仕事のマナー

おごられ方のマナーで上司の場合の会計は?お礼やお返しは?


会社で遅くまで残業していると、上司に「メシおごるから食べて帰ろう」と誘われることがありませんか。

ここで多くの人が悩むのが「おごられ方」ではないでしょうか。

おごられ方にもマナーというのはあるものです。誰かと一緒に食事をする場合はもちろん食べ方に関するマナーが大切ですが、最後の会計での、お金の出し方にも人間性が滲み出てしまうものなんですよね。

そこで今回は、上司のおごりの会計時や、お礼の仕方とお返しの問題についてお話しします。

おごられ方のマナーで上司の場合は?

上司におごられる場合に一番大切なのは、おごってもらったお礼を言葉と態度で伝えることです。これをどこで伝えるかというと、

(1)店を出た後
(2)翌日、朝一番に上司と顏を合わせた時

この2回とも伝えることが大切です。

日本人の慣習で「半返し」というのがあり、つい私達は「お返ししなきゃ!」と考えてしまうものです。でも、職場関係では見返りなんて不要なのですよね。上司だって、遅くまで頑張って仕事してくれているから「今日はお疲れさん!」というねぎらいの気持ちであり、お礼を形で求めるなんて考えていないものです。「おごられて嬉しかった」「明日も仕事頑張るぞ!」という気持ちになってくれれば、それで充分なんですよ。

また、お礼をその場だけでなく翌日にも言うのは、上司に対する感謝の気持ちを伝えること以外に、自分のポイントアップを図る目的があります。ポイントアップと言うとイヤラシイと感じるかもしれませんが、仕事を円滑に進めるためには信頼関係が大切ですし、自分が相手に感謝をきちんと伝えることができる人間か、というのは非常に重要です。

翌朝、おごってくれたことを忘れずに一言「昨日はありがとうございました」と言えるだけで、

「きちんとした家庭で育ったんだなあ」
「気の利いた挨拶が出来るから仕事もしっかり出来るに違いない」

と上司に思ってもらえるものです。また、こういう一言があると、

「○○さんにおごるのは気持ち良いから、また食事に連れて行ってやろうかな」

という気にさせられるのですよね。

基本的に、仕事の出来る上司というのは部下の言動行動を無意識に見ているので、業務外といえども機転を利かせた行動が大切でしょう。

朝一番に伝えるのが難しいと思ったら?

朝一番に伝えようと思うけど、周囲に他の人もいるから言いづらい、と感じることもあります。でも、朝一番に伝えられるか、というのは意外と大切なのですよね。

上司としては、誘った手前、昨日は家にちゃんと家に帰られたかな、体調はどうかな、と気になるものです。でも、誘った側としては奢った恩を着せるようで言いづらいのですよ。ですから、おごられた側が再度お礼を言うことで、昨夜は無事に帰れました、元気で出社しています、という意味を含めて「昨夜はありがとうございました」と言えばいいだけのこと。

大きな声で言う必要はありません。小さな声で一言伝えに行けば良いのです。

もし、周囲の人にバレて「あいつだけ贔屓している(されている)」と思われて嫌なら、上司が「次の日にお礼なんて言わなくていいよ」と言ってくるでしょうし。言われない限りは、おごられた側は翌朝一番のお礼を欠かさない方が良いです。

上司のおごりで会計時は?

上司のおごりの場合は、多くの場合、彼氏とのサプライズデートと違って上司がこっそり会計してくれてるというパターンでなく、レジで堂々と上司が財布を出して会計するという流れが多いです。

この場合、どのようにしたら良いかというと、上司の性格によって異なるのですが、最初に押さえるポイントは1つです。
レジでお金を支払う場面では上司に任せること。
お店の人や他のお客さんがいる前では上司に全て任せることが、顔を立てることに繋がります。

その上で、自分の分は支払う意思表示をしましょう。財布を出す場面としては、上司が会計で席を立つ前が基本です。
「一緒にお支払いさせてください」と言って財布を出すのが良いですね。

また、上司との食事ではおごられることが多いとはいえ、自分の分だけは支払うつもりで千円札を数枚すぐに出せるよう、事前に用意しておくことも大切です。そして、食事を注文する際に自分がいくらくらい食べるのか、全体でいくらくらいかかるのかを把握しておき、上司と2人なら半額程度の紙幣をサッと出せるようにしておきたいものです。

まあ、最初からおごってくれる予定だった場合は「いいから、いいから」と言われるので無理強いせずに退いて、「ありがとうございます、ご馳走さまです。」と言ってレジでなくお店の外に出て待ちましょう。そして、上司が店を出た時点でもう一度お礼を言いましょう。

うっかり先に会計されてしまった場合は?

上司がレジに行く前に「支払います」と言いそびれることも結構あるものです。(仕事の出来る上司というのはテキパキしているので、帰り際の行動も素早いのですよね。)その場合は、レジは上司に任せて先に店の外に出てお金の用意をしておきましょう。

この場合は特に、総額いくらかかったかを推測して、その半分くらいの紙幣を出して小さくたたんでおき、上司が店の外に出たときに「今日はありがとうございました。少ないかもしれませんが。」と言って渡しましょう。

このパターンでも、多くの場合は「要らないよ」と言われるので、その場合はあっさり退いて大丈夫です。「ありがとうございます、ご馳走さまでした。」とお礼を言いましょう。

上司のおごりでお礼やお返しはどうする?

上司に対するお礼は形より感謝の気持ちを言葉と態度で表すのが大切だし、仕事上でお返ししたいものですが、やはり可愛がってくれる上司に対して「ご馳走になりっぱなしというのは申し訳ない」と感じることもありますよね。

やっぱり目に見える形で伝えたい、と考える場合ですが、
現金でのお返しはセンスが疑われます。
おごり返しについては、上司の性格や外見にもよりますが「たまにはご馳走させてくださいね」と言って先に伝票を持ってレジに行ってしまう方法もありでしょう。でも、見るからに年上、年の差が歴然とした場合はこの方法は使えないかもしれません。
こういう場合には、季節イベント、あるいは何かの機会にちょっとしたプレゼントを贈るのが無難ですね。
例えば、

・バレンタイン
・誕生日
・お歳暮お中元

こんなタイミングで、相手の心に負担とならないような、ちょっとした消え物を贈る方法があります。コーヒー好きならドリップ式のコーヒー豆とか、日本酒、ワインなど、 相手の嗜好を日頃からチェックしておくと良いですよ。

ただ、何かの行事にかこつけて贈ってしまうと毎年その時期に「今年も贈らなきゃならない」というプレッシャーにもなりかねないので、どちらかというと、旅行のお土産などにすると、自分だけでなく相手も気楽でしょう。

さいごに

私もかつて上司におごられることが何度もあり、財布を出すタイミングで悩んだり、お返しをどうしようかと迷ったことが多かったです。でも、数年経って自分が部下を持ってみると、おごる立場の人がお返しを求めていないという気持ちをようやく理解できました。

人によって感じ方は違うかもしれませんが、部下である間は上司に感謝しつつ可愛くおごられていれば良いのかな、そして、自分が部下を持った時に気持ち良くご馳走してあげる、というのが「自分がおごってもらったお返しをする」の本当の意味になるのではないか、と感じたものです。
今回の記事があなたの参考になれば幸いです。

-仕事のマナー