芋掘りで大量収穫した芋はとても美味しいのですが、多すぎて芋が食べきれないし、どうしよう?と悩むことが多いですよね。
今回は、芋の長期保存方法や、水で洗うのは問題ないか、芋についたカビは大丈夫かどうか等をお話しします。
芋掘りで大量収穫した芋の保存方法は?
芋掘りに行くと、その日の夜に早速天ぷらにしたり大学芋にして食べる人が多いのではないでしょうか。
でも、実は、掘ってすぐ食べると水分が多すぎて味気ないのです。
さつま芋は収穫して最低1週間程度は置くほうが甘みが出て美味しくなるし、2~3ヶ月熟成させた頃が一番美味しい時期なのです。
ただ、熟成しすぎると腐ったりカビが生えてしまうことが多いため、保存方法を注意しなければなりません。
では、早速保存方法についてお話しします。
皮に傷がついた芋や、小さい物の方が傷みやすいため先に使いましょう。
- 土を簡単に落として日に当てて乾燥させます。
- 発泡スチロール※の底に毛布等を敷き、その上に新聞紙も敷きます。
- さつま芋を1本ずつ新聞紙でくるんで(2)に、縦向きにして入れます。
- 上に新聞紙をかけて、発泡スチロール※を蓋を閉じて、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に保管します。
※発泡スチロールが無い場合はダンボールでも大丈夫です。
芋の保存温度について
さつま芋の長期間保存には上記のように新聞紙や毛布等を使って寒くならないようすることが大切ですが、その理由としては次の2つがあります。
・収穫後も生き続けて熟成していくため。
・さつま芋は芋類の中で一番寒さに弱く、温度によって状態が大きく変化するため。
また、さつまいもの温度と状態は次のようになります。
- 10~17度・・・適温。この状態で2~3ヶ月保存すると熟成する。
- 5~10度・・・短時間なら大丈夫。
- 0度以下・・・短時間でも芋が傷んで腐ってしまう。
芋掘り後に洗うのはOK?その後の保存は?
さつま芋の特性を知らないと、汚れているのは嫌と思い、土を落としたくなるものです。
間違ってすぐに水洗いしてしまった人もいるのではないでしょうか。
さつま芋は一度水気がついてしまうと皮が傷つくし、逆に腐りやすくなるため長期保存できません。
もし水洗いしてしまった場合は、よく拭いて新聞紙に1本ずつくるんで日の当らない風通しの良い場所に保管して、早めに使い切りましょう。
さつま芋の冷凍保存方法
さつま芋は冷凍できないと思い込んでいる人も多いようですが、実は冷凍できるのですよ。
間違って水洗いした場合や、ちょっと傷んできたと感じた場合には、その時点で冷凍保存すれば長期間の保存も可能で、使いたいときに取り出して使えるので便利です。
冷凍方法は、一度蒸してから冷凍する方法と、生のまま切って冷凍する方法があります。
保存の形が異なるので、使う目的に応じて使い分けて下さいね。
1.一度蒸してから冷凍する方法
【ペースト状で保存】
- 丸ごと蒸します。
- 皮を剥いてマッシャーかフォークで潰します。
- ジップロックに入れて薄く伸ばし、空気を抜いて冷凍します。
【輪切り状態で保存】
- 洗って皮を剥き、輪切りにして水にさらしてあく抜きします。
- 蒸します。
- 冷めたらジップロックに入れて冷凍します。
2.生のままスティック状で冷凍保存する方法
- 洗って皮を剥き、一度輪切りにしてから千切りにします。
- 水にさらしてあく抜きをした後、ザルに上げて乾かします。
- 暫くして水分が残っていた場合はキッチンペーパーを使って拭き取ります。
- ジップロックに入れて冷凍します。
- 冷凍庫から取り出して、解凍せずに直ぐに調理します(大学芋やフライドポテト等)。
芋の青カビは大丈夫?白色の場合は?
さつま芋は寒さに弱いので傷みやすいのですが、その原因となるのは、ほとんどがカビです。このカビは特別なものでなく、みかんやお餅のカビと同じように、空気中のどこにでも存在するものです。
芋が元気なうちは抵抗力があるのでカビに冒されませんが、一度弱ってしまうとカビに負けてしまい、カビが芋の養分を取り込んで中に入ってしまいます。
芋の皮があれば入りにくいのですが、皮のない場所からカビは入ってくるのです。
(傷ついた箇所や両端の切った部分はデンプン質が露出して入りやすいです。)
このカビは多少なら問題ないのですが、苦味があるし、放置するとどんどん中に入って味が落ちてしまいます。
少し切ってみて、中が白くきれいなら大丈夫でしょう。もし中まで黒くなっていたら完全に「寒さ負け」してしまった状態なので、直ぐに調理して食べるか、食べる予定がなければ諦めて捨てることになります。(これを過ぎると味が落ちて急に甘みが無くなり、苦味だけになってしまいます。)
カビが生えている芋を食べていいの?
カビを食べるのは良くないという見解もありますが、芋の場合はパンのように中まで空気が入りやすい構造ではないため、カビの内部侵入はパンほど早くなく、カビが表面についた程度では全部捨てなくても問題ないでしょう。
黒い部分を多めに取ってみて白くなっていれば調理して食べて大丈夫ですが、全て問題ないとは言えませんので、実際に味が問題ないかご自身の目と舌で確認してくださいね。
切り口が黒ずむけどカビ?白い芋にならないの?
芋の端の切り口が黒くなることがあるのですが、これは芋のアクが沁み出たためであり、カビではありません。
これは空気に触れることで変色して黒ずむだけです。
さつま芋をきれいな白色で使いたい場合は皮を厚く剥いて、芋を最初にたっぷりの水に5分程度さらすことでアク抜きが出来て、きれいな色で調理できます。
さいごに
スーパーで販売されている芋は何故長持ちするのだろう?と思うかもしれませんが、最初に「キュアリング」という処理をすることで長期保存可能になるのです。
これは、40度以上の高温と80~90%の高い湿度の環境に約24時間置いておくことでカビ退治をするという方法です。
家庭の場合はこういう熱処理は不可能なので、新聞紙や段ボールで暖かい環境作りが必要ですが、適切に行えば半年近く保存可能ですので、小出しで食べられるよう上手な保存を心がけましょう。