七五三の着物でポリエステルの場合はクリーニングに出さなくて良いのでしょうか。
自宅で洗濯するには、どのようにすれば良いのでしょうか。
手洗いでなく洗濯機でも大丈夫でしょうか。
七五三の当日までは無事終わるかという心配で頭がいっぱいで、着物の洗濯なんて考えていなかったお母さんはかなり多いのですよね。
そして、七五三を終えて初めて「着物のクリーニングはどうしたら良いの!?」と悩むものです。
今回は、ポリエステルの着物の洗濯方法について具体的にお話しします。
七五三の着物でポリエステルはクリーニング不要なの?
ポリエステルの着物は、正絹と違って基本的に自宅で洗濯可能です。
着物をクリーニング店に依頼する場合、普通のクリーニング屋さんでなく着物クリーニング専門店に出すことになり、結構値段が高いです。ちなみに正絹、ポリエステルどちらも金額は一緒です。正絹の場合は自宅での洗濯が不可能ですが、ポリエステルは殆どの場合が自宅で洗濯できるし無駄な出費が抑えられるので、出来るだけ自分で洗った方が良いですよ。
ただ、滅多にありませんが、物によっては自宅で洗濯出来ないものもあるため、事前にタグの洗濯表示を確認することが重要です。また、タグが見当たらないケースもあるので、ポリエステルだけど自宅で洗濯できない着物の特徴を次に挙げておきます。
【ポリエステルで洗濯できない着物とは?】
(a)洗濯表示に手洗い不可等のマークがあるもの
(b)箔がひいてあるもの(箔が剥がれる可能性がある)
(c)着物はポリエステルだけど糸が絹糸の場合
(c)のケースは滅多に無いのですが、仕立て屋さんに手縫いで依頼した場合に、ポリエステルの反物なのに正絹だと勘違いされてしまい、絹糸で縫ってしまうケースがあるのです。反物がポリエステルでも、縫い糸が絹だと、やはり縮みが生じてしまい、着物を仕立て直さなければならない状態になってしまいます。
ですから、洗濯表示が見当たらない場合は、手縫いかどうか縫い目を確認してみる必要があります。(ポリエステルの着物はたいてい縫い目がミシン目なので、それ以外が手縫いとなります。)
七五三の着物の洗濯方法 手洗いの場合
ポリエステルは自宅で洗濯できるとはいえ、着物ですから出来るだけ丁寧に洗う方が良いし、色滲みと色移りの心配を避けるためにも一点ごとの手洗いがおすすめです。
一点ごとというのは面倒だなあ、と感じるかもしれませんが、ポリエステルは色落ちの心配はさほど無いのですが、染料の性質上水に長く浸けていると色が滲み出てくることは結構多いのです。(水では出なくても、洗剤を入れた途端に染料が滲み出てくるケースは多いです。)
ポリエステルは色が出ても、着物そのものの色が抜け落ちるというより、定着しきれない色素が糸に付着しているだけです。とはいえ、他の部分と一緒に洗うとそちらに色が移る可能性もあり心配なので、一点洗いするのが安全なのです。
ですから、洗濯機でなく手洗いがおすすめなのですよね。洗濯機の場合、最低でも20分間は水に浸けることになり長すぎるため、水に色が出てしまう可能性が高いのです。
では、着物の手洗い方法についてお話しします。
【用意する物】
・バケツまたは桶を2つ(手洗い用とすすぎ用)
・水(30度以下)
・おしゃれ着用洗剤(液体中性洗剤)
※ポリエステルの場合、静電気防止のため柔軟剤を使うことも多いのですが、洗った後長期間使わないのであれば柔軟剤は使わず、その後着る際に衣類用静電気防止スプレーを使う方が良いでしょう。また、漂白剤は使ってはいけません。
【手洗いの手順】
(1)バケツまたは桶の1つには、水と分量のおしゃれ着用洗剤を入れ、もう一方にはすすぎ用の水を入れておきます。
(2)手洗い用バケツに5分程度浸けておき、押し洗いや揺らし洗いをします。
(3)すすぎ用バケツに移してすすぎます。2~3回水を変えてすすぎましょう。
(4)脱水は洗濯機の脱水を利用しますが、皺にならないよう5~10秒程度で止めます。
脱水としては物足りないのですが、水が滴らない程度にすれば皺を防ぐことが出来ます。
(5)脱水後すぐに取り出し、皺にならないよう叩いたり振りさばいたりしてから、袖口や襟などの形を整えてプラスチック製の衣紋掛けか物干し竿に通して干して、風通しの良い日陰で干します。(着物を乾かす際に洗濯乾燥機を使うのは避けてください。)
【小物類の洗濯方法について】
(1)被布
被布には中綿があるので汚れがなければ洗わず、埃などを払う程度にする方が良いのですが、長期間しまっておくなら洗う方が安全です。
洗う場合はフリンジなどの飾りを外してから他の物と同じように上の方法で洗います。(飾りは糸で縫いつけてあるだけなので簡単に外せます。)
干す際には、被布の中綿が均一になるようパンパン叩いて綿をならすことを忘れずに。
(2)足袋
足袋は最初にぬるま湯でもみ洗いして細かい泥などを落としてから絞りします。
落ちない場合は5分程度中性洗剤に浸け置きしてから洗いましょう。
着物のアイロンがけと皺について
ポリエステルの場合、基本的にアイロンは不要です。ただ、洗うときに畳んで洗濯ネットに入れないと皺になる可能性があるので、必ず洗濯ネットに入れて洗いましょう。
もし皺ができてしまったらアイロンをかけて直しますが、ポリエステルは熱に弱いので必ず低温で行います。当て布をして、最初は低温(120度)でプレスします。
もしそれでも皺がとれない場合は様子を見ながら温度を130度まで上げますが、裏側などの見えないところで試しながら、生地にテカりが出たり、溶けたりしないか注意しながらプレスします。ポリエステルは高温でアイロンがけするとテカったり溶けたりするので、くれぐれも140度以下でするよう気をつけてください。
アイロンした後は暫くの間衣紋掛けにかけておき、熱が冷めたら畳んでしまいます。
七五三の着物を洗濯機で洗う場合の注意点は?
上でお話ししたように、着物は手洗いの方がおすすめですが、手洗いしたくない場合は洗濯機でも可能です。
ただ、脱水の際にやり過ぎると皺になる可能性が高いので、全自動洗濯機であっても脱水だけは手動にして、自分で時間をはかって取り出すことをおすすめします。(設定が1分間でも長すぎです。脱水時間は10秒程度で充分です。)
また、色うつりの心配があるので、洗濯機の場合でも一点ごとに洗うようにしましょう。(こうなると、水が勿体無いし、手洗いの方がラクなのですけどね。)
洗濯機の設定は手洗い、ドライ、弱水流などにして、必ず洗濯ネットに畳んで入れてから洗いの時間は3~4分、すすぎ2回します。
その他、被布などの洗濯方法については上の手洗いによる方法を参考にしてください。
七五三の着物をクリーニングする場合
どうしても心配な場合は、もちろんクリーニングに出す方法でも大丈夫です。
楽天市場の着物クリーニング店の中では、次のお店がレビュー数が多く高評価です。
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具体的には、例えば3歳被布セットのクリーニングの場合は次のプランがあります。
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さいごに
ポリエステルとはいえ、着物ですから洗濯できるのかなあと悩むでしょうけど、洗濯を手早くやり、脱水時間を10秒程度にすることで、皺にならずにきれいに洗い上げることができます。
数千円の節約ができるので、よろしければ挑戦してくださいね。