冠婚葬祭マナー

喪中のクリスマスツリー飾りやクリスマスパーティーは駄目?

喪中の場合はお祝い事を避けるといいますが、クリスマスツリーを飾ったりクリスマスパーティーをやるのも駄目でしょうか。

今回は、クリスマスプレゼントやクリスマスカードなども含めて喪中におけるクリスマスの考え方についてお話しします。

喪中にクリスマスツリーを飾るのは駄目?

xmas

クリスマスイルミネーションは屋外の派手な電飾飾りなので近所の人に「喪中なのに不謹慎だわ」と思われる可能性もあるので避けた方が無難でしょう。
ただ、故人がクリスマスイルミネーションを毎年楽しんでいた場合は「故人の供養」として飾るという考え方もあります。
ただ、結構派手なので他人の視線を気にするならば1年間お休みするほうが良いですね。

一方、クリスマスツリーは室内飾りが基本なので、派手でなければ飾っても良いと思います。
そもそもクリスマスツリーの由来はキリスト教とは無関係のゲルマン民族の冬至祭(ユール)が発端だったのです。
ユールでは当初樫の木が使われていましたが、後にキリスト教文化に取り込まれる際に、樫の木から生命の象徴であるモミの木に変わりました。(モミの木は冬でも葉を枯らさずにいるため生命の象徴として見なされていたのです。)

なので、クリスマスツリーはキリストの生誕祝いと結びつける必要がありませんし、「メリークリスマス!」(=クリスマスおめでとう!)でもないのです。

ちなみに日本におけるクリスマスツリーは戦後間もなく東京駅などにも飾られるようになっていますし、その当時の国鉄(今のJR)に「宗教的じゃないのか?」というクレームがあったそうですが運輸省では「単なる季節的な装飾」という見解であり、その後日本ではクリスマスツリーは季節的な装飾、ということで定着しています。

ただ、イルミネーションと同様に、外から室内が見えてしまうような派手なツリーだと近所の不謹慎だと思われるかもしれませんので、質素な飾りにしておくほうが良いでしょう。

喪中のクリスマスパーティーは?

喪中のクリスマスパーティーについては

・どのような会か
・同居している家族の気持ちはどうか

この2つを考えて参加不参加を決めるほうが良いでしょう。

会社関係の忘年会の意味でしたら、付き合いの一環として参加したほうが良いのかもしれませんし、町内会イベントも同様です。
ただ、友人知人のどんちゃん騒ぎの場合は、喪中で気持ちが沈んでいる中で参加したい気分にならないでしょうし、逆に周囲にも「喪中なのに大騒ぎしちゃってるよ」と見られる可能性もあるので欠席するほうが良いかもしれません。
また、同居家族が「喪中なのに・・・」と言うのであれば、事を荒立てずに「そうだよね」と同意して欠席するほうが良いですね。

ただ、子供同士のクリスマスパーティーは別に考えてあげましょう。
子供は故人との関係も離れているため喪中期間は短くても構わないでしょうし、小さい子供にとってクリスマスパーティーはお友達との仲を深めるチャンスです。
 子供が楽しみにしているのであれば喪中を理由に「やめなさい」などと言わず、前向きに考えて良いと思いますよ。

喪中に家のクリスマスパーティーでクリスマスプレゼントは?

クリスマスパーティーを家で行う場合も同様で、質素なパーティーや、クリスマス当日の「ケーキとチキン」程度であれば、通常の夕食で多少奮発した程度なので全く問題ないでしょう。
そもそも、ヨーロッパにおけるクリスマスは、教会でミサを受けた後は家で静かに家族とお祝いするものです。
私はクリスマス時期にドイツに旅行をしたことがあるのですが、クリスマス当日はどこの店も休みで、ホテルでしか食事にありつけなかった、という寂しい思い出がありますが、
あちらの人々にとってはクリスマスは外で遊ぶのではなく、静かに家に篭るのが当たり前のようです。

また、海外では喪中という考え方がないのですが、これは仏教などの考え方と異なるからであり、喪に服する(故人を偲ぶ)気持ちはあります。
ただ、身内が亡くなった場合にクリスマスや新年の祝いを避けるかというとそうではない国もあり、国によって喪中の形は異なるのです。

日本人にとってはクリスマスは派手に騒ぐようなイメージかもしれませんが、世界の国々でクリスマスに対する考え方や行動は異なりますし、派手に騒がず節度をもってお祝いするならクリスマスもOKではないでしょうか。

子供へのクリスマスプレゼントも同様で、内輪のことで子供たちが毎年楽しみにしているものですから、親からのプレゼントも普通にやって良いでしょうし、サンタさんからのプレゼントも、サンタには喪中なんて関係ないのですから、毎年の流れでやって構わないと思いますよ。


喪中にクリスマスカードを出していいの?喪中の人に送っていいの?

クリスマスカードを書く

「お正月に年賀状を出せないし、年賀状がもらえないのは寂しい」という理由からクリスマスカードを送る人もいるようです。
また、逆に「喪中はがきをいただいてお悔み状だと窮屈な気がするから」とクリスマスカードを送る人もいるようです。

これが良いのか悪いのかというのは人によって受け取り方が異なるので、全ての人におすすめ出来ることではありません。

というのも、 家族を亡くして落ち込んでいる人に「クリスマスおめでとう」の意味である「メリークリスマス」は不適切ですし、逆に喪中の人が「メリークリスマス」の文字の入ったものを人に送ったら「喪中なのにおめでとう、って喪に服する気持ちはないのかしら?」と人間性を疑われる可能性もあるのです。

ですので、喪中相手に送るなら、お悔やみ状が無難ですし、クリスマスカードにするなら「メリークリスマス」の文字がない、せいぜいキャンドル程度のデザインのグリーティングカードを送る方が良いでしょう。
欧米ではその年に身内が亡くなってもクリスマスカードを送る習慣があるようですし、形式としては問題ないはずですが、日本人はその文化に慣れていないため送る側受け取る側双方に抵抗があるかもしれません。

さいごに

クリスマスはキリストの生誕祝いですが、日本におけるクリスマスは信仰とは無関係のイベントですし、商売人にとってはクリスマス商戦は非常に大きなチャンスで盛り上げようと派手にやっているものです。
喪中のときにクリスマスを派手に行うのは良くないでしょうけど、家庭内で質素に行えば問題ないでしょう。

喪中だからとあれこれ禁止事項を設けるのでなく、故人を偲びつつ、家族で共に過ごせる幸せを感じて心温まるクリスマスをお過ごしください。

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