子どもの卒業式や入学式に着物で行く場合、バッグや草履、スリッパをどうするかも悩みますよね。
今回は、母親が着物の場合には合わせるバッグや草履、スリッパをどうすれば良いのかをご紹介します。
◆母親の着物については→入学式の親の服装で着物は目立ちすぎ?付け下げや小紋は駄目?
卒業式や入学式で着物に合わせるバッグは?
着物に合わせるバッグはどういうもの選べばいいのでしょうか。注意事項もありますので、参考にしてみてください。
着物に合わせるバッグは、和装用じゃないとだめなの?
着物の時のバッグといえば、和装用のバッグというイメージがありますが、形によっては洋装用のバッグを合わせてもおかしくありません。
式典とはいえ、子どもの卒業式や入学式の付き添いです。着物自体も準礼装や略礼装の訪問着や色無地などを着用しますので、合わせるバッグも、厳格なルールがあるわけではありません。ホテルのクロークのように、式典中に不要な荷物やコートを預けられるわけでもありません。
着物とのバランスがよく、実用的なものを選ぶことをおすすめします。
着物に洋装用バッグを選ぶ場合の注意事項
着物と相性がよい型があれば、手持ちのバッグでも対応できますが、注意事項もありますので、確認していきましょう。
- 持ち手が短い、または何もないもの(ショルダーバッグは避けること)
- チェーン等の金具や凹凸のある飾りがついていないもの
- 安っぽく見えないこと
- 控えめな色であること
- 必要最低限の荷物が入る大きさであること
- できれば軽いバッグ
◉ 着物の生地は非常にデリケートなので、ちょっと擦れたり引っ掛かるだけでも生地が傷んでしまう可能性があります。バッグの素材、金具やその他の装飾品は、使用前によく確認してください。
◉ パーティバッグのような小さなものは、保護者には不向きといえます。配布物などはサブバッグを使用するとしても、お財布やスマホ、ハンカチなどの最低限のものが綺麗に収まるサイズを選びましょう。特に、最近はスマホも大きくなってきていますので、小さめのバッグだと思った以上にモノが入らないことも。
和装バッグを新調する場合
和装用のバッグを新調するのであれば、おすすめは利休バッグです。
利休バッグは色柄共に様々ありますが、フォーマルでありながら沢山の荷物が入るので使い勝手がとてもいいです。マチがあり、形もしっかりしているので、床に置く時などにも倒れたりしないので、スマートです。
入学式や卒業式にも相応しく、それ以外にも結婚式やパーティ、七五三、お茶席等の様々な用途に向きます。
ご紹介している↓サイズは高さ18cm×横28cm×マチ10cm。このくらいあれば、携帯やハンカチ、財布だけでなく、デジカメなどもラクラク入りますね。
卒業式や入学式の着物に合う草履の選び方
草履の選び方の要素としては、台の色・素材・高さ・形、そして鼻緒の色・素材があります。そんなにあるの、、と疲れてしまいそうですが、靴を選ぶ時にも素材や、形、ヒールの形や高さを気にするのと同じですよ。むしろ、靴よりは選択の幅は狭いので安心してくださいね。
入学式や卒業式では、訪問着や色無地、付下げが一般的です。その場合に相応しい草履のポイントをまず確認しましょう。
- 鼻緒に帯地が使われた草履か、エナメル草履
- 草履の色は全体的に同じ色に
- 着物に近い色合いの淡い色で
- 高さは5cm程度
金糸・銀糸で華やかな草履ですと、結婚式などの留袖用となりますが、落ち着いたトーンであれば多少の金糸・銀糸でも問題はありません。エナメルでも、鮮やかな色だと着物とのバランスも悪くなります。卒業式・入学式には絶対コレ!といういうよりも、着物とのバランスをみて選ぶのが大切です。
台の色や素材
草履の「台」とは、靴でいうソール(底)の部分にあたります。草履では、基本的にはアッパー(甲)にあたるものがありません。
フォーマルの場では、草履全体が淡い色合いを選ぶのが基本です。
結婚式など留袖や振袖の場合には台は金や銀、白、セミフォーマルでは淡色系が適しています。最近では金や銀の台でもトーンや光沢を抑えたものが多くありますので、鼻緒も落ち着いたものであれば卒業式や入学式でも問題ありません。逆に、足を乗せる「天」と側面の「巻き」が別の色のものや、濃い色の草履ですとカジュアルな雰囲気となりますので、控えた方がいいでしょう。
間違いないものを選びたい場合には、着物の色合いに近い淡色系のエナメル草履を合わせるのがおすすめです。
台の高さ
卒業式や入学式では、一般的には5cm程度が相応しいとされていますが、好みで選んで問題ありません。
礼装用の草履では、踵は高ければ高いほど、芯(台の枚数)が多いものほど格が高いと言われ、カジュアルな場合には踵は低めと言われていました。最近では、一枚芯でも礼装用の草履や、カジュアル草履でも高さのあるものが増えています。あまり、細かいことに気を配らなくても大丈夫ですよ。
台の高さは歩きやすさにも関わります。歩きやすく、ご自身の体型や着物とバランスのよいものを選ぶのが一番です。
台の形
形については小判型と細型の2種類があります。
先の細い細型は脱いだ際にも見た目がきれいですが、小判型の方が幅が広くて安定感があるので好まれるようです。幅広タイプの人には小判型がおすすめですが、好みで選んで問題ありません。
鼻緒の素材や色
指を通し、足を安定させるのが「鼻緒(はなお)」です。鼻緒は、台の色と近い単色系、帯地であれば織りの模様が華美ではないもの、金糸・銀糸を織り込んである場合には落ち着いたトーンのものを選びましょう。
足袋
足袋は基本的には、白です。カラー、ワンポイント、柄など、素敵な足袋はたくさんありますが、それらは全てカジュアルな扱いとなります。卒業式や入学式では、保護者として清楚に上品に白の足袋にしましょう。
卒業式・入学式の着物に合う室内履きスリッパは?
入学式に着物の場合の室内履きは様々な考え方があるのです。スリッパはみっともないので室内用の草履という考え方もありますが、母親はあくまで「保護者」であり、「来賓」ではありません。動きやすさも考えて、ヒール高のあるスリッパを選ぶほうが無難です。
- ヒール高のあるものにすると、着物の裾が床につかないので動きやすく、汚れ予防になります
- 足袋が滑らない素材のものを
- 着物の色に合わせた色を
→ 着物が淡色系であればベージュなどのスリッパの方がバランスがいいですね - 装飾の少ないシンプルなデザインを
室内用の草履をお持ちの場合や、スリッパに違和感を感じる場合には、室内用の草履でももちろん問題はありません。
この場合に注意しておきたいのが、学校の校舎内なのに土足なんて非常識だ(外履きの草履をそのまま履いているのか)と勘違いされる可能性があるということです。外履き用ではないと明らかにわかるような草履を用意しておくといいでしょう。ウレタンの草履は台が低く、軽くて履きやすいし、歩いている時に音がしません。
さいごに
卒業式や入学式は式典とはいえ、主役は子どもです。母親は保護者ですから控えめに。華美な組み合わせや、カジュアルすぎなければさほど悪目立ちすることもありませんし、自分が思うほど周りはあなたのことを気にかけてはいません。あなたが自分の子どもの晴れ姿に夢中なように、他の保護者の自分の子どもが気になって仕方がないのですから。
今後着物を着る機会がなさそうであれば、無理に一式揃える必要もないでしょうし、今は小物も含めて一式レンタルすることも可能です。和装用バッグや室内用の草履を買わなくても、洋装用バッグや普通の室内スリッパ等で代用しても、マナー違反でも世間知らずと陰口をたたかれるわけでもありません。
着用予定の着物姿で、手持ちのバッグやスリッパが違和感ないかどうかをまず確認してから購入を考えてみるといいですよ。
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