長時間のフライトでは、リクライニングシートを倒してゆったりとしたいものですよね。しかし周囲の乗客への配慮を欠くとトラブルにつながることも。
実際にリクライニングシートは機内でのトラブル上位3位以内に入ると言われています。トラブルに巻き込まれず、快適なフライトを楽しむために、リクライニングシートの正しい使い方を知っておきましょう。
リクライニングを使ってはいけない時ってあるの?
リクライニングシートは非常時など「リラックスすべきでない」時は倒さないのがマナーです。詳しくお話しします。
離陸してすぐと着陸前
離陸してすぐは期待が安定しておらず激しく揺れることもありますよね。最悪のケースでは不時着することもあります。緊急避難が必要になるとリクライニングシートは邪魔なもの。そのため、離陸後シートベルト着用サインが消えるまではリクライニングシートを倒さない方が良いでしょう。
着陸前も離陸時と同じ理由でリクライニングシートは倒さないのがルールです。シートを倒していたなら元の位置に戻してください。
食事中
CAさんが機内食を配って回る前にリクライニングシートを元に戻しておきましょう。リクライニングシートを倒していると後ろの席の人が食べにくいですし、自分も後ろに倒れこんでいるので食べにくい姿勢になります。食事が済んでからリクライニングシートを再び倒しましょう。
リクライニングシートは限界まで倒してもいいの?
倒せる仕様になっているのですから、限界まで倒しても問題はありません。
長期フライトでは電気が消えて寝る時間が設けられていますよね。その時間帯には多くの人がリクライニングシートを最大限倒して寝入っています。
ただし皆が起きている時間帯には、リクライニングは2段階程度にとどめておくのが良いでしょう。後ろの人がトイレに立った時に、リクライニングシートが限界まで倒れていると通行の妨げになり、トラブルの原因になってしまいます。
リクライニングする時は一声かけるべき?
国内線であれば一声かけるべきでしょう。国際線では声をかける必要は特にありません。
国内線の乗客はほとんどが日本人ですよね。日本人は挨拶を重んじますので、事前に断りを入れておくことでそのあとのトラブルを回避できます。
一方、国際線で同じ飛行機に乗り合わせる乗客は、国も宗教も考え方もまちまちです。
例えば3大宗教の一つと言われるイスラム教では、男性が女性に声をかけることはあまり奨励されていません。あなたが男性で後ろの席がイスラム教の女性であった場合、声をかけただけで怪訝な顔をされる可能性もあるのです。
日本人と違い外国の方は、嫌な時は嫌だとはっきり意思表示をする人が多いものです。もしあなたにリクライニングシートを倒して欲しくなければ、そのようにはっきり言ってくるでしょう。その時には素直に戻せばいいのです。
前の人にリクライニングシートを戻してほしい時は?
食事中やもうすぐ着陸するという時に、前の人がリクライニングシートを戻さず、不愉快な思いをするなら、優しく冷静に「戻してほしい」とお願いしましょう。
もし相手が納得しないならCAさんを呼んでください。食事中も着陸寸前もリクライニングシートを倒してはいけない時間帯ですので、CAさんがその旨をうまく伝えてリクライニングシートを戻してくれます。
なお英語で「戻してほしい」は「Could you your seat up?」です。またはこの画面を見せましょう。
さいごに
飛行機のリクライニングシートは度々問題を引き起こすため、LCCでは導入されていない機体もあります。それだけトラブルになることが多いためです。
日本人は奥ゆかしい国民性を持っていますから国内線でトラブルになることはほぼありませんが、国際線は要注意です。あなたが問題を起こさなくても、他の乗客がもめることも充分にあり得ます。そんな時は迷わずCAさんを呼んでください。
リクライニングシートの正しい使い方をマスターして、トラブルを回避し、目的地までの快適な旅を楽しんでくださいね。
◆飛行機に関しての記事はこちらにもあります。
→飛行機内で乗務員(CA)さんとのやりとりのマナー〜挨拶したほうがいい?どこまで頼めるの?コールボタンって?
→飛行機でトイレに行くときのマナー〜トイレの正しい使い方やメイク直しに使っていい時間帯など