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単身赴任は住民税が二重?住民票がない・住んでないのに家屋敷課税、納付先、金額の地域差は?

単身赴任で、住民税は二重にかかるのでしょうか。

また、納付先は家族の住む家と赴任先のどちらになるのでしょうか。

今回は、単身赴任における住民税の問題について、納付先や金額の地域差などを含めてまとめました。

単身赴任は住民税が二重にかかるの?

単身赴任などで配偶者だけが住民票を異動した場合でも、住民税が二重にかかることはありません

住民税は、1月1日(課税基準日)時点で居住していた市区町村から課税されますので、1月2日以降に住民票を異動した場合には、元の居住地に納税することになります。

ただ紛らわしいのですが、家族は住民票を異動せず、元の家に居住している場合には、「家屋敷課税」というものがかかります。住民税の一部であるので、二重課税と勘違いされやすいものです。

家屋敷課税とは?

家屋敷課税とは、住民税の課税基準日である1月1日時点で、市区町村内に事務所や事業所、家屋敷を持っている人で、その市区町村に住民登録がない人に課税されるものです。

【家屋敷課税とは?】
住民票がなくても、市区町村に家屋敷がある人に課税
住民税(市民税・県民税)の均等割のみを納税 ... 5,000~6,000円程度 ※市区町村により異なります
・所有している土地や家屋の評価額を基準に課税される固定資産税とは別のもの
・所得にかかる住民税(市民税・県民税)とは目的が異なるため、二重課税にはあたりません

その市区町村に住民登録がなくても、店舗・事務所・住宅等があることで、その市区町村からなんらかの行政サービス(消防、救急、清掃、道路など)を受けているものとして、課税されるのです。

【家屋敷とは?】
本人やその家族が居住するための住宅こと
所有・賃貸の区別はありませんし、別荘、別宅、現在居住していない場合でも、自由に居住できる状態であれば課税
※ 電気・水道・ガス等のライフラインが現在開通しているかは、関係ありません
※ 屋根や壁が抜け落ちているなど、建物として機能していない状況であれば課税されません

単身赴任で本人は引越して住んでいなくても家族が居住している場合、転勤等で空き家の場合、生活の本拠ではなくても一時的な利用のために設けられた家屋なども、該当します。また、単身赴任で住民票を移していない場合には、単身赴任先の住居にはかかります。

ただ、賃貸目的で所有しているものや、現在他人が居住している場合には、課税されません。

賃貸住宅で夫だけ別の市区町村に住民票を移した場合
■ 家族が住む賃貸住宅の名義人が夫
:家屋敷税が課税

■ 家族が住む賃貸住宅の名義人が妻(世帯主)
:世帯全員の前年度の所得が非課税であれば住民税も家屋敷税も課税されない
:前年度の所得が一定の額以上であれば、住民税が課税

家屋敷課税の申告時期

家屋敷税については、確定申告と同様3月15日頃までに、市区町村に申告する必要があります。毎年、申告関係の書類が送られてくるはずですし、難しい内容ではありません。

家屋敷課税を申告しなかったら?

申告しないと、本来課税されずに住む場合でも課税されることもありますので、面倒がらずに申告するに限ります。

住民税の納付先は単身赴任の場合どうなるの?

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住民税は、1月1日時点で住所のある自治体に納付するのが原則です。

単身赴任で引越しをし住民票を移していれば、今の住民票がある自治体に納付しますし、住民票を移していなければ元の住所がある自治体に納付することになります。

法律の観点でいうと、地方税法第294条における市町村民税の納税義務者をまとめると次の3種類となります。

(1)市町村内に住所のある人(住民票がある、という意味)
(2)市町村内に事務所、事業所、家屋敷があるけれど、住んでいない人(家屋敷課税の対象)
(3)市町村に住民票がないけど現在住んでいる場合(この場合、市町村が「住民票がある」と見做して住民税を課税できる)

わかりにくいのが(3)です。

  • 単身赴任等で赴任先に仮住まいがある
  • 住民票は移していない
  • 年末調整で記入する「令和〇年度分 扶養控除等(異動)申告書」の「あなたの住所又は居所」に赴任先の仮住まいの住所を記入した

この3つが重なった場合などが該当します。

年末調整の書類の「あなたの住所又は居所」には、原則として住民票のある住所を記入します。それを、住民登録していない赴任先の家の住所を書いてしまうと、会社の担当者がその住所で自治体に書類を提出してすることになります。結果、市区町村が「住民票がある」と見做して住民税を課税できるのです。

その場合でも、赴任先の市区町村と、住民票のある市区町村との両方から課税されることはありませんので、大丈夫です。なんらかの手違いで、両方から住民税が課税された場合には、会社の担当者や市区町村の市民税課などに問い合わせてみましょう。いずれかの市区町村にだけ納付することになります。

年末調整の他に確定申告を行う場合も、住所は気をつけて記入しましょう。住民票のある住所、年末調整で記入した住所、確定申告で記入した住所を同じにする必要があります。統一されていないと、2つの自治体から住民税納付書類が送られてくる可能性があります。問い合わせて確認してもらえば、二重課税になることはありませんが、自分の手間が増えるだけです。。

住民税の金額には地域差があるって本当?

住民税の割合には、多少ですが地域差があります。

住民税は前年の所得に応じて課税される所得割と、世帯ごとに課税される均等割の2種類があり、それぞれ都道府県民税と市区町村税に分けられます。自治体の財政状況や行政サービスも異なるので、多少とはいえ地域差があるのは仕方ないことなのです。

住民税の地域差はこれが原因

住民税額は一律の標準税率、税額です。でも地域差があるのは、一部の県では森林環境保護等の目的で標準税率以外に所得割を0.25%程度、均等割を300円から1000円加算している自治体があるからなのです。また、逆に減税が適用されている自治体もあります。

具体例

(1)神奈川県横浜市の場合
県民税→所得割4.025%、均等割1800円
市民税→所得割6%、均等割4400円

(2)愛知県名古屋市の場合
県民税→所得割4%、均等割2000円
市民税→所得割5.7%、均等割3300円
※名古屋市の場合は名古屋市市民減税が適用されています。

考えたり、調べたりしても、どうにかなることではありませんので、おとなしく払うに限ります。

まとめ

単身赴任で悩むのが住民票を移すことによる住民税の変化ですよね。納付先によって若干金額が違うので、赴任先とどちらが安いのかを考えて判断する方法もあります。ただ、場合によっては均等割分だけとはいえ家屋敷課税がかかる可能性もあるので、両方をよく考えて納付先を決める方が良いでしょう。

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