七五三の着物が、ポリエステルの場合は「自宅で洗える」も購入理由のひとつになりますが、実際に洗うとなると心配ですね。
- クリーニングに出さなくて大丈夫?
- ホームクリーニングの方法は?
- 手洗いでなく洗濯機でも大丈夫?
今回は、ポリエステルの着物を自宅で洗濯する方法(ホームクリーニング)について、具体的にご紹介します。
七五三の着物がポリエステルならクリーニングは不要?
ポリエステルの着物であれば、基本的に自宅で洗濯可能です。これは、正絹の着物ではありえない、ポリエステルならではのメリットですね。
着物のクリーニングは、チェーン店などのクリーニング店でも引き受けてもらえますが、数千円からと結構かかります。ちなみに、正絹、ポリエステルどちらも金額は一緒なことが多いです。
多少の手間はかかりますが、出費は抑えられますので、できるだけホームクリーニングをすることをオススメします。
中には、洗濯できないものもあります。洗濯前に、必ずタグの洗濯表示や、購入時の説明書などを確認しましょう。
ポリエステルでも、自宅で洗濯できない着物の特徴を挙げておきます。
【ポリエステルで洗濯できない着物とは?】
・洗濯表示に手洗い不可等のマークがあるもの
・箔がひいてあるもの(箔が剥がれる可能性がある)
・着物はポリエステルだけど糸が絹糸の場合
わかりにくいのが、最後の「着物はポリエステルだけど糸が絹糸」。
これは、ポリエステルの反物を仕立ててもらう時や、購入したポリエステルの着物を、着物屋さんや親・親戚・知り合いなどに直してもらう時に、ありえます。正絹の場合には、糸も絹糸を使います。ポリエステルの着物と知らずに、あるいは勘違いで絹糸を使ってしまうケースです。絹糸で縫っていると、洗ったときに縮みが生じ、着物を仕立て直さなければならなくなります。
これは、聞いて確認するしかなさそうですね。。ただ、市販品のポリエステルの着物をそのまま着用した場合には、ほとんど心配いりません。
七五三の「洗える着物」の洗濯方法〜手洗いの場合
1点ずつの手洗いがオススメな理由
ポリエステルは自宅で洗濯できるとはいえ、着物です。出来るだけ丁寧に洗う方が良いし、色滲みと色移りの心配を避けるためにも一点ごとの手洗いがおすすめです。
ポリエステルは色落ちの心配はさほど無いとはいえ、染料の性質上水に長く浸けていると色が滲み出てくることは結構あるのです。ただの水では色落ちしなくても、洗剤を入れた途端に染料が滲み出てくることもあります。
着物そのものの色が抜け落ちるというより、定着しきれない色素が糸に付着し落ちるだけなので、着物自体の色落ちの心配はありません。
とはいえ、一緒に洗うとそちらに色が移る可能性もあるので、一点ずつ洗うほうが面倒でも安心なのです。洗濯機であれば、簡単手間なしですが、水に浸っている時間も長くなりますし、着物を畳んでネットに入れて洗うのが基本ですから、場所が悪い(運が悪い)と色移りなどの可能性もあります。
「洗える着物」の洗い方
「洗える着物」の手洗い方法です。難しくはありませんが、時間の余裕があるときにやってみてくださいね。
【用意する物】
・バケツまたは洗面桶など
・水(30度以下)
・おしゃれ着用洗剤(液体中性洗剤)
・漂白剤の使用は避けましょう
・洗濯後、長期間使わないのであれば、静電気防止のための柔軟剤は使わない方がいいでしょう
→ 次に着用する時に、衣類用静電気防止スプレーを使うことをオススメします
【手洗いの手順】
1)バケツなどに、水と分量のおしゃれ着用洗剤をいれ用意します。
2)目立つ汚れやある場合には、汚れた箇所の下にタオルを敷き、その上に着物を置きます。濡らしたタオル、または 洗剤を入れた水をタオルに少し含ませ、汚れを叩くようにして落としましょう。
※ 着物の下にタオルを敷くのは、汚れが着物の他の場所に移るのを保護するためです
3)畳んだ着物を、1)のバケツなどに入れ、5分程度浸けておきます。
4)静かに、押し洗いや揺らし洗いをします。
※ こすり洗いやもみ洗いは着物を傷めるので避けましょう
5)汚れた水を捨て、着物を押しながら水気を取り除きます。
6)新しい水で2~3回すすぎます。洗剤の泡が出なくなったら完了です。
7)着物を押しながら水気を取り除き、最後に着物全体をバスタオルなどで包み、着物を押すようにして水切りします。
8)袖口や襟などの形を整えて、着物用のプラスチック製ハンガーや物干し竿に吊るして、風通しのよい日陰で乾かしましょう。
洗濯機で脱水する場合には、30秒程度でいいでしょう。
脱水時間を短くすることで、水分の重さで着物のシワを伸ばしやすくなります
・着物を乾かす際に洗濯乾燥機を使うのは避けてください。
・日光に当たると色ヤケの原因になります。風通しの良い日陰に干しましょう。
【小物類の洗濯方法について】
(1)被布
被布には中綿が入っています。汚れていなければ、洗わなくても大丈夫ですが、長期間しまっておくなら洗う方が安全です。
洗う場合には、フリンジなどの飾りを外してから、着物と同様の洗い方をします。被布の中綿に偏りがでないよう、形を整えてから干しましょう。
飾りは糸で縫い付けてあるだけなので、外すのは簡単です。乾いたら、忘れないうちに縫い付けておきましょう。
お正月などにまた着る場合には、一度陰干しし、埃などを払ってからしまいましょう。
(2)足袋
足袋は、最初にぬるま湯でもみ洗いして細かい泥などを落とします。落ちない場合は、5分程度中性洗剤に浸け置きしてから洗いましょう。
着物のアイロンがけとシワについて
ポリエステルの場合、基本的にアイロンは不要ですが、シワが残った場合にはアイロンがけしましょう。洗濯ネットに入れて洗濯した場合にはシワが残る可能性が高いです。
1)アイロンの設定温度は(130℃くらい)、ドライ設定にします
2)着物の上に、霧吹きで湿らせたあて布を置きます。霧吹きを使うときは、水が着物にかからないように注意しましょう。
3)アイロンを持っていない方の手で着物を軽く引っ張りながら、布目に沿って、一方方向にアイロンをかけます。アイロンを行ったり来たりすると、巻き込んで新たにシワができたりします。
4)アイロン後は、衣紋掛けにかけておき、熱と湿気を完全に取ってから畳んでしまいましょう。
ポリエステルは熱に弱いので、アイロンは当てすぎないようにしましょう。
温度が高すぎると、テカったり溶けたりします。アイロンのポリエステル用の温度で使用しましょう。
七五三の着物を洗濯機で洗う場合の注意点は?
洗えるポリエステルの着物でも手洗いの方がおすすめですが、洗濯機でも可能です。
洗濯機の設定は手洗い、ドライ、弱水流などです。洗濯ネットに着物を畳んで入れてから洗いましょう。洗いの時間は3~4分、すすぎ2回します。
脱水は30秒程度でいいでしょう。脱水しすぎると、シワになります。
※ 全自動洗濯機の場合には、脱水時間を確認してからスタートしましょう。
色移りの心配がある場合には、まとめて洗わずに、1点ずつ洗いましょう。
ホームクリーニングが面倒な場合、干す場所がない場合には、クリーニング店を使用するほうがいいです。チェーン店でもそれなりにかかりますので、クリーニングに出す場合には、間違いないところに頼んだ方がいいかとは思います。究極の一客洗いで仕上げてくれるオーダーメイド宅配クリーニング【ワードローブトリートメント】であれば、仕上がりも安心ですよ。
さいごに
ポリエステルの「洗える着物」の場合でも、着物です。普段着のように、洗濯機に入れて、あとはお任せ、、というわけにもいきません。
多少の手間はかかりますが、肉体労働というほどでもありませんし、やり方を間違えなければ大きな失敗にもなりにくいです。せっかく購入した着物なのですから、きちんとお手入れしておきましょう。