飛行機のトイレは通常のものと少し違います。ですから飛行機のトイレは、マナーも少し違ってくるのです。今回は飛行機のトイレにまつわる知識とマナーについてお話します。
飛行機のトイレはできるだけ避けるべき?
飛行機は水をほとんど積んでいない
できるだけ機体を軽くして少ない燃料で長時間飛べるようにと、飛行機は水をほとんど積んでいません。1回のフライトあたり国内線で約400L、国際線で約1200Lしか積んでいないそうです。浴槽に張るお湯の量は約200Lですので、国内線はお風呂2杯分の水で機内全ての水分をまかなっている計算になります。
飛行機のトイレは超節水仕様です。1回あたりコップ1杯分の水で洗浄しているのです。しかし乗客全員が使用すると、すぐに水は無くなってしまいますね。
食事前後は混雑する
地上にいるときも、食事の直後や直前はトイレが混雑するものです。飛行機内でもそれは変わりません。機内に設置されているトイレはそれほど多くはありませんから、すぐに行列になってしまいます。あらかじめ尿意がなくても、食事開始よりも前にトイレを済ませておきましょう。
搭乗前にトイレは済ませておきましょう
機内のトイレはすぐに混む上に、フライト中は清掃されないため、いつもキレイな状態とは言い難いです。また、水分をあまり積んでいないことから、最悪の場合流せなくなってしまいます。
最もおすすめな方法は、搭乗前にトイレを済ませておくことです。空港のトイレは数も多く清潔で、水の心配もありません。できるだけ空港内のトイレを使用し、非常時の時に機内のトイレを使用する、という感覚でいるのが良いでしょう。
飛行機のトイレの正しい使用方法は?
ドアの開け方
トイレのドアは機内の壁と一体化して平面ですし、薄暗いので見にくいですよね。よくあるのが、ドアの取っ手と勘違いして、灰皿部分を握ってしまうことです。灰皿にはタバコの絵が描かれてありますから、目を凝らしてよく見てください。
ドアにも様々なタイプがありますが、一概に言えるのは「どこかに必ず開け方が書いてある」ということです。見つからない場合は恥ずかしがらずにCAさんに聞きましょう。
トイレの中に入り鍵を閉めると鍵が電気のスイッチと連動しているので明るくなります。
ちなみに、灰皿があっても喫煙はご法度で、国によっては目玉が飛び出るほどの罰金が科せられますので、やめておくのが無難です。
用をたす前にトイレットペーパーを敷いて
飛行機は水をほとんど積んでいないので、排泄物は水の力ではなく空気圧の力で流します。吸い込まれるという表現が近いかもしれません。
そのためあまり大量に用を足すと、流れないことが起こるのです。
しかしトイレットペーパーの上に排泄すると、便器にこびりかずにキレイに流れます。
次の人を不快な気持ちにさせないためにも、トイレットペーパーを敷いてから用を足すように心がけてください。
蓋を閉めて流しましょう
飛行機のトイレは空気圧で吸い込みます。ですから便座に座ったまま流すと、お尻がはまって抜けなくなります。
さらに、蓋をしないといろんなものが便器の中に吸い込まれてしまいます。吸い込まれたものはもう取り出せませんし、最悪トイレが壊れます。その場で修理はできませんから、長時間フライトのケースで緊急着陸になったこともありました。
飛行機のトイレでメイク直しをするときの注意点は?
着陸寸前は控えて
必ずフライトが安定している間に行ってください。着陸寸前でのメイク直しは機体が揺れて大変危険です。マスカラを目に突き刺したなんてことになったらせっかくの旅行が台無しになってしまいます。
もし着陸寸前になってメイク直しを思い出してしまったら、潔く諦めましょう。少しの間すっぴんでいても誰も気に留めませんよ。
ビジネスクラス以上ならアッパーデッキを使用して
アッパーデッキのトイレはメインデッキよりも広くて使いやすく設計されています。メイク道具を置く場所も確保できますし、中には窓が備え付けてあることも。空の風景を眺めながら優雅にメイク直しをしましょう。
可能なら空港内のトイレでメイク直しを
機内は乗客数に対してトイレの数が非常に少ないものです。ですから、本当にトイレで用を足したい人に使ってもらうのがマナーの基本。搭乗前に薄化粧にしておくか空港でメイクを落としておき、着陸後の空港でメイク直しを行うのが大人の流儀です。
最後に
飛行機は大きな密閉空間です。そのため、トイレの使い方一つで乗客全員が気持ちよくフライトを楽しめるかイライラするかが決まると言っても過言ではありません。使わないのがベストですが、トイレを使う際には後の人のことを考えた使い方を心がけましょうね。
◆飛行機に関しての記事はこちらにもあります。