プラスチックに瞬間接着剤が間違って付いた場合、剥がすことが出来るのでしょうか。
目的の箇所とは別のところについた場合、瞬間接着剤だと剥がせなくなって困りますよね。また、一応目的の箇所についたのだけど、瞬間接着剤を多くつけ過ぎてはみ出た部分が白くなる場合も、どうしたら良いのか悩みますよね。
今回は、プラスチックに付いた接着剤の剥がし方や白化の場合にどうすれば良いのか等ついてまとめました。
プラスチックに瞬間接着剤がついたら剥がす方法は?
薬剤系で剥がせるのか?
プラスチックに瞬間接着剤がついた場合は、通常の瞬間接着剤の剥がし方とは異なり、殆どの場合薬剤が使えません。
通常、「アセトン」という成分の含まれている除光液や瞬間接着剤はがし液などを使えば剥がせるのですが、プラスチックの多くの種類はアセトンによって溶けて変質し、表面が曇ってしまうからです。また、瞬間接着剤の場合、ベンジンやシンナーも使えません。
アロンアルファの場合、プラスチックの中でも、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリプロピレン、ポリアセタール等は剥がし液やアセトンを使うことができます。一方、アクリル、ポリカーボネート、PS(ポリスチレン)、ABS樹脂、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)には溶けるため使えません。
煮沸させて剥がせるか?
瞬間接着剤のはがし方の1つに「1~2時間煮沸する」という方法もあります。
ただし、プラスチックが長時間の煮沸に耐えられずフニャフニャになってしまう可能性があり、現実的には難しいでしょう。
衝撃を与える方法は?
瞬間接着剤は衝撃に弱いため、カッターの刃等を接着した隙間に差し込んでバキッと剥がすか、少しずつ剥がすという方法もありますが、接着してから数時間経過した場合は難しいでしょう。時間が経過するほど、しっかり接着してしまうからなのです。
接着して直ぐであれば、この方法で何とかなる確率が高いです。
プラスチックに瞬間接着剤付着時の剥がし方 結論は?
プラスチックについた、余分な、不要な瞬間接着剤を剥がすには、耐水性サンドペーパーで磨いて接着剤部分を削り落とす方法がよく使われています。
サンドペーパーで磨き落とすだけですから、少し手間はかかりますが、難しいことではありません。
- サンドペーパーは1000番程度を最初に使い、接着剤がついた部分だけを丁寧に削っていきます。
削る必要のない部分には、マスキングテープやセロテープ等を貼ってカバーしておけばサンドペーパーで傷つける心配がありません。 - 接着剤とプラスチック表面の段差が殆ど無くなったら、数字の大きい(目の細かい)2000番以上のものを使って仕上げ磨きます。
- 傷が残った場合は、次のようなコンパウンドで研磨します。
コンパウンドもサンドペーパーと同様に、目の粗い物、細かい物があります。
プラスチックの場合は、最初から細かいものを使うと仕上げまで時間がかかります。最初は粗いもの、徐々に細かいもの(数字の大きいもの)へと道具を変えていきましょう。
プラスチックに接着剤がはみ出て白くなる場合は?
瞬間接着剤をプラスチックに使った場合、「接着剤の跡が白くなって困る」こともあります。
白くなってしまうのは、瞬間接着剤の主成分「シアノアクリレート」が空気中に含まれる水分と反応して固まる際に、気化した成分が周囲に流れ出るからです。
ですから、使い方や状況によっては白くなりやすくなってしまいます。
- 湿気が多い場合
- 固まるまでに時間がかかる場合
- 密閉状態に置いておく場合
これがわかれば、接着剤を塗る前に注意すべき点、できる工夫がみえてきます。
瞬間接着剤が白くなるのを防ぐ方法
(1)すぐできる工夫
- 湿度の低い場所で使う
- 接着剤がはみ出ないように余分には塗らない
- 塗った後に扇風機などの風を当てることで、瞬間接着剤が固まる際に発生する蒸気が接着面付近に留まらないようにする
(2)アイテムによる工夫
- 瞬間接着剤の他、硬化促進剤も併せて使い、早く固まるようにする
- 瞬間接着剤の種類で白くなるのを防ぐもの「低白化」「無白化」タイプと呼ばれるものを使う
この中で、一番確実でおすすめなのが、低白化、無白化タイプの瞬間接着剤を使うことです。
瞬間接着剤が白くなった時の対処法
使い方に注意していても、白くなってしまうことがあります。その時の対処方法です。
瞬間接着剤が白くなった場合の対応
- 接着剤用はがし液、アセトン、アルコール等で拭き取る
- 乾いた布やブラシ等で丁寧に擦り取る
- 耐水サンドペーパーで擦り取った後にコンパウンドで磨く
接着剤用はがし液などの溶剤は、プラスチックを溶かす可能性もあります。最初に少量でテストしてから使うことが大切です。
少量であれば、乾いた布やブラシで擦り取ることもできますが、確実な方法は耐水サンドペーパーとコンパウンドを使うことです。耐水サンドペーパーだけだとプラスチックに傷が残ってしまうので、コンパウンドで丁寧に磨くときれい仕上がります。
さいごに
瞬間接着剤がプラスチックについた場合、多くの溶剤を使うとプラスチックが溶けてしまう可能性があるので使えず、耐水サンドペーパーやコンパウンドで磨く方法が一般的です。
また、この方法はプラスチックの傷の補修にも使えます。サンドペーパーで磨く段階では傷が気になるものですが、仕上げにコンパウンドで丁寧に磨いてときれいになるので心配しないで作業してくださいね。