ステンレスは英語で「stainless steel」と書き、意味は「錆びない鉄」です。でも、普段使っている鍋やキッチン流し台が錆びていることってありませんか。
我が家では時々錆がついており、結構ショックを受けることが多いです。どうしたら取れるのでしょうか。また、錆びない方法はあるのでしょうか。
今回は、ステンレスの錆の落とし方と防止方法についてまとめ、我が家の錆びたやかんがお酢でどこまで錆落としできるか実際に試してみました。
ステンレスの錆の落とし方は?
錆を落とす方法はいくつかあり、大きく分けると研磨によるものと薬剤によるものの2つに分けられます。
両方とも軽い方法から強力な方法まであるのですが、両方とも、強いものだと錆は落としやすい反面、ステンレスそのものへの悪影響を及ぼす可能性があるので注意して使わなければなりません。ですから、錆の状態を見ながら軽いものから試していく方が良いでしょう。
軽い錆の場合
軽い錆の場合は最初に次の方法を試してみましょう。
【使う錆び落とし剤・アイテム】
・重曹ペースト(重曹&水少々)
・クレンザー&お酢(またはクエン酸)
・お酢&ケチャップ
・重曹&お酢(重曹そのまま振りかけて、お酢を垂らして発泡させる)
【擦る道具】
擦る道具は、ボロ布や使い古しのストッキング、メラミンスポンジ、歯ブラシ、サランラップ、アルミホイル等を丸めたものがおすすめです。
研磨力の強い金属たわし、スチールウール、紙やすり等で強く擦ると錆は落ちますが、傷つく可能性が高いので避けた方が良いでしょう。
また、研磨系の洗剤(クレンザー)を使う場合も、ゴリゴリ擦らずステンレスの目に沿って、優しく錆を落とすよう心掛けましょう。
【手順】
(1)錆取り剤を塗って暫く放置
(2)水で洗い流すか水拭きして鉄くずを取り除く
(3)乾いた雑巾等で水気を拭き取る
酷い錆の場合
酷い錆や上記の方法で落ちない場合は次の方法もあります。
・還元系漂白剤ペースト(還元系漂白剤&50~60度のお湯少々)
還元系漂白剤はハイドロハイター等の商品があります。
還元系漂白剤にお湯少々を混ぜてペーストにして錆部分に塗って放置します。
その後ボロ布等で擦って錆を落としてからきれいに水拭きします。
・サンポール湿布(サンポール&キッチンペーパー)
※還元系漂白剤やサンポールは強力な薬剤で、長時間ステンレスについたままだと傷んでしまいます。特にサンポールは逆に錆が酷くなるため、絶対に長時間放置しないように注意してください。(長くても30分以上にならないように!)
強力で安心の錆取り剤
頑固な錆だけどサンポールや還元系漂白剤を使いたくない場合はステンレス専用の錆取り剤(ピカールやクレ556等)を使う方法もあります。もちろん、研磨力は高いので優しく錆取りする必要がありますが、サンポールのようなステンレスへ悪影響を及ぼすような素材ではありません。ステンレス表面にあるべき酸化被膜が再生するよう考えられて作られている商品なので、被膜が剥がれても再生するので安心して使えるでしょう。
ステンレスが錆びるのを防止するには?
ステンレスは鉄の合金なので使い方次第で錆びて当然の金属ということは理解しておきましょう。「錆びにくい」というだけであって、絶対に錆びない金属ではないのです。
錆の代表的なパターンと、錆びやすい使い方は以下の通りです。
(1)もらい錆→濡れた空き缶等をステンレスに置いておくと錆びます。
(2)塩が付いた場合→日常生活では塩分がついた程度では錆びませんが、海の近くの建物等は海水の塩分の影響で建物が錆びやすいです。
(3)薬剤が付いた場合等→錆落としする場合で錆取り剤を使う場合、その薬剤が強力だとステンレスを腐食してしまい、逆に錆を呼び込む原因となってしまうこともあります。そのため、取扱説明をしっかり読み、長時間浸けっぱなしにしないことと、使い終わったら水拭きをして薬剤を残さないということが必要です。また、ステンレスは塩素系漂白剤にも弱いので漂白剤として使うのは避けた方が良いです。
(4)ステンレス素材が粗悪品だった場合→海外製で安い物だとステンレスといっても偽造品や粗悪品である可能性もあり、その場合はステンレスの表面にあって錆から守ってくれる酸化被膜がきちんと出来ておらず、錆びやすい可能性があります。
ですから、
- 水分や油分が付いたらすぐに拭き取る
- ステンレスに醤油や塩などの塩分がこぼれた場合はすぐに拭き取る
- 空き缶や包丁など、鉄の含まれる金属を置いておかない
このようなことが大切ですね。
さて、以上のことを踏まえて我が家でもステンレスの錆を落とすことにしました。
ステンレス錆はお酢でどこまで除去可能か試してみた!
今回ステンレスの錆落としをするのは、こちらのやかんです。
実はこのやかん、前記事でも使っております。
前回、お酢や重曹を使って外側の油汚れや内側のカルキ、黒ずみをきれいに落とすことには成功したのですが、若干、やかん開口部分周囲の黒い錆が落ちていません。これでも最初の錆よりはかなり減っているのですが、もう少しきれいにしたかったのです。
ところでお酢は酢酸と言い、弱酸性なので酸の力は比較的弱く塩酸や硫酸などの強力な酸には負けるのですが、実際には金属を腐食してしまうほどの力を秘めた存在です。(お酢そのものが溶かすのでなく、解離した水素イオンと酸素と金属が反応することによるのですけどね。)
ですから、錆取り剤としてのお酢は、実は侮れない存在なんですよね。前回と今回既にお話ししたように、お酢はカルキ落としや錆、黒ずみ落としにも使える便利な素材ですし。そこで、劇的な効果でなく「ステンレスに優しく効いてくれればいいな」という期待を込めて実際に試してみました。
ただ、お酢は塩やケチャップなど、酸化作用を高める素材を組み合わせる方がおすすめです。
今回は、ステンレスのやかんの錆なので、ドロッとした感じの方が付けやすいだろうと考えて、お酢とケチャップを混ぜて使うことにしました。
問題の錆はやかん上部にあります。
所々に黒い色がポチッとついていますよね。
ココに混ぜたものを塗っていきます。(写真には掲載していませんが、熱を加えた方が良いかと考えて、この後やかんの中に熱いお湯をギリギリまで入れて、やかんを温めてみました。)
30分程度放置してボロ布で拭き取りました。結構落ちています。
でも、完璧ではなかったのでその後も数回同じ作業をチャレンジして、ここまできれいになりました!
お酢の場合は1回では完全除去できず、何度も繰り返しやることになりましたが、還元系漂白剤ハイドロハイターを使えば1回で済んだかもしれません。
さいごに
ステンレスの錆は毎回水分をきちんと拭き取っておけば発生しませんし、不要な空き缶などを置いておかない等のことも大切です。
ただ、ついうっかり錆ちゃった、というケースもあるでしょう。その場合は気づいた時点で今回のような方法で落とせば簡単に落とせる可能性が高いです。
早く気付けば錆も酷くないので、身近なお酢や重曹等で落とすことができます。「後でいいや」と思わず、ササッときれいにしましょうね。