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無水エタノールと消毒用エタノールの違い 使い方や殺菌力は?

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靴の消臭にエタノールが良いと聞いたので薬局で購入しようと行ったら無水エタノールと消毒用エタノールが置いてあったけど、どちらを買えば良いのだろう?

このように、迷ってしまったことはありませんか。
そもそも、エタノールの無水と消毒用は、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、2種類の性質の違いや使い方、殺菌力の違いにスポットを当ててまとめました。

無水エタノールと消毒用エタノールの違いは?

エタノールには無水と消毒用の2種類があり、この2つの違いとして最初に挙げられるのは、エタノールの濃度です。
無水エタノールは水を含まない純粋なエタノールで、ほぼ100%エタノールです。(エタノールは水分を吸収しやすい性質があるため、開封して放置すると水分濃度が上がってしまい、完全な無水状態とは言えなくなります。)一方、消毒用エタノールはエタノールに水を加えて約80%に調整したものです。

エタノール濃度が違うことから次のような違いが生じます。

  • 殺菌力→消毒用エタノールは消毒効果が高いが、無水エタノールは殆どない。(全く消毒できない訳ではありません。)
  • 刺激性→無水エタノールはアルコール純度が高いため刺激性が強く、直接触ると皮膚がカサカサに荒れてしまう。(消毒用エタノールはそこまで酷くない。)
  • 揮発性→無水エタノールは揮発性が高いため消毒目的でつけると、効果を発揮する前に揮発して無くなる。
  • 価格→無水エタノールよりも消毒用エタノールの方が安い。(更に細かく言うと、消毒用エタノールにも酒税のかかるタイプと、酒税のかからないようイソプロパノールが入ったタイプの2種類があり、後者の方が更に安くなります。)

では次に、エタノールを買ったらどう使えば良いのかについてお話しします。

消毒用エタノールの使い方は?無水で代用するには?

消毒用エタノールは、消毒や消臭目的の場合は薄めずにそのまま使います。
日常の掃除やキッチンの油汚れ落とし等の場合はもう少し水で薄めて使っても構いませんが、消臭や消毒目的で消毒用エタノールを使う場合は薄めません。

エタノールを使う際に注意すべきこと

エタノールは消毒や掃除など幅広い目的で使えるのですが、取り扱い上注意が必要ですので、使う前に次のことを覚えておきましょう。

(1)引火性があるため、火気に近づけないこと。
(2)揮発性が高いため、換気しながら使い、栓を締めて冷暗所に保管すること。
(3)触れ過ぎると肌荒れを起こすので、頻繁に使い過ぎないこと。
(4)スチロール、ニス、皮革製品は変性するため使わないこと。(フローリングも表面にニスがあるのでNG。)

エタノールの使い方

スプレータイプの消毒用エタノールを購入した場合は、そのままスプレーすれば大丈夫です。
スプレータイプでない場合は、スプレー容器を別途購入してスプレーしても良いのですが、ボロ布やカット綿にエタノールを含ませてから消毒したい箇所や消臭したい箇所を拭き取る方法もあります。細かい箇所の場合は綿棒にエタノールを含ませて拭き取ります。

スプレーはサッと一吹きで消毒できるため便利だし、ボロ布に浸して塗るよりも経済的ではあるものの、エタノールの揮発性の高さ故に、スプレーする際に吸い込む危険性があるため、あまり推奨できる使い方ではありません。

無水エタノールしかない場合は?

消毒用エタノールがなく無水エタノールがある場合は、無水で代用することも可能です。
その場合、無水エタノール80%に精製水を20%混ぜて使います。
なければ水道水を使っても構いませんが、水道水だと変質しやすいため、出来れば精製水の方がおすすめです。

無水エタノールを使う場面は?

無水エタノールは消毒には向きませんが、掃除の場面で活躍します。特に、

・水気があるとショートしたり錆びる可能性がある物の掃除(電化製品やコンセント等)
・水気があると性質が変わってしまう物の手入れ(紙類)

のように、水気があるとマズイ物の掃除に威力を発揮します。
その他、燃料や溶剤として使う等、純粋にエタノールだけが必要が場面でも重宝されています。

ちなみに、電化製品の掃除をする場合は必ずプラグを抜いてから行います。液晶画面等はボロ布にエタノールを含ませてから手垢汚れや埃を拭き取ります。スイッチ等の細部やパソコン等のコネクタの金属端子は、エタノールを綿棒に含ませてから拭き取ります。


無水エタノールの殺菌力が消毒用よりも低い理由は?

無水エタノールは100%で消毒用エタノールは80%ということで、エタノール濃度が高いのは無水ですよね。それなのに、消毒用エタノールの方が殺菌力が強くて無水エタノールは殺菌力・消毒力が殆ど無い、と言われているのが不思議ですよね。

エタノールがなぜ殺菌できるかというと、

・細胞内部に入り込み細胞膜の脂質を溶かす
・タンパク質の構造を変えて機能を失わせる
・蒸発する際に細胞内部を脱水させる

という働きがあるからです。
70~80%濃度が細胞内部への浸透性が最も高く殺菌力が強いという実験結果があるそうです。

ですが、無水エタノールの場合は水分が含まれていないことから

・細胞内部に入り込みにくい(浸透しにくい)
・殺菌する前に蒸発してしまう

ということになるのです。

さいごに

エタノールは消毒や掃除など、幅広い場面で活躍するので基本的な使い方や、無水と消毒用の違いなどを覚えておくと便利ですよ。

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