七五三

七五三着物 正絹とポリエステルの違いは素人でも分かる?見分け方は?

七五三の着物は正絹じゃなきゃ駄目よ。ポリエステルなんて安っぽいし、みっともないわ!

このように姑や実母に言われて悩むお母さんは意外と多いものです。
でも、正絹とポリエステルの違いは素人が見ても分かるものでしょうか。見分け方はあるのでしょうか。

今回は、正絹とポリエステルで悩む時にどう考えれば良いのか、また、正絹やポリエステルに関して知っておきたい特徴をまとめました。

七五三の着物で正絹とポリエステルで迷う場合は?

七五三で正絹かポリエステルかで悩む場合、両家の親が煩いことを言ってくることが大きな原因というパターンが多いです。
あとは、ママ友の中には「私の七五三で使った正絹があるから娘にも使うのよ~」なんて言う人もいて、「やっぱり正絹だったら財産として残せるし、羨ましいなあ」と思うパターンもあります。(実は両方とも経験済みw)

一生に一度の七五三だから良い物をという気持ちは分かりますが、自分だって正絹とポリエステルの違いが分からないのに、幼い子供達に違いなんて分かるはずありません。ですから最終的には自分達が気に入ったものを選ぶほうが良いです。ただ、両家の親とは後々までのお付き合いもあるし、お祝い金を出してくる可能性もあるし、出さなくても孫の着物姿の写真一枚でも送る予定であれば、ある程度の意見は受け入れないとケチをつけてくる可能性もあるので「親の顔を立てる」ということも必要でしょう。

ちなみに我が家の場合は、実家の親が私の七五三に使った着物を送ってきたのですが、保存状態が悪く黄バミやシミが結構あちこちにありました。しかも、今どきの3歳の七五三は被布セットなのに、その着物は作り帯の、昔ながらの本格的な着物でした。
それを見た夫の母は、良い着物だと褒めてくれたものの、その数日後にデパートで3歳の被布セット(ポリエステル製)を購入してきてくれたのです。そして、「折角だから、私からもお祝いさせてね。写真撮影はあなたのお母様からの着物で良いから、神社に行く際にこっちの着物を着てくれたら嬉しいわ!」と言われてしまいました(゚Д゚;)

ちなみに、実家の母は着物をほとんど着ませんが、夫の母は洋裁和裁の得意な人で、自分自身でも着物を頻繁に着ていた人でした。既に他界しているので真偽のほどは不明ですが、恐らく実家の母を立てつつも、自分の納得のいく着物を買ってくれたのだろうと思います。(古い着物が気に入らなかったのか、3歳で帯のある本格的な着物を長時間着るのは無理だろうという配慮のどちらかだと想像しています。)

我が家の場合の事例はちょっと極端かもしれませんが、親が着物の質を気にしてお金も出してくる場合は、撮影した写真という証拠が残ってしまうし、今後のお付き合いを考えると半分は親の意見を受け入れるほうが円満解決なのではないかと思うのです。(お金を出さずに口だけ出すなら、無視して自分達の考えだけで物事を進めても良いかもしれませんが。)
ただ、

正絹とポリエステル、親が言うほど違うものなの?

って疑問は残ってしまいますよね。
そこで、次に具体的な違いについてお話ししていきます。


着物の正絹とポリエステルの違いは?

正絹は蚕を原料とした天然繊維、ポリエステルは石油を原料とした化学繊維です。
そのため、正絹の糸は太さが微妙に違いますし、それが織られた反物になると陰影や深みが増しています。一方ポリエステルは糸が均一だし、反物になってもつるんとした均一な仕上がりになります。均一というのは良いことのように感じるものですが、着物という伝統工芸品となると、ワンパターンで面白味がない、味わい甲斐がない印象を与えるのです。
このあたりの印象が、着物を見る目が肥えている女性にとっては違いを見分ける要因の1つであり「ポリエステルはペラペラでみっともない」と言わせてしまうのでしょう。

その他の違いでいうと、着心地は確かに全然違います。正絹は通気性が良いし、しっかり着付けすると長時間着くずれしにくいし快適です。でも、ポリエステルの場合は通気性が良くないし、しっかり着付けしても長時間着ていると着くずれしてしまう傾向があります。
2種類を着比べてみると分かるのですが、正絹は体に吸い付くように線に馴染んでいくのですが、ポリエステルだと体に沿ってくれずゴワゴワッ、というか、もっさりしたような感じになるのですよね。そして、ポリエステルは化学繊維なので静電気が発生しやすいのです。裾さばきが困るのですよね。静電気防止スプレーがないと、裾がまとわりついて大変なのです。

でも、七五三の着物は自分が着るわけではないので判別が難しいですよね。専門家だとどのような判断なのでしょうか。次に専門家の見分け方についてお話しします。

着物の正絹とポリエステル 専門家の見分け方は?

実は、近年は技術も発達してポリエステルでも非常に品質の良いものが出てきているので、見たり触ったりしても判別しづらいケースもかなり多いです。東レのシルックはポリエステルですが、見た目も手触りも正絹そっくりになっていますし、実は、安い正絹よりも高いのですよ。(とはいえ、七五三に関して言うと、東レの商品は販売されていないようです。)

そして、専門家である呉服屋さんなら見ただけで違いが分かるんでしょ?と思っていたら、そうではないようです。「恐らく正絹だろう、ポリエステルだろう」という目星はついても確証が得られないこともあるので、糸を燃やして、燃え方などによって判別することは比較的多いのだそうです。

【正絹とポリエステルの燃え方】

絹の場合は、ジリジリ縮れながら早く燃えていきますが、ポリエステルの場合はススが多くて黒い炎が出て燃えるのが特徴です。

また、燃える時のニオイは、絹は髪が焼けるようなニオイに対してポリエステルは芳香という感じです。

燃えた後に残る灰は、絹の場合は黒褐色の塊になりますが、指で少し押すと簡単に潰れるやわらかさです。ポリエステルの場合は溶けると球状になり、そのまま放置すると冷えて塊の場合まま硬くなりますが、熱いうちに引き伸ばすと糸状になります。

七五三の着物 正絹のおすすめは?

別記事ではポリエステルのレンタルと購入についておすすめ商品をお話ししましたが、こちらでは、正絹のおすすめ商品をご紹介します。
正絹はポリエステルよりもかなり高いイメージがあるけれど、実際に七五三で正絹を探してみると、ポリエステルよりも少々高い程度で見つかりますよ。
レンタルでは次の商品などがあります。

購入だとこちらがあります。

両方ともレビューを見るとかなりの高評価です。
これなら親も納得してくれそうだし、値段も多少高い程度で済むし、円満解決出来そうですね。


まとめ

「高いから正絹の方が良い、安いからポリエステルは駄目」という事はありません。ポリエステルも技術が発達してきており、安い絹よりも高級なポリエステルの着物だって存在します。

それに、着物の美しさというのは正絹とポリエステルという素材だけで決まるものではありません。着物の色柄や帯とのバランス、小物等とのコーディネートセンスや着付けの良し悪しなど、全体のバランスが整っているというのが非常に重要なのです。

もちろん正絹は長時間着ているとポリエステルよりも快適ですが、小さい子供は忍耐力がないので素材がどちらであっても長時間なんて着ていられないものなのです。だから、折角の晴れ着を汚したりする恐れも出てくるし、そんなに高価なものを着させるべきではないかもしれません。

とはいえ、着物好きで色々見ているお年寄りだと正絹かポリエステルかは雰囲気で分かる人もいますし、それだけ孫のことを大事に思ってくれている証拠でしょう。ですから、親の言うことを全て鵜呑みにする必要はありませんが、一度冷静に、円満解決できないか考えてみましょう。
ただ、昔は非常に高かった正絹の着物も、今はさほど高くない金額で買えるしレンタルもできるので、安い正絹なら候補の1つに入れても良いのではないでしょうか。

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