喪中期間はお祝い事を避けますが、クリスマスツリーを飾ったり、クリスマスパーティーをしたり、クリスマスカードを送ることも控える方がいいのでしょうか。
今回は、クリスマスプレゼントやクリスマスカードなども含めて、喪中期間のクリスマスの考え方や過ごし方についてご紹介します。
そもそもクリスマスは控えるべき慶事なの?
日本では、クリスマスは季節のイベントです。恋人と過ごしたり、プレゼント交換をしたり、デートをしたり、子どもたちはサンタさんからプレゼントをもらったり、ケーキを食べたり、お楽しみがいっぱいです。
でも、本来はキリストの降誕祭、イエス・キリストの生誕を祝う記念日、キリスト教の祝祭です。
現在は、宗教的な枠を超え、世界中で年中行事の一つとして文化的に親しまれ、楽しまれています。つまり、キリスト教としては祝祭ですが、信仰がなければ季節行事にすぎず、慶事にはあたりません。
喪中に控えるべき慶事ではないのですから、本人や家族が気にしなければ、大きな問題として捉える必要はないのです。
服喪期間は、過去には法律で定められていましたが、現在はそのようなものはありません。つまり、忌引きがあけ、社会生活に復帰した時点で一区切り、忌明けでもう一区切りです。その後、いつまでどのように喪に服し、行動を慎むかは考え方、受け止め方の問題なのです。
喪中のクリスマスイルミネーションは?
日本でもすっかり定着したクリスマスイルミネーション。家庭によっては、玄関や窓、庭など、華やかに飾ることもありますね。
上述の通り祝い事にはあたらず、年中行事のひとつとして考えればいいでしょう。
忌中(仏式で49日)であれば、控える方が無難でしょうし、忌明けでもご自身や家族がまだ悲しみが深く、そういった気持ちにならないのであれば、今年はしなくてもいいのではないでしょうか。というよりも、する気にはならないのではありませんか?
亡くなられてから数ヶ月たち、自分も家族も落ち着いて普段の生活に戻っているのであれば、飾っても問題はないでしょう。
このようなときには、「周りの人から不謹慎だと思われるので避けるべき」といった考え方もありますが、決めるのは周りの人ではなく、あなた方自身です。周りの視線がどうしても気になるのであれば、今年はイルミネーションはお休みするに限りますね。
喪中のクリスマスツリーの飾りは?
クリスマスツリーを飾るかについても、考え方は同様です。ただ、こちらは屋内になることが多いでしょうから、心理的ハードルはより低くなりますね。
クリスマスツリーは、キリスト教とは無関係のゲルマン民族の冬至祭(ユール)で使われた樫の木が原型です。冬でも葉を枯らさずにいる樫は生命の象徴として、崇められていたのです。その後、樹木信仰の根強いゲルマン民族をキリスト教に改宗させる際に、樫の木を同じく常緑樹であるモミの木に変えることでキリスト教化したそうです。
日本には、1860年にもたらされました。第二次世界大戦中は影を潜めますが、戦後は早々に復活します。過去に現JRの東京駅や鉄道各駅にも飾られた際に、宗教活動ではないかと問題にもなりましたが、時の政権は「季節的装飾」と解釈し、現在でも日本では季節的な装飾として定着しています。
ですから、こちらも、自分たち家族の判断です。忌中や、まだ悲しみ深く楽しめる状況であれば飾らない、気持ちの整理がついているのであれば、飾ってもなんの問題もない、飾り方や飾る場所も自分たちの判断で、、ということなのです。
喪中のクリスマスパーティーは?
喪中のクリスマスパーティーについては、完全に自分たちの気持ちの問題です。忘年会などと同様に、季節行事をするかしないか、、ただそれだけの判断です。
クリスチャンであれば、宗教的な意味もありますし、そもそもで喪中に対する受け止め方が異なります。故人を偲ぶ気持ちは同じですが、家という単位で決まった期間を喪に服し、行動を慎むという考え方はありません。
忌中や気持ちの整理がついていない場合には、そんな気分ではないでしょうから、そもそもする必要もありませんし、誘われてもお断りして構いません。
ただ、子どもたちが楽しみにしている、子どもたちは気にしていないという場合には、お友達と楽しむ機会ですから、無理にやめさせたり我慢させる必要はないでしょう。
喪中にクリスマスプレゼントは?
家庭でクリスマスパーティをしたり、プレゼントを用意することは、特に問題はないでしょう。祝い事でも、宗教行事でもない、年中行事にすぎないのですから。
子どもたちや、相手が楽しみにしているのであれば、用意すればいいだけのことです。気持ちの整理がついていなくて、そのような気持ちになれないのであれば、事前に子どもや相手にそのことを伝え、今年はプレゼントを用意できないことを理解してもらえばいいのです。
喪中にクリスマスカードを出してもいいの?自分が喪中、相手が喪中
「お正月に年賀状を出せないし、年賀状がもらえないのは寂しい」という理由からクリスマスカードを送る人もいるようですが、どのように考えればいいのでしょうか。
自分が喪中なら、クリスマスカードはどうする?
自分が喪中で、クリスマスカードを送りたいと思うほど、気持ちの整理がついている場合には、送っても構わないでしょう。
ただ、その場合には、同じ人に喪中はがきを送ることが控えた方がいいでしょう。
喪中はがきは、身内に不幸があり年始の挨拶を挨拶を欠礼することのお知らせです。悲しみが深く、新年のお祝いができません、、という意味合いがありますので、華やかで楽しいクリスマスとは相容れないものがあるでしょう。
受け取った相手が混乱しますので、クリスマスカードを送る相手には喪中はがきは送らないようにしましょう。
相手が喪中なら、クリスマスカードはどうする?
これは、相手次第ですね。相手がもう気持ちが落ち着いているというのであれば、季節の挨拶として送ってもいいでしょう。ただ、その場合でも、相手が服喪中であることに配慮し、華やかなカードは控える方がいいでしょう。
相手から喪中はがきをいただいた場合や、相手の状況がよくわからない場合には、控える方が無難です。この場合は、年が明けてから寒中見舞いで連絡をする方がいいでしょう。
クリスマスカードは、クリスマスのお祝いの言葉の他に相手を思いやる言葉なども綴られ、季節の挨拶のカードのような意味合いもあります。年賀状文化のない国では、年賀状のようなものですが、日本ではそのような考え方は定着していませんので、配慮が必要です。
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さいごに
クリスマスはキリストの生誕祝いですが、日本におけるクリスマスは信仰とは無関係の季節イベントです。そのため、パーティーなどのお楽しみ感が強くなります。
キリスト教としては祝祭ですが、喪中を気にする仏教徒には宗教的な意味合いはなく、ただの季節イベント、年中行事のひとつにすぎません。自分たちが喪中であれば、気持ちの整理がついているか、楽しめる気分かで判断すればいいでしょう。
自分たちが落ち着いていても、周りの目がどうしても気になるのであれば、1年はお休みする方がいいでしょう。
喪中だからと、形式的にあれこれ禁止事項を設けるよりも、故人を偲びつつ、家族で共に過ごせる幸せを感じて、心温まるクリスマスをお過ごしください。