年賀状の宛名の書き方をご存知ですか。
普段は手紙1つ書いたことのない人でも、
・日頃お世話になっている会社の社長や上司、学校の先生
・親戚など家族全員
このような人々への年賀状は欠かせないですよね。
でも、いざ宛名を書こうとすると、基本ルールを知っておかないと戸惑うものです。
今回は、年賀状の宛名書きで困らないよう、様、殿、御中等使い分けも含めてお話しします。
◆年賀状の書き方のマナーはこちら→年賀状で目上の人への書き方マナー【一言文例】上司社長親戚パターン別
年賀状の宛名の書き方で社長宛は何と書く?教授は?
目上の人に対して年賀状を出す場合、文書のマナーが分からず悩むかと思いますので最初に基本を理解しておきましょう。
(1)個人へ手紙を出す場合は相手の名前の後に「様」をつける。
(2)組織の場合は、氏名を書かないで会社宛、部署宛の場合は「御中」をつける。
(3)組織で役職名をつける場合は、本来「●●社長殿」等としますが、殿は格下という誤用が常識化しているので今はあまり使われなくなっています。
(これは最後の章で詳しくお話しします。)
さて、以上の基本ルールに沿って考えていきましょう。
社長宛の場合
年賀状を自宅に送る場合は、「社長」等の役職はつけずに「様」を使います。
上司である部長や課長などの場合も同様です。
社長、部長、課長等の役職名は、氏名の後につける場合は敬称扱いになるので、決して「鈴木太郎社長様」などと書いてはいけません。
学校の先生宛の場合
普段から「先生」と言っているような職業(学校の先生、教授、医者等)の場合、「先生」も敬称の1つなので「様」よりも「先生」の方が良いでしょう。
この場合も上の役職と同様に「先生様」という二重敬称にしてはいけません。
年賀状の宛名の家族全員や先生方の場合は?
親戚や親しい友人に年賀状を送る場合、家族ぐるみの付き合いであれば全員の名前を書くほうが良いですね。
その場合、人数によって次のようにしましょう。
(1)子供がいない場合で夫婦のみの場合
鈴木 幸一 様
鈴木 裕子 様
と、名前を書くのが良いでしょう。
奥様の名前が分からない場合は、「奥様」とします。あとで説明します。
(2)子供がいる場合
鈴木 幸一 様
鈴木 裕子 様
鈴木 陽菜 様
3人程度なら宛名が書ききれるでしょうし、全員の名前を載せましょう。
子供の場合、呼ぶときには「君」「ちゃん」を使いますが、文書の場合は「様」にします。
(3)子供が多い場合
子供が多い場合は宛名欄に全員書ききれないため、次のように書きます。
鈴木家御一同様
または、
鈴木 幸一様
□□□皆々様※(□はスペース。夫の名前の隣の高さから「皆々様」を書きます。)
※「皆々様」の部分は「ご一同様」「ご家族様」のどれでも大丈夫です。
奥様の名前を知らないけど夫婦連名にしたい場合
夫婦宛に出したいけど奥様の名前が分からない場合は
高橋 貴志様
□□□奥 様(□はスペース。夫の名前の隣の高さから「奥 様」。)
と書きます。
ちなみに年賀状の場合は「奥様」が一般的ですが、結婚式の招待状等では「令夫人様」や「令室様」を使います。
年賀状の宛名の幼稚園の先生や学校は?
幼稚園や小学校の先生など全員に年賀状を出したい場合がありますよね。
この時、複数名だと「御中」を思う浮かべる人が多いと思いますが、御中というのは文字通り、
「(組織の)中の人へ」
という意味の丁寧語(御)です。
つまり、「その組織に所属する人なら誰でもいいので読んで下さい」という意味になります。
そうではなく、年賀状を出す場合は、出来れば幼稚園の先生全員に読んでもらいたいのですから、「ご一同様」を使う方が良いですね。
・●●幼稚園教員ご一同様
・●●幼稚園職員ご一同様
・●●小学校教員ご一同様
・●●小学校職員ご一同様
様・殿・御中の細かい使い分けを知ろう
組織団体へ年賀状や文書を送る場合は、「様」「殿」「御中」の細かい使い分けを知っておくことが大切です。
御中について
氏名が分からない場合は「御中」を使って
●●株式会社御中
●●株式会社営業部御中
と書くか、
●●株式会社営業部 ご担当者様
などのように書きますが、上にも書いたように、「その組織に所属する人なら誰でもいいので読んで下さい」の意味なので、
全員に読んでほしい場合などは
●●株式会社営業部ご一同様
と書く方が良いでしょう。
役職をつける場合
個人の自宅へ送る場合は役職をつけませんが、組織団体の中のその方へ送る場合は、以下の3通りの書き方があります。
- ●●株式会社営業部 佐藤浩介部長
- ●●株式会社営業部 部長殿
- ●●株式会社営業部 部長 佐藤浩介様(佐藤浩介殿でも問題ない※)
- 役職をつける場合、役職が敬称の意味を含んでいるため、氏名+役職の場合は最後に「様」や「殿」はつけません。
- 個人名が分からない場合等で氏名をつけずに役職の方宛に送る場合は「殿」をつけます。
- 役職を最初につけてから氏名を書く場合は、最初の役職は敬称でなく部署名だけの意味になるため、最後の敬称として「様」か「殿」が必要になります。
「殿」の使い方
よく、「殿」は目上の人に使ってはいけないと言われていますが、ビジネス文書の場合は、目上の方であっても「殿」を使っても問題ない、というのが本来の使い方です。
使ってはいけないケースというのは、ビジネス文書(公文書)でなく私信の場合です。
ただ、年賀状の場合は公文書というよりも私信なので、「様」の方が良いですし、殿を敬遠する人が近年増えているので、なるべく使わない方が無難でしょう。
まとめ
組織団体への年賀状では役職を書く必要がありますが、自宅宛に送る場合は社長といえど役職名は不要で、「様」で大丈夫です。
ただ、普段「先生」と呼んでいる学校の先生や幼稚園の先生、医者などの場合は「様」よりも「先生」の方が良いですね。
◆年賀状作成のお助けに→年賀状作成時に知っておきたいこと【目次】