フォーマルバッグを入学式で使いたいけど、手持ちの黒バッグは葬式用に買った布製だから、新しく革のバッグを買う方が良いのかしら。でも、子供の入学費用が沢山かかるから余分な買い物したくないし、どうしよう・・・。
こんな悩みを抱えるお母さんは案外多いものです。
今回は、フォーマルバッグについて、
・必要性→別々に買うべきか、慶弔両方で1つを使い回ししても良いのか
・材質→布や革の選び方
・価格→安いおすすめ品
以上のことをまとめました。
目次
フォーマルバッグ入学式に葬式用は使えるの?
フォーマルバッグで葬式用というと布製のバッグを指すのですが、これを慶事に使って良いのかという問題については賛否両論あります。
というのも、布製のフォーマルバッグは光沢がないし、黒色といっても地味で深い色味なので慶事には向かないからなのです。ただ、結婚式以外の慶事であれば、布製を使っても問題ないと考える人が多いです。私自身もデパートで布製のフォーマルバッグを探した際に店員さんに相談したところ、「結婚式には向かないけど、入学式や卒業式等の子供が主役の場合、親の装いは控えめにするので問題ないですよ」と言われました。
ちなみに、公立だとフォーマルバッグを使わなくても問題ない学校が多いです。一方、私立の場合は品格を重んじる傾向が強く「保護者はブラックフォーマル着用が常識」という学校もあるため、そのようなケースではバッグもフォーマルで揃える方が良いでしょう。
では次に、革のフォーマルバッグと布のフォーマルバッグの違いと、この2つがどこまで使えるかをお話しします。
フォーマルバッグ革と布の違いと使用可能範囲は?
フォーマルバッグには、布製だけでなく革製もありますが、この2つは材質以外に用途が異なります。
【一般的なイメージ】
革製→慶事用
布製→弔事用
バッグ販売店に行くと、革布共に「冠婚葬祭両方全般に使える」としている製品が多いのですが、実際には上記のようなイメージが世間一般に浸透しています。
【例外】
革製でも弔事に使う人もいる
布製でも慶事に使う人もいる(結婚式以外)
ただし、地域や家の慣習によって温度差があり、このような使い方をすると否定的な見方をされる場合もあるので注意が必要です。
この区分けのポイントが、革製のフォーマルバッグは基本的に葬式等のような弔事には使わないという考え方です。この考え方は「革製品は動物の殺生を連想させるため仏事には相応しくないこと」が根拠だと言われていますが、絶対にダメかというとそうではありませんし、逆にこの根拠こそ、都市伝説ではないかと思うのですよね。ブラックフォーマルは海外のキリスト教文化から入ったもので、日本で喪服として定着したのは昭和30年代頃ですし、その当時、革製フォーマルバッグは問題なかったそうです。それに、キリスト教文化では仏教のように殺生を気にするような考え方はないのですよね。
また、日本の仏教宗派によっては、ブラックフォーマルは今でも革製品に対して寛容なところもあります。
浄土真宗のお坊さんから聞いたのですが、浄土真宗における殺生というのは「命を粗末にすること」であり、単純な「生き物を殺す」ものとは違うそうです。だから浄土真宗では、肉魚を食べることも殺生には当たらず問題ないし、葬儀のお清めで寿司や刺身を食べるのも大丈夫なのだとか。
それに「革製品が弔事で絶対に使えない」という場合、革靴が履けなくて困ってしまいますよね。女性の中には黒色の布製の靴を履く人もいますが、なかなか布製は見つからないものです。特に男性のブラックフォーマルで布製の靴というのは見つかりません。これを考えると、革製は弔事には良くないといっても限界があるような気がします。
また、バッグの製造メーカーでも、革製布製の両方とも、冠婚葬祭の様々な場面で使えるコンセプトで作っているフォーマルバッグが殆どなのですよね。これから複数のバッグをご紹介していきますが、そのリンク先を 見ると慶弔どちらにも使えるような説明があります。
とはいえ、昨今のマナー書籍やネット情報を見ると、「革のフォーマルバッグは弔事に使うべきでない」ということが絶対条件のように書かれている内容も見られており、それが常識と思う人も増えているという現状ですから、「長い物には巻かれよ」ではありませんが、口煩い親戚や近所の人がいるような葬儀において、革バッグを使わない方が無難かもしれません。
ちなみに、革のフォーマルバッグを使う場合は、次のことを理解しておく必要があります。
フォーマルバッグの革を弔事に使う場合の注意事項
弔事で使うフォーマルバッグは「金具がない」というのが必須条件です。金具は金色、銀色共にNGです。ただし、底鋲や見えにくい留め具は問題ないでしょう。その他、革の表面に光沢があるものもNGです。
革製のフォーマルバッグの中には慶弔兼用で、使う場面に応じてデザインを変えられるものもあります。慶事に使う際には金具のアクセサリーや持ち手などが付いているのですが、弔事の際には金具を隠せるようになっていたり、持ち手を交換するような使い方をします。
フォーマルバッグの革と布、どちらを選ぶべき?
フォーマルバッグを1つ買う場合に革製と布製どちらにしようかと迷う場合は、布の方がおすすめです。
布製だと流石に結婚式には使えませんが、入学式や卒業式などの場面は使えるからです。また、格の点でいうと、布の方が革よりも格上になります。
ちなみに、布製といっても値段はピンキリで、種類としてはサテン、刺繍、高級織物、ホースヘア(馬毛)などがあります。また、ホースヘアは馬の毛の織物ですが、あくまでも「毛」なので殺生を連想させるものではなく、弔事用としても使えます。また、高級素材であることからフォーマル度も非常に高い、慶弔兼用の製品です。
下のバッグは刺繍柄です。
下のバッグは高級織物柄です。
ホースヘアはこちら。刺繍や高級織物よりも一見地味ですが、値段が全然違います。
フォーマルバッグ安いものを2種類揃えるべき?
フォーマルバッグは高いから慶弔兼用にしたい、という考え方もあるのですが、地域によっては陰でコソコソ言われる可能性もあるので、最初から布と革の両方を買っておく方法もあります。
探してみると、意外と安くて良い品がありますよ。岩佐のバッグは値段の割に良い品だと評判ですし、布製の三点セットはお得感満載です。
さいごに
フォーマルバッグで布と革の使い分けは、特に結婚式と葬式で注意が必要ですが、それ以外については寛容なケースが多いです。
とはいえ、今は見た目の悪くないフォーマルバッグが1~2万円で購入できるので、心配な場合は両方揃えておく方が無難でしょう。