年賀状の宛名が縦書きだと、数字の書き方や住所が長いと1行に収まらず改行をどこでするのか、悩むこともありますよね。
今回は、年賀状や手紙、ハガキなどにも共通する、住所の書き方をまとめておきます。
年賀状や手紙の宛名を書くときの注意点
年賀状や手紙では、宛名の書き方がある程度決まっています。書き始める間に、最低限押さえておきたいことから、ご紹介します。
間違いなく(正しく)読めるように書く
年賀状や手紙の宛名書きをする際に、最も大切といっても過言ではないのが、コレ。
誰にでも、間違いなく、正しく読めるように書く
住所の数字が漢数字か、算用数字か、どこで改行するか、など、すべてに繋がります。郵便配達に関わる方が、正しく読めることが最重要です。誤配や遅配の予防にもなります。
字が上手い下手を問われているのではなく、読みやすいか、間違いなく読めるかが、問われます。乱雑な字もよくありませんが、達筆すぎる「くずし字」や「つなげ字」も、よろしくはありません。
宛名書きは黒が基本
日本では、墨を摺り毛筆で書いていました。しっかりと丁寧にすった濃墨(こずみ)を利用していた名残もあり、年賀状や手紙などの宛名書きは「黒」が基本です。濃紺までは許容範囲でしょうが、明るめの青などは避ける方が無難です。
毛筆で書くのがよいとのご意見もあるようですが、宛名をプリンターで印刷することは世代を問わず珍しいことではありませんので、気にする必要もないでしょう。
手書きの場合には、サインペンや筆ペンなどの少し太め方がバランスがよくなります。ボールペンは事務的だとか、簡易的だとか批判的なご意見もあるようですが、最近の筆記用具は驚くほどの進化をしています。トメ・ハネなどもきれいに書けるものを選ぶといいでしょう。
なお、宛名書きは「油性」がオススメです。配達時に悪天候の場合、水性インクだと宛名が滲んでしまう可能性もあります。
年賀はがき以外を使う場合には、切手下に「年賀」と朱書き
年賀状は、郵便局で販売している「年賀はがき」の他に、自分で切手を貼る私製はがきを使用することもできます。
私製はがきの場合には、切手下に「年賀」と朱書き(赤文字)する必要があります。この朱書きがないと、通常郵便として年内に配達されたり、年始の配達が遅れることもあります。
年賀状や手紙の宛名住所の書き方
年賀状の表と裏
年賀状や通常ハガキでは、宛名や住所を書く面が表です。表面や宛名面とも呼びます。
挨拶文を書くのが裏。裏面、通信面、デザイン面などとも呼ばれます。
郵便局で販売されている「インクジェット紙」や「インクジェット紙写真用」は、裏面だけがインクジェット用にコートされています。表面はいずれも普通紙です。
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年賀状やハガキ(暑中見舞い、寒中見舞いなど)は縦書きが基本
年賀状や季節の挨拶状である暑中見舞い、寒中見舞いは縦書きが基本です。これは、もともと日本語が縦書き仕様だからです。特に、目上の方に送るものは縦書きにしましょう。
横書きは、カジュアルな印象があるため、目上の方には不向きとされていますが、友人間では問題ありません。ただ、現代では、ビジネスや行政の文書も横書きの方が圧倒的に多いです。年賀状での考え方も、そのうち変わるかもしれませんね。
挨拶文(裏面)が縦書きであれば、表面(宛名書き)は縦書き、挨拶文(裏面)が横書きであれば、表面(宛名書き)は横書きとします。これは、受け取った相手が読みやすいようにとの配慮と、見た目の問題です。
郵便番号は正しく・読みやすく書く
郵便作業合理化のために割り振られた7桁の番号が、郵便番号です。誤配や遅配を防ぐためにも、正しく・読みやすく書きましょう。もちろん、算用数字、普通の数字で書きます。
相手の郵便番号はわからない場合には、日本郵政株式会社のホームページ内にある「郵便番号検索」で簡単に検索できます。
住所は都道府県から書く
郵便番号が7桁になった際に、集配地域ごとに細かく分類されたため、住所によっては地名を省略し、○丁目と番地を記載すれば届くようになりました。
ただ、年賀状は新年の挨拶ですから、都道府県から書くのがよいとされています。特に年配の方には、きっちり書きましょう。
丁目・番地は、縦書きなら漢数字、横書きなら算用数字が基本
丁目や番地の書き方にルールはありませんが、縦書きの場合には漢数字(一、二、三)、横書きの場合には算用数字(1、2、3)で書くのが基本です。
ただ、数字によっては漢数字では読みにくいこともありますので、縦書きでも算用数字を使うことがいけないわけではありません、柔軟に対応しましょう。
マンション・ビル・アパート名も省略しなし
マンション、ビル、アパート名がわかっている場合には、省略しないで書くのが基本です。
相手に対する敬意でもありますし、郵便配達員への配慮でもあります。建物によっては、カタカナで長い名前の場合には文字を小さくするなどで対応するといいでしょう。
アルファベット表記は臨機応変に
近年、マンションやビル名にアルファベットが含まれる建物も多数あります。「ABCビル」程度であれば、そのまま縦書きでもいいのですが、単語になっている場合には、その部分だけ横書きにするといいでしょう。
年賀状や手紙の住所は漢数字・算用数字どっち?
横書きならともかく、縦書きの場合には、番地や部屋番号を漢数字にするか、算用数字にするかは悩ましい限りです。基本は、漢数字ですが、最近は算用数字の利用も増えています。読みやすさ(誤配や遅配予防にもなります)を考慮し、算用数字でもいいでしょう。基本的な使い方、使い分けをご紹介します。
漢数字と算用数字の使い分け
上述の通り、縦書きなら漢数字(一、二、三)、横書きなら算用数字(1、2、3)が基本です。ただ、漢数字の一、二、三は縦に並べると、誤読しやすくなるので、書き方に配慮も必要です。いくつか例をあげてみます。
上記は、いずれも間違いでも失礼な表記でもありません。ただ、数字の表記によっては、とても読みづらいものがあるのは、ご理解いただけるでしょう。
◉ 十は○、それとも十?
画像一番右のように、「20」の表記は漢数字では「二○」ですが、最近では「二十」のように「十」を使う人も増えています。
「32」のような場合には、漢数字で住所を表す場合には「三十二」ではなく、「三二」と書きます。ただ、「一・二・三」は、誤読しやすくなるので算用数字で「32」と書いてもいいでしょう。
同様に「11」であれば、漢数字で「一一」となりますが、縦書きすると「11」なのか「二(2)」なのか、わかりにくさがあります。このような場合には、算用数字で「11」と書いたり、「十一」と書く方が間違いありません。
◉ 数字が3桁以上なら?
マンションやアパートなどの部屋番号や、一部の番地では3桁、4桁になることもあります。漢数字で縦に並べてもいいのですが、読みにくさがありますので算用数字で書く方がわかりやすいです。特に、「一・二・三」が続くような場合には、なおさらです。
◉ ハイフンはどう書く?
住所の丁目や番地では、「○丁目○番地○号」と書く他に、縦の棒「|」を使うこともあります。わかりにくい場合にはカタカナで「ノ」にしてもいいでしょう。これは、縦書きで算用数字の「1」の場合に便利です。
年賀状や手紙でバランスよく住所を書くには?
年賀状や手紙では、住所を正しく、かつ読みやすく書くのが基本ですが、見た目のバランスにも心を配りたいものです。
年賀状や手紙の住所をバランスよく書くには?
縦書きで住所を書く場合には、書き出す位置に注意しましょう。
- 住所は、ハガキ上部の郵便番号枠の一番右と二番めの間くらい、郵便番号枠から一文字分くらい下げて書き始めましょう
- ビル名、マンション名で改行する場合には、頭を少し下げ、下を合わせるようにするとバランスがとりやすくなります
・ビル名、マンション名が長い場合には、少し小さめに書きます - 宛名は、はがき中央に来るようにし、住所よりも字を大きくします
・宛名が1名であれば、郵便番号枠左2つ分くらいの大きさ、連名であれば郵便番号枠の左から3枠分で収めるのが目安です
住所は2行に収める
宛名の住所は、2行以内でおさめると、見た目のバランスもよくなります。
そもそもで住所の文字数が多く、さらにマンションなどの建物名がある場合には、2行でも難しいこともあります。その場合には、無理をせずに3行でも構いません。
改行の位置は、住所や番地、建物名等のキリが良い箇所にします。
ただし、宛名(名前)よりも、住所の文字が大きくならないようには注意します。
宛名面の文字の大きさは?
表面(宛名面)では、宛先氏名 > 宛先住所 > 差出人氏名 > 差出人住所 にすると、すっきりみえます。
表面に差出人住所を書く場合は小さめに
差出人住所を表面に書く場合には、左下に小さめに書きます。
目安は、切手幅。あるいは、左下の差出人用郵便番号枠の、右から二番目を目安に住所を書き、その左に差出人氏名を書きましょう。郵便番号枠の一番右側の列はあけておくと、バランスがいいです。
差出人の名前や住所を、相手の宛名や住所よりも小さく、低い位置から書き始めることは、相手に対し敬意を表する意味があります。宛名より差出人が目立つことがないよう、くれぐれも気をつけましょう。
年賀状の差出人は表裏のどっち?
手紙(封書)では、裏面に差出人の住所を書くことが多いですが、年賀状の場合にはどうでしょうか。
賀状の差出人は表裏どちらに書くのが正解?
差出人の名前や住所は、表裏どちらに書いても問題ありません。挨拶文(裏面・通信面)を印刷する場合には、差出人の住所や名前も印刷するケースも多いです。裏面に書く(印刷)場合には、表面には書く必要はありません。もちろん、表裏の両面に書いたところで、間違いでもありません。
表裏どちらがいいかには、諸説あります。あまり説得力のない理由であることが多いので、気にせず書きやすい方を選ぶといいでしょう。
年賀状の差出人住所を書く場所についての(よくある)考え方
・表面の差出人名は、送り状として大切な情報、郵便局が読み取るべき情報
→ 宛所不明で差出人に返送される時以外、ほとんど関係ありません
・裏面の差出人名は、年賀状の内容として受取人が読み取る情報
・裏面に差出人名があれば、誰からのものかすぐわかる
→ 表面に書いてあってもわかりますので、意味がよくわからない理由です
・翌年年賀状を書く際に、表裏ひっくり返さなくても誰が書いたかわかる
・ファイリングしやすい
・裏面に住所を入れると、直筆メッセージを書くスペースが小さくなり、短文で済む
→ ここまで来ると、こじつけとしか思えない理由です
結婚や転勤など、引越しをして住まいが変わった場合は、その旨をひとこと添えると丁寧です。(これは、裏面・通信面に)
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