年賀状の季節になりましたが、案外知らないのが紙の種類と選び方。
最近は郵便局の年賀はがきを購入して自宅のプリンターで印刷する人が多いようですが、年賀はがきを購入する際にいくつか気を付けなければならないことがあるのですよね。
今回は、年賀はがきの選び方や、普通のはがき、くぼみ入りはがきのことをお話しします。
年賀状の紙の種類と選び方は?
郵便局で販売される年賀はがきはディズニーやキティ等のキャラクター、絵、地域限定版なども含めると数多くのデザインがあります。
ここでは、自宅で印刷するか手書きをする場合として、代表的な無地のはがきについてお話しします。
無地(柄が一切ないもの)としては、
【定価52円のもの】
・普通紙
・くぼみ入り
・インクジェット紙
【定価62円のもの】
・インクジェット写真用
この4種類があります。
多くの人が、この4種類のうち「普通紙」か「インクジェット紙」を使っています。
現在の家庭ではインクジェットプリンターを使う人が多いのですが、その場合は必ず「インクジェット紙」を使いましょう。
もし普通紙を使ってインクジェットプリンターで印刷した場合は、紙質が粗いためインクの染み込みも粗くなってしまい、その結果古臭い印象のデザインになってしまうので間違えないようご注意ください。
写真画質にこだわりたい場合は?
現在のプリンターは高画質なのでインクジェット紙でもきれいに印刷できますが、写真をより美しく印刷したい場合は、「インクジェット写真用」がおすすめです。
ただし、価格は1枚につき10円高くなりますが、出来栄えがかなり違います。
ちなみに、イラスト印刷の場合は写真ほど画質が細かくないので、インクジェット紙で十分きれいに印刷できます。
ただ、インクジェットプリンターには顔料インクと染料インクの2種類があるのですが、「インクジェット写真用」は染料インク専用なので、顔料インクが入っている機種だと印刷できません。(顔料インクが入っている機種で印刷すると、インクが流れてしまいます。ただ、普通の「インクジェット紙」なら顔料インクが入っていても印刷可能です。)
そのため、もし「インクジェット写真用」を購入したいと考えたら、あらかじめ自宅のプリンターのインクが染料インクか確認しておく必要があります。
【具体例】
CanonのプリンターでPIXUS TS9030はハイグレードなのですが、2種類のインクを使っています(大きい6色のカラーインクBCI-371と黒色インクBCI-370PGBK)。このうち、単色の黒色インクが文字の滲みを防ぐという目的で、顔料インクを採用しているのです。ですから、この機種で印刷する場合は、「インクジェット写真用」は使えず、普通の「インクジェット紙」を使うことになります。
ちなみに、顔料インクと染料インクの特徴は次の通りです。
(1)顔料インク
染料タイプよりも高額なプリンターに使われているケースが多いです。
紙の表面にインクが定着して着色されます。
紙の内部にインクが染み込まないため非常にきめ細やかな色の再現が可能で光や水に強く、写真クオリティを求める人におすすめです。
ただし、表面へのインク定着ということから、こすれや剥がれに弱いという欠点がありますし、郵便局の年賀はがきの「インクジェット写真用」には使えません。
(2)染料インク
安いプリンターはこちらの染料系インクのプリンターであることが多いです。
紙の中にインクが染み込んで着色します。
紙の中に染み込むため表面の凸凹はありませんが、水に弱いという欠点があります。
郵便局の年賀はがきのインクジェット写真用を使うことができます。
レーザープリンターの場合は?
インクジェットプリンターについてお話ししてきましたが、自宅でレーザープリンターを持ってる人もいますよね。
その場合についてお話しすると、レーザープリンターでは「インクジェット紙」の印刷ができません。
この理由は、プリンターの故障の原因となる可能性が高いからです。
インクジェット紙は、紙の表面が滲まないように薬品等でコーティングしてあるのですが、熱や圧力でトナーを紙に印刷するレーザープリンターを使ってしまうと、インクジェット紙の表面を熱で溶かしてしまう可能性があるのです。
また、溶けて生じた屑などがプリンターのドラムやローラーに付着して故障する可能性があります。
ですので、レーザープリンターを使う場合は普通紙での印刷となります。
年賀状の普通のはがきは何に使うの?
自宅のプリンターで印刷する年賀状が広まった今日では、普通のはがきの需要がないのでは?と感じる人もいるかもしれませんが、需要はまだまだ沢山あるものです。
というのも、上でお話ししたように、レーザープリンターの場合はインクジェット紙での印刷が不可能なので普通紙で印刷することになりますし、その他、手書きという方法もあります。
そもそも、普通紙とインクジェット紙の違いについては、インクジェット紙が滲みを防ぐようコーティングしてあるのに対して普通紙は滲みが出て当然の紙質です。
でも、墨や筆ペン、万年筆、サインペン、クレヨン、色鉛筆等を使って絵や文字を描く場合にインクジェット紙を使うと、つるつるに滑ってしまい書きづらくなってしまうのです。
ですので、インク等の吸湿性が良い普通紙の方が適しています。
年賀状でくぼみ入りって何?
無地(くぼみ入り)は、上下や表裏が目の見えない方や弱視の方も判別できるよう、はがきの左下部に半円形のくぼみが入ったものです。
引用元:https://blog.livedoor.jp/kokoroiyasu/archives/51815527.html
年賀状以外に、通常の郵便はがきの種類でも、くぼみ入りがあります。
以前は売れ残ることが多かったそうですが、現在では広く浸透して需要が多くなり、郵便局窓口に行っても在庫がないケースも少なくありません。
もし必要な場合は取り寄せしてもらう方が良いでしょう。
さいごに
年賀状の紙の種類を間違って買った場合は販売期間内なら無料交換可能ですが、やはり手間がかかりますし、印刷するのか手書きにするか等を決めてから買いに行く方が良いですね。
特に自宅で印刷する場合は、購入前にお手持ちのプリンターの種類やインクの種類が何かをきちんと確認しておくことが大切です。