字熟語】
敬意を払った表現ではありませんが、年賀状の定番の賀詞です。なかなか素敵な意味をもつものもありますよ。
- 新春万福(しんしゅんばんぷく):新春に幸福があふれることをお祈りします
- 慶賀光春(けいがこうしゅん):輝かしい新春のお喜びを申し上げます
- 迎春万歳(げいしゅんばんざい):新年を迎え、お喜び申し上げます
- 瑞祥新春(ずいしょしんしゅん):新春を迎え、よい兆しがありますように
- 瑞光祥春(ずいこうしょうしゅん):おめでたい光が 訪れる春を喜ぶ、 新春のお喜びを申し上げます
- 永寿嘉福(えいじゅかふく):長生きと幸福をお祈りします
- 頌佳青陽(しょうかせいよう):よき春の光(初春)をたたえる、お正月を祝う言葉です
- 春風献上(しゅんぷうけんじょう):春の暖かい風を差し上げることを意味しますが、新年(新春)を例えた表現です
- 芳春凱喜(ほうしゅんがいき):素晴らしい春の訪れにやわらぎ楽しむことを意味します
春を迎える喜びが溢れた表現がたくさんあります。新暦では、お正月はこれから寒さ本番で、春感はまったくありませんが、旧暦であれば約1か月遅れます。昔の人が、春をどんなに喜んでいたのかが伝わってきますね。
年賀状に使える賀詞 【二文字】
二文字の賀詞もよく使われますね。
- 賀正:正月を祝う
- 頌春(しょうしゅん):新年をたたえる
- 迎春:新年を迎える
- 慶春:新年をよろこぶ
- 初春:新しい年、年の初め
- 新春:新しい年
年賀状に使える賀詞 【一文字】
一文字で、新年を祝う言葉もあります
- 寿:めでたい
- 福:幸せ
- 賀:祝い(相手へお祝いを伝えるイメージ)
- 春:新年、年の初め(春になったことを伝えるイメージ)
- 禧:よろこび
謹賀新年などの賀詞を赤文字にするのは?
赤文字にはいいイメージがありませんが(理由は諸説あり)、年賀状の賀詞が赤文字であることは問題ないとされています。
昔から赤色(朱色)は邪気や魔を払い、幸運を呼ぶ色としてめでたい場面で使われてきたこともあり、年賀状デザインでは賀詞に赤色を使うものもすくなくありません。
挨拶文に関しては、規定もなにもありませんが、文章全部赤は読みにくいので、どんなにおめでたくても避ける方が無難です。
ただ、宛名面については黒か青文字という郵便上の規定がありますので、赤文字がダメです。ただし、切手下の「年賀」は赤文字。
切手下の「年賀」を赤文字で記入しないと、普通郵便として扱われ年内配達になることもあるのでご注意ください。
Happy new year に「A」はいらない?
英語表記の場合には、「Happy New Year!」で正解。「A」は不要です。
「Merry Xmas!」も同様。ただし、文章にする場合には「a」が入ります。
・I wish you a Merry Xmas.
・I wish you a happy new year.
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