お歳暮の送り状は必ず送らないと駄目でしょうか。
マナー本を読むと、お歳暮やお中元を持参でなく送る場合は必ず送り状を出すものだと書かれているのですが、最近は品物だけ贈るという人が増えているようです。
今回は、送り状を送るべきか、その場合の文例として、個人宛とビジネス用や、もう少し簡単なお歳暮の品物に添えるメッセージカードの文例についてもご紹介します。
お歳暮の送り状を送らないのは駄目なの?
送り状は宅急便とは別に手紙か葉書で送るのが基本マナーとされています。
でも、今はただ品物を贈るだけで問題ないだろう、と思う人や、マナーを知らない人も多いようで、贈るだけの人もいます。
「いまどき手紙や葉書なんて古臭い」と思うかもしれませんが、お歳暮やお中元というのは昔から日頃のお礼を形にしたものであり、挨拶を交わすことで誠意が更に伝わりやすくなるものです。
もし貴方がお歳暮やお中元を頂いた場合で、相手から一言もなかったらどう思いますか?
「相手に対してお世話をしたから贈ってきたのだろう」と思えるならまあ良いのかもしれませんが、「少しお世話した程度なのに贈られたの?」とか、「毎回惰性で贈ってくれてるのかしら?」と感じることがあるかもしれません。
言葉がないと、折角数千円もかけた品物なのに「感謝の気持ち」を感じてもらえず、怪しい品物に成り下がってしまうのです。
熨斗に「お歳暮」と書いてあるから気持ちを理解してくれるだろう、と思うかもしれませんが、これは自分の期待だけで終わってしまうものです。
元々はお歳暮やお中元は持参して、感謝の言葉を伝えるとともに手渡すのがマナーですし、宅急便の場合は相手が見えないのですから、 なおさら丁寧に言葉を発して気持ちを伝える必要があるのです。
今までのことは仕方ないとしても、これからは一言感謝の気持ちを言葉として伝えた方が良いでしょう。
ちょっと面倒だな、と思っても大丈夫です。
文例通りのお決まりの文章でも、手書きで書けば相手に「感謝の気持ち」が伝わるものです。
では、お決まりの内容について次に例文をご紹介します。
お歳暮の送り状文例 個人とビジネス
送り状は品物と同時か、それよりも前に相手に届くように発送します。
ですので、事前に用意しておき、デパート等で注文する当日か翌日にはポストに投函したいものですね。
相手が個人の場合は葉書が一般的、取引先等の場合は手紙が一般的でしょう。
書く内容は、挨拶文の他、「いつ」「何を」「どこの店から」贈ったのか等を詳しく書きましょう。
以下の文章はシンプルにしてあるので、ご自身の言葉で書けるようならアレンジしていただいて構いませんし、その方が気持ちが伝わるでしょう。
※親しい関係の場合は「拝啓、敬具」を省略しても良いでしょう。
拝啓 年の瀬の、寒気いよいよ厳しい季節となりましたが
皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
本日は、日頃のお礼とご挨拶代わりに○○デパートから
○○○○をお送りいたしました。
お口に合いましたら幸いです。
寒い日が続きますが、どうかお体を大切に良い年をお迎えください。
まずは書中にてご挨拶申し上げます。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□敬具
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□平成○年12月○日
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□田中 太郎
拝啓 師走に入り慌ただしい日々が続いておりますが
皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。
日頃のご無沙汰のお詫び方々ご挨拶にお伺いすべきところ大変失礼とは存じますが、
本日別便にて○○デパートから○○○をお歳暮のしるしとしてお送りいたしました。
気持ちばかりの品ではございますが、お気に召していただければ幸いです。
これから寒さが厳しくなりますので、どうぞお体をご自愛下さい。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□敬具
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□平成○年12月○日
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□田中 太郎
○○株式会社
代表取締役○○○○様
拝啓 師走の候 貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご愛顧を賜りまして厚く御礼申し上げます。
本日は日頃の感謝の気持ちを込めて○○デパートから
心ばかりのものをお送りさせていただきましたので
お納め下さいますようお願い申し上げます。
今後ともお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。
略儀ながら、書面をもちまして歳末のご挨拶を申し上げます。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□敬具
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□平成○年12月○日
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□会社所在地
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□株式会社○○○○
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□代表取締役社長○○○
お歳暮のメッセージカード文例は?送り状より簡単!
お歳暮やお中元に送り状を出すのはマナーなのですが、今までやっていなかったし、「今更・・・」とか、「いちいち面倒だし・・・」という人もいますよね。
こんな人には、正式な送り状でなく、品物に添えるメッセージカードもおすすめです。
郵便法の規定により、郵便物にきちんとした手紙(信書)は入れられませんが、相手の名前を特定するような内容でなかったり、封をしていない物は信書とはみなされないため問題ありません。
ですので、長々と文章を書かず、内容に関する説明など、挨拶程度の「添え状」なら大丈夫です。
そのため、デパートから宅急便を贈る場合に小さなメッセージカードがないか尋ねて、それをいただいてその場で書く方法もありますし、その場で書くのが大変なら、事前に小さなカードを用意して書いて持参する方法もあります。
いずれにせよ、荷物に添えて送ってもらう場合は糊付けしてはいけません。
デパートによっては手紙とみなされて拒否される可能性もありますが、基本的には「贈答品に関する簡単な説明文」であり「封書をしていない」という2点がクリアできれば 問題ないので、メッセージカード実物を店員さんに見せてよく相談してみてくださいね。
ただ、産地直送品や生ものなどは同封できない可能性も高いので、どうしても同封したい場合は品物を選ぶ必要があり、その点ご注意ください。
師走に入り、今年も残すところ僅かとなりましたが、
お元気にお過ごしでしょうか。
いつもご無沙汰ばかりで申し訳ございません。
心ばかりの品を送らせて頂きましたのでご笑納くだされば幸いです。
これから寒さが本番ですので、お体をくれぐれもご自愛ください。
まとめ
お歳暮やお中元の送り状はマナーとして出すのが基本なので、今回ご紹介した文例通りでも良いので書いてみてくださいね。
せっかくお金を出すのですから、相手に感謝の気持ちが伝わるように言葉として表現しましょう。