カビにはキッチンハイターやカビキラーが有名ですが、どちらの方が良いのでしょうか。
前回はキッチン流し台をゴムパッキン用カビキラーで掃除したのですが、カビキラー以外にも黒カビ落としにはキッチン泡ハイターや液体タイプのハイターもありますよね。
そこで今回は、カビキラーで残った汚れがハイターで落とせるかを試すと共に、ハイターとカビキラーの成分等の違いについてまとめました。
◆ゴムパッキン用カビキラーでどこまでカビが落ちるかについてはこちらの記事をご覧ください。
→ゴムパッキン用カビキラーで黒い汚れ落としに挑戦!取り方実践結果
カビにはハイターとカビキラーのどっちが良いの?
前回は、問題の黒カビ汚れの材質がゴムパッキンだったという理由でゴムパッキン用カビキラーを選んでしまったのですが、よく考えてみればキッチンハイターも同じカビ落としが出来るので、使ってみる価値があるはずですよね。
今回使ったのはキッチン泡ハイターです。
そして、問題のキッチンの黒カビはこちらです。
上の写真はカビキラーを使う前の、当初のキッチンの状態で、下の写真がカビキラーを使ってきれいにした後の状態です。かなりきれいになったものの、黒カビの名残で黒い部分が残ってしまっています。
そして、残った黒い部分にキッチン泡ハイターをスプレーします。
1時間以上浸け置きするならラップによる湿布をして乾燥を防ぐ方が効果が高まるのですが、今回は、カビキラー実験の時と同じ条件の30分間と決めていたので、あまり乾燥しないだろうと考え、泡をスプレーするだけで放置しました。
30分放置後に水できれいに流したら、このようになりました。
元々カビキラーでも黒カビを除去していたとはいえ、かなり黒い汚れがきれいに消えましたよね!
もっと長時間浸け置きしたら、もう少し落ちるかもしれませんが、長時間ハイターに浸けておくとゴム製パッキンが傷む可能性が高いので、ここで終了にしました。
でも、この結果からは、カビキラーよりもハイターの方が漂白作用が強いことが分かりました。通常、黒カビが一度ついてしまうと落とすのが非常に困難だと言われていますが、ハイターを使えば、諦めかけた黒カビでも、かなり落とすことが可能です。
ハイターとカビキラー成分等の違いは?
ハイターは花王の製品で、カビキラーはジョンソンの製品で、製造販売元は違いますが、両方ともカビを除去する目的のものです。
ハイターとカビキラーの成分は殆ど同じで、主に次のものがあります。
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)
- 界面活性剤
ですが、細かく見ていくと、次の点で異なります。
- カビキラーの界面活性剤には増粘作用のあるものが使われている
(カビキラーの場合はアルキルアミンオキシド、ハイターの場合はアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムです。) - カビキラーには安定化剤が使われている
- カビキラーには香料※1が使われている
- カビキラーの方が次亜塩素酸ナトリウム濃度※2がかなり薄い
※1 香料の有無について
カビキラーは浴室で使われることが多く、広範囲にスプレーすることを考えて、その後入浴している時に塩素臭がしないように香料が入っています。(かなり強いので、水ですすいでも香りが残ります。)
一方、キッチンで使うハイターについては食器等に余計な香りが残ってしまうと食事の際に気になる可能性もあるため、香料を入れない製品が多いです。
※2 次亜塩素酸ナトリウムの濃度について
次亜塩素酸ナトリウム濃度は次のようになっています。
- キッチンハイター(液体タイプ)→6%溶液を水で薄めて使う
- キッチン泡ハイター→0.6%溶液を(薄めず)そのまま使う
- カビキラー→0.5%溶液を(薄めず)そのまま使う
直接スプレーするカビキラーやキッチン泡スプレーの場合は、スプレーする際に薬剤が飛び散るため、それを使っている人が吸い込んで体を傷めないよう、濃度が薄くなっています。
ただ、同じスプレー式であるキッチン泡ハイターとカビキラーでは、若干ですが、キッチン泡ハイターの方が濃度が高いです。
この中で一番強いのは、液体タイプのキッチンハイターですね。だから、液体ハイター原液を使うとカビキラーよりも強力な効果が得られます。
さいごに
同じスプレータイプである、カビキラーとキッチン泡ハイターは価格はだいたい同じですが、液体タイプのハイターが一番安いです。そして、液体タイプのハイターが最も次亜塩素酸ナトリウム濃度が高くて漂白作用が高いです。
ですから、節約を考えるのであれば、なるべくスプレータイプよりも液体タイプを上手に使っていくのがおすすめです。
ただ、次亜塩素酸ナトリウムなどを含んだ薬剤なので、目鼻口等への刺激がありますし、きちんとメーカーの「使用上の注意」を守ることが重要です。
カビ対策として、キッチンハイターを水で薄めたものをスプレー容器に入れて使う人もいるようですが、これは品質上も安全性も、あまりおすすめできません。(次亜塩素酸ナトリウムは強い成分なので容器の劣化が生じますし、液体タイプをスプレーするので、目に入ったり鼻から吸い込んだりすると危険なのです。)
もし壁などを殺菌漂白したい場合は、液体ハイターをキッチンペーパーに含ませたものの上にラップを重ねて湿布する等して使う方法もあります。
手間をかけるのが面倒なら、適材適所ということで、カビキラーとハイターを用途別に揃える方が良いでしょう。
でも、「節約のためなら手間なんて惜しまないわ!」という人なら、工夫の仕方次第で液体ハイターを様々な箇所で使うことができるので、一度試してみるといいですよ。