お中元を結婚後に実の親や義父母に贈るべきかと悩む女性は非常に多いです。
そして、送ろうと考えたのだけど、いざデパートへ行くと、デパートの店員さんに
「のしは如何しますか?」
と訊かれてハッと気づいたことが!
「夫の親と同じ苗字なのに、のしに苗字だけを書くのは変じゃないの?」と。
また、お中元やお歳暮には送り状を書く方が丁寧と言われているけど、
「親子間でこんな手紙までつけたら他人行儀に思われない?」
今回は、以上のような悩みを抱える女性へのアドバイスとして、親に対するお中元お歳暮をどうするか、細かいポイントをお話しします。
お中元お歳暮は結婚後に親に送るべきなの?
結婚後は夫と2人で1つの世帯を持つため、親との関係をどのように築いていくか悩むことになりますよね。
そして、お中元やお歳暮については、「贈るべき」「贈らない方が良い」と意見が2つに分かれます。
両者の意見を見てみると、次のような理由があります。
【贈るべきという意見の場合】
- マナーのしっかりしている嫁と思われる(特に田舎の場合)
- 親との関係を円滑にするため
【贈らない方が良い意見の場合】
- 一度贈ると死ぬまで止められないから。
- 親子間で他人行儀だと感じる人もいる。(形式的過ぎる。)
- 贈ると相手がお返しをしなきゃいけないと悩む。お返しがないとおかしいのではないかと不愉快な人もいる。
贈らない方が良いという考え方の中では、お中元やお歳暮のような他人行儀な時でなく、父の日や母の日、誕生日などのタイミングで贈り物をする方がお祝いする気持ちと共に日頃の感謝を伝えやすい、と考えている人が多いです。
お中元やお歳暮というのはきっちりとしたマナーという印象なのでマナーがきっちり身についているという評価を与える場合もありますが、逆に、他人行儀だとか心がこもっていない、と思われる場合もあるのですよね。
全て、受け取る側の考え方次第なので、贈る前に夫と相談して、夫の親がどう感じる人なのかを知っておく必要があります。
贈るという行為は、贈る側の経済的負担がありますし、贈られた側の心理的負担があり、贈られると数千円といえども恐縮してしまうものです。(恐縮せず、もっとイイものが欲しかったのに!と言ってくる親も時々いますが。)
実際にどちらが良いのか、という問題は一概に言えず「親の考え方次第」なのですが、ハッキリ言うと、田舎のしきたりが厳しい、というのでなければ贈らない方がラクです。
どちらかというとお勧めなのが、お中元やお歳暮という形以外で直接手土産を持参する方法です。
そもそも、親に対してお中元やお歳暮を贈るか迷うのは「親との関係を円満にしたいからこそ」なんですよね。
そのためにはどうしたら良いのかというと、季節のタイミングに合わせてデパートから品物を発送するよりも、親の顔を見て、「お元気そうで良かったです」「美味しいと評判の店の××を買ってきたので召し上がって下さい」などと、気持ちの通じ合う会話をすることなんですよ。
お中元を親に送る場合の のしの書き方は?
最初に一般的な話をすると、熨斗には通常、下半分のところに苗字を書きます。
そして、夫婦で贈る場合は夫婦連名でなく、通常は一家の長である夫の名にします。
ですが、親に贈る場合で夫の苗字だけを書くと、夫の親も同じ苗字なので、例えば、鈴木一郎さん(夫)が鈴木太郎さん(父)に贈るとなると、
「御中元 鈴木」
となり、受け取った側が違和感を覚えるかもしれないし、夫に兄弟や親戚がいて、同じようにお中元お歳暮を親に贈る場合は、「どれが息子の一郎から貰った物か分からない」と思われるかもしれない・・・と悩むかもしれません。
これについては、いろんな考え方がありますが、
- 兄弟が多くて見分けられない可能性がある場合
- 田舎で親類が仏間に供えられた中元歳暮の品々を見る場合
このようなケースではフルネームで書いた方が良いでしょう。
特に田舎の本家など、親戚が沢山来て仏壇を拝むような場合は、誰がどんなお供えをしたか等チェックする人もいるのですよね。
そういう場合、嫁が中元歳暮の付け届けをしているかで出来が良いか悪いかの評価をする可能性も高いのです。
ただ、兄弟はいるけど結婚していない場合や、あまりお中元お歳暮を届ける人がいない親だったら深く考えずに苗字だけでも問題ないでしょう。(誰が贈ったかすぐ分かるでしょうし、贈ったらすぐに熨斗を外して開封してしまうでしょうし。
また、宅急便でなく直接手渡しする場合は苗字だけで大丈夫です。
ちなみに、熨斗というのはきちんとしたお中元やお歳暮であればつけるべきですが、親への贈り物の場合、店で熨斗をつけてもらえない事情があれば堅苦しく考えず、次のような考え方もあります。
(1)店で購入して、自分で奉書紙を購入して熨斗をつけて渡す(宅急便で送る)
(2)熨斗をつけないまま渡す(店から直接送ってもらう)
(2)のように熨斗をつけない場合、必ず品物が相手に届く前に「お中元を送りました」という内容の送り状をしたためて郵送するようにしましょう。
そうしないと、「お中元」「お歳暮」と相手に認識してもらえず単なる贈答品と受け取られる可能性があるからです。
お中元お歳暮の送り状で親の場合は?
昔は送り状を添えるのがマナーとされていましたが、最近は送り状なんて見たことない、という人が多くなっているくらい、送り状を書く人が減っているようです。
とはいえ、送り状をつけないと、なぜお中元やお歳暮を贈ってきたのか相手が分からないケースもあるし、気持ちが伝わらないので「物だけ送り付けてきた」と曲解される恐れもあります。折角お金を出して品物を贈るのですから、気持ちが伝わるよう、出来れば送り状を送りたいところです。
とはいえ、実の両親に贈る場合は送り状無しでも問題ないかもしれません。
ですが、義両親に贈る場合は、やはり品物だけだと気持ちが伝わるか心配ですし、送り状を添えた方が効果倍増だと思いますよ。
この場合の文章については、もちろん拝啓から始まる時候の挨拶など、マナーに則った方法が一般的ですし、手紙などのマナーに精通した義父母であればマニュアル通りの形式にするのは大切です。
ですが、最終的には相手への気持ちを伝えることが一番重要なことですから、
- なぜその品物を選んだのか、選んだ時の気持ち
- 相手への思いやり
このようなことが伝わるよう、あまり形式張らずに、本音で書くようにすると相手に気持ちが伝わって喜んでもらえるでしょう。
親への送り状文例
お父様、お母様へ
暑さが日ごとに加わってまいりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
先日地元の農産物直売所でカボチャを購入したところ、
すごくポクポクして甘みがあり美味しかったので、
お父様とお母様にもぜひ召しあがっていただきたいと考え
お中元をお贈りいたしました。
保存すれば甘みが増して冬まで美味しく食べられるので、
煮物やサラダなど様々な料理に使って
召し上がっていただければ幸いです。
今年の夏はかなりの猛暑になりそうなので
熱中症などにご注意下さい。
来月のお盆の頃にお伺いしたいと考えていますので
よろしくお願いいたします。
平成○年○月○日
鈴木 一郎、良子
上記文例中、暑中見舞いの時期でしたら、冒頭の文章を
「暑中見舞い申し上げます」としても良いでしょう。
差出人名については、宅急便の送り状や熨斗には夫のみの名を記入した場合でも、
多くの場合は妻が文章を考えて書く形になるため、夫婦連名にするのが自然でしょう。
さいごに
親にお中元やお歳暮を贈るかどうかは、結婚したら最初に誰もが悩むことです。
とはいえ、親の性格や生活環境によって答えは違います。
あまり一人で悩まずに、先ずは夫に義父母がどう思うかを聞いて、2人で相談して下さいね。もし贈るなら、先々まで続けなければならないことなので、無理のない範囲でやることも念頭に置いておきましょう。
◆お中元に関する記事はこちらにもあります。
→お中元で相手が喪中の場合に贈っていいの?熨斗や品物選びマナーは?
→お中元の渡し方自然な手渡しは?どんな言葉が良い?紙袋はどうする?