浴衣は振袖と違って自分一人で簡単に着付けできそうだし、と思って浴衣を着たら、おはしょりが20cm近くもある!カッコ悪すぎ!どうしよう・・・(´;ω;`)
このように、自分で着付けをしようとして上手くいかず途方に暮れる女性は案外多いものです。初心者向けの動画だと、標準体型のモデルさんの着付けが多くてイレギュラー体型の対処方法は範疇外なのですよね。おはしょりは、子供ならまだ多少長くても気にならないものですが、大人の場合は傍から見ても気になるし、カッコ良くないものです。
今回は、おはしょりが少し長い場合と、かなり出過ぎた場合の2段階の直し方、その際の注意事項をまとめました。
浴衣おはしょりが長い場合の簡単な直し方は?
おはしょりが長い場合、着付けに不慣れな人の場合は焦ってしまうでしょうけど、案外単純な方法で改善できます。
というのも、現在の状態は「腰紐の位置が下すぎ、帯が上すぎ」というだけのケースが多いです。ですから、補正ポイントとしては、
・腰紐を今の位置より少し上にする
・帯を今の位置より少し下にする
この2点だけで大丈夫なはずです。
ただ、腰紐の位置を上にすると浴衣を着て歩いていると裾が広がりやすくなってしまい着崩れしやすいという欠点があります。ですから、腰紐はいつも通りの位置で一本結び、もう一本用意して数センチ上に結ぶ方法がおすすめです。そうすると、着物も安定して着崩れしにくくなりますよ。
自分の身長と浴衣の身丈が同じ程度の場合は、2本目の腰紐をヘソより少し上の位置で結びましょう。また、帯の位置は、下の線が腰骨にかかる程度に締める方が良いです。
浴衣おはしょりが出過ぎた時の整え方は?
身丈が身長より極端に長く20cm近く出てしまう場合はこの方法だと厳しいので、補助道具として洗濯ばさみを3個使って次の手順で行います。
(1)背中側のシワ取り&襟の抜き具合チェック
後ろ側の浴衣の皺を両脇に寄せて、おはしょりを全て下の方へ下します。
この状態で、次の2点について自分の姿を鏡で見て確認しましょう。
1)背中側に皺が寄っていないか、スッキリしているか。
2)襟の抜き具合はちょうど良いか。
着物の着付けにおいては襟の抜き具合がとても重要です。
髪型によって異なりますが、襟の抜き具合の目安は次の通りです。
・襟足に髪がかかる場合→こぶし1個入る程度
・ショートヘアやアップの場合→指3本入る程度
長すぎるおはしょりを直すと、その時点で襟も固定されてしまうため、その後に直すことが出来ません。ですから、ここで襟の抜き具合の最終確認をしなくてはいけないのです。
(2)後ろ側のおはしょりを決める
後ろ側のおはしょりが適度な長さになるよう、両脇の上をつまんで、洗濯ばさみを使って胸紐の所に留めます。
ここで注意すべきことは以下の2点です。
1)背中のおはしょりの皺が残っていないか
2)もし皺が残っているなら、左右の余りを前側へ寄せる
ここで使った2個の洗濯ばさみの間(つまり後ろ側)には皺がない状態にすることが重要です。
(3)前側のおはしょりを決める(中央→左脇→右脇)
前側のおはしょりも後ろと同じ長さまで上げるのですが、最初に前の中央を決めます。中央のおはしょりの上のほうを1ヶ所つまんで胸紐ごと洗濯ばさみで留めておきます。
次に左脇のおはしょりについて、余った部分を脇で折り畳んで後ろ側に倒して、洗濯ばさみを止め直します。
更に右脇のおはしょりについては、下前の余りを(右脇から前中央へ向かって)上前の中に入れ込んでいきます。きれいに見せるためには、おはしょりの裾のラインを上前と下前で揃うようにすることです。
(4)伊達締めを結ぶ
前後のおはしょりが整っているか再度確認した後、洗濯ばさみの上から伊達締めを結びます。洗濯ばさみはその後忘れずに取り除きましょう。
浴衣のおはしょり出過ぎた時は他にも直す部分がある!
おはしょりが長すぎるということは、着丈が長いということになります。
つまり、浴衣の寸法が自分に合っていないということを意味するのですよね。
そうすると、直さなければならないのは、おはしょりだけではない可能性が高いことを理解しておかねばなりません。
おはしょり以外では、以下の2つが可能性として考えられます。
・裄丈が長すぎる
・身幅が余りすぎる
(1)裄丈が長すぎる場合の直し方
裄丈のちょうど良い長さは袖が手のくるぶし程度ですから、手の甲が隠れてしまう場合は長すぎます。
その場合、着付け段階で直すのは困難なので、事前に浴衣の長い部分を縫い込む方法で対処するのが良いでしょう。
縫い込む箇所は肩山です。子供の浴衣の肩上げは外側に出しますが、大人の場合は目立たないよう内側にダーツを取るように縫います。縫い方は、浴衣と同色の糸で、粗めのぐし縫いにします。
(2)身幅が余り過ぎる場合の直し方
身幅については、ぽっちゃり体型でなければ余る可能性が高いです。
この場合は最初の裾合わせ時点で下前が余り過ぎるため、体に巻き付けるのでなく、下前の左脇で余分な幅を前に折り返して着付けします。(体に巻き付けると歩けなくなってしまうので避けて下さい。)
この方法だと、背中心の線が実際の背中の中心から外れてしまいますが、腰紐より上部分の中心線が外れていなければ(腰紐より下が外れるだけなら)問題ありません。
さいごに
大人の場合、浴衣のおはしょりはやはり4~5cmというのが一番美しく見えます。
数センチなら比較的簡単に直せますが、20cmくらいの長さになってしまった場合はかなり大変なので、じっくり洗濯ばさみを使って直した方がやりやすいでしょう。
また、おはしょりが長い場合は他の部分もサイズが合っていない可能性があるので、ぶっつけ本番でなく事前に一度着付けしてサイズが合うか確認し、必要があれば本番前に肩上げをした方が良いでしょう。
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→浴衣の着付けを美容院にお願いするのは恥?髪型アップは?値段は?