同封されている返信用封筒で返送する場合、多くの場合に宛先が「行」となっているため、この文字を二重線で消して「様」か「御中」を書きます。ですが、この二重線は縦横斜めどれでしょうか。また、書く位置はどこでしょうか。
今回は、返信用封筒を返送する際の書き方について横書きと縦書きのケースも踏まえながら、二重線の引き方から封の仕方までをまとめました。
◆返信用封筒を作成する場合の悩みはこちらの記事をご覧ください。
→返信用封筒には行と宛どっち?差出人欄に相手の名は?切手料金は?
→返信用封筒の送付状書き方は?いただきますよう くださいますよう?
返信用封筒の二重線は縦横斜め どの向きで書くの?
返信用封筒の「行」は二重線で消しますが、次のように見解が分かれています。
(1)縦書きの場合は縦線で、横書きの場合は横線で消す
(2)縦横関わらず、横線で消す
(3)1文字の場合は斜線、2文字以上の場合は縦書きなら縦線、横書きなら横線で消す
これは、絶対的な正解というのはありません。
一般的には、文字の流れに従って処理するのが美しいため、(1)が自然であるという見解が多いようです。
ただし、(3)という見解も多く見られていますし、私が以前勤めていた会社では文字の訂正や消す方法として(3)の方法を使っていました。というのも、「行」一文字の訂正の場合は、縦線で消すと文字の縦線と重なって訂正したのか分かりにくいため、斜線の方が見やすいというのが理由です。
また、(2)については、斜線で消すのと同様に、「行」の文字を縦に消すと重なってしまうから横の方が良いという理由と推測されます。
いずれにせよ、重要書類では定規を使ってきれいな平行線を書くことが大切ですし、返送用封筒では定規を使うほどではありませんが、フリーハンドでもきれいな平行線を書くよう心掛けましょう。
これは笑い話として考えていただきたいのですが、
「行」の文字を消さずに、そのまま書き加えて「御」にしてしまおう(´艸`*)
というコンセプトの記事がありました。(この記事の書かれていたブログは現在閉鎖されています。)
笑い話として考えると「ナイスアイディア!」ですが、この方法は実際に使うとマナーを知らないと思われるため絶対にやらないでくださいね。
返信用封筒の書き方は縦書きと横書きで違うの?
縦書きと横書きでは次のように文字の流れる方向が違うため、それに添った考え方が基本です。
- 縦書きは上から下に読み、右から左の行へ進む
- 横書きは左から右へ読み、上から下の行へ進む
では具体的に、「御中」や「様」を書く場所についてお話しします。
「御中」や「様」を書く場所は?
上記消し方と同様に、絶対的な正解はありませんが、これも文字の流れに従って処理するのが美しいやり方で、次の場所が一般的です。
- 縦書きの場合→名前の左か下
- 横書きの場合→名前の右か下
また、シャチハタ印が担当者名として押印されているケースでも、それを消さずに下に「様」をつけます。
シャチハタを消すのは相手に失礼な行為なのでしてはいけません。
「御中」と「様」のどっちを選ぶべき?
会社だけの場合は「御中」、個人名がつく場合は「様」をつけます。
- 会社宛→「○○株式会社御中」「〇〇株式会社××課御中」
- 個人名がつく場合→「〇〇株式会社 〇〇様」「〇〇株式会社××課ご担当者様」
(個人名がつく場合は、会社名の後に「御中」を書きません。)
返信用封筒の裏面に差出人名を書くべき?
返信用封筒の裏面には、差出人氏名と住所を記入しましょう。(縦書きの場合は左下、横書きの場合は右下です。)
相手が記入した宛先に間違いはないはずなので必要なのでは?と考えるかもしれませんが、郵便配達中にトラブルがあって送付先に届かない場合に送り主に帰ってくるため念の為記入しておく方が良いです。また、同封書類については「自分が責任持って送りました」という意味にも通じるため、社会人としてはマナーの1つとして書く習慣をつけておく方が良いでしょう。
返信用封筒が相手の社名入り封筒の場合は?
社名部分は消さずに放置し、裏面の下に「差出人」と書いて、自分の住所氏名(会社の場合は会社所在地、会社名、担当者名)を記入します。
本来なら、返信用封筒は無地封筒で作るものですが、社名入り封筒を使って返送用封筒にして送る会社もあります。その場合、封筒の表側の下に相手の会社名や住所が記載されているので気になるのですが、相手の社名等を「差出人ではありませんよ」という意味で消してしまうと相手に対して失礼になるのです。
返信用封筒の封の仕方で〆(しめ)は必要?
個人に送る場合は内容に応じて「〆」を書きます。
ビジネス文書の場合は「〆」を書かない方が良いです。
この理由として、封の後に「〆」を書くと親展扱いとなり「宛名の人以外は開封してはいけない」という意味になります。
ですが、会社においては宛名が個人名で書かれていても、その人が代表者等役職の高い人の場合は、開封は秘書や所属部署のアシスタント等が開封してから宛名に書かれた人に手渡すという可能性も多くあるからです。「〆」が書かれると、本人以外が開封できず困るのです。
さいごに
返信用封筒の「行」を消したり「様」「御中」を書くときに悩むかもしれませんが、これは絶対的なルールがある訳ではなく、文章の流れからマナーが出来上がっているようです。
そのため、今回挙げた縦横斜め、どれでも問題ありませんが、相手が受け取った際に読みやすく、失礼のないことが重要です。
◆返信用封筒を速達にする方法はこちらの記事をご覧ください。
→返信用封筒を速達で出してもらう方法は?書き方や同封添え状は?