初節句のお祝いのお返しは、両親には本当に必要ないのでしょうか。
親戚からいただいた場合はお返しをしますが、両親に関しては不要と言いますよね。でも、高価な雛人形だったり、高額な金銭をいただくと、貰いっぱなしというのは気が引けて、気になる方も多いことと思います。
今回は、両親からの初節句祝いに対してのお返しの考え方、親戚も含めて内祝いを贈る場合の熨斗(のし紙)やお礼状の書き方をご紹介します。
初節句のお祝いのお返し〜両親には本当に必要ないの?
自分たちの両親からいただいた、子供の初節句のお祝いには、基本的にお返しは不要です。ただ、感謝の気持ちを伝えるために、何かしら用意をしたいものではありますよね。
自分たちの親は、あなた方の子どもの祖父母ですから、可愛い孫には何かしてあげたいと思っているのです。
初節句のお祝いは孫が元気に初節句を迎えることができたことへのお祝いであり、これからますます元気で成長して欲しい、という願いが込められています。
受け取るのはあなた方夫婦でも、実際に贈られているのはあなた方の子どもです。ですから、俗に言う「半返し」などのお返しは不要なのです。むしろ、高額な半返しをしたら「他人行儀」だと思われたり、自分たちの気遣いではなく子どものためにお金を使って欲しいと思われることもあります。
そうはいっても、子どもにお祝いをいただいていることは確かなのですから、感謝の気持ちはきちんと伝えることが大切です。
感謝の気持ちの表し方の一つとして、「内祝い」がありますが、これと「お返し」とは別のものです。混同しやすいので、ここで整理しておきましょう。
初節句のお返しと内祝いの違いは?
「お返し」と「内祝い」という言葉は、相手に金品を渡す点では共通していますが、相手に渡す理由が全く異なります。
「お返し」は、周りの人からいただきものをした際に、そのお礼として金品を返すことです。
「内祝い」は、家の祝い事・喜びを周りの人にも分かち合いたい気持ちを、金品に代えて贈るものです。
ですから、贈り物をする相手(対象)も金額の考え方も異なります。
「お返し」をする相手は、「お祝いなどをいただいた人」に限定されます。一般には、「半返し」などいいますが、1/3から半額相当額をお返しします。
「内祝い」を贈る相手は、いただきものをしたかどうかは関係ありません。こちら側の幸せを分けるのですから、範囲を広めて考えることができます。そのため、高額な金品を用意する必要もありません。
昔は「雛人形は妻の実家が贈るもの」ともされていました。これは、結婚する際の婚礼費用や住まいについては夫側が負担しているから、それに対して妻の実家側で雛人形等を負担する、というような、経済的な面での持ちつ持たれつの意味合いもあったようです。また、昔は嫁入りすると実家にはなかなか帰ることができませんでした。赤ちゃんが産まれた際に、雛人形を贈り届けることで、夫の実家側ではひな祭りに招待して、主役である孫と雛人形とを交えて食事会を行うための、きっかけのような意味合いもありました。
そもそもで、雛人形や節句のお祝いに「お返し」といったものはなく、食事会そのものが「内祝い」であったのです。そこに、引出物としてお赤飯や桜餅も用意していたのです。
初節句お祝いのお返し〜結局、両親にはどうする?
上述の通り、基本的に初節句のお祝いに対しての「お返し」は不要です。
感謝の気持ちとして、ひな祭りの際に両家で食事会をする程度で構わないのです。引出物のお赤飯は、和菓子屋さんやお餅屋さんなどで2~3千円程度で注文できます。時代も変わっていますので、焼き菓子など日持ちするものを引出物としても構いません。
そうはいっても、内祝いやお返しに対する考え方は家や人によっても異なります。
中には、「お返し当然」と考える人もいます。直接「お返しは?」など聞いてくるような失礼な人はそういないとは思われますが、親戚などはお付き合いも続きますので、双方不快な思いをしないよう、無理のない範囲でお返しを用意する方がいい場合もあります。
また、高額なお祝いをいただいた場合や、遠方に住んでいて食事会に招待できない、事情によって食事会をしない、、といった場合には、なにかしら内祝いを贈っておくといいでしょう。その際には、初節句の際にお子さんの写真を撮影し、フォトフレームなどに加工し、手紙を添えて送るといいでしょう。
スタジオで撮影してもいいでしょうし、自宅で撮影し、ネット上で簡単に加工できるものを利用してもいいでしょう。
初節句のお返し「内祝い」の贈り方〜時期、のし紙書き方、金額相場は?
上述の通り、内祝いは本来、家のお祝い事の際に、親兄弟、親戚、近所などの親しい方に対して喜びのお裾分けをするものです。ですから、お祝いをいただく・いただかないに関係なく、自分たちから贈り物をするのですが、近年ではお祝いしてくださった方に対しての「お返し」要素が強くなっています。
内祝いを贈る場合の基本的な考え方をまとめてご紹介します。あくまでも「祝い事」、喜びの分かち合いなのですから、あまり難しく考えなくても大丈夫ですよ。
内祝いを贈る時期
内祝いは「喜びを分かち合う」ためのものですから、初節句の内祝いであれば初節句祝いの後早めの方がいいでしょう。1〜2週間以内が目安です。
初節句自体が女の子であれば3月、男の子は5月と決まっているのですから、余裕を持って準備を始めればアタフタすることもありません。
熨斗(のし紙)の書き方や水引は?
・のし紙の表書き:初節句内祝(「内祝」だけでもOK)
・水引:紅白蝶結び
・名前:初節句を迎える子どもの名前 ※名字不要、名前のみ
宅急便の差出人→親の氏名
初節句のお祝いは、初節句を迎える子供が主役です。ですから、のし紙の名入れは子どもの名前。フルネームではなく、名前だけになります。
デパートなど、店頭でのし紙をかけてもらう場合には、「初節句のお返し」「初節句の内祝い」といえば、店員さんが必要事項を確認してくださるのでらくですが、ネットで購入する場合にはよく確認してから、購入手続きを進めましょう。
宅配便などで送る場合には、送り主は親の氏名にします
内祝いは子どもの名前でいいのですが、宅配便などで発送する場合には、子どもの名前では相手がわからないこともあります。そのため、発送伝票の送り主は親の氏名にするのです。
初節句内祝いの金額相場は?
いただいたお祝いのお返しとしての「内祝い」であれば、半額〜1/3程度が通例です。
自分たちの親(子どもの祖父母)であれば、基本は不要ですし、お礼として用意する場合でも高額なお返しは不要です。
過去には、お赤飯、紅白饅頭、紅白の角砂糖、桜餅などが一般的でしたが、時代も変わっています。日持ちするような焼き菓子や、お米などが近年の人気です。相手の好みに合わせて選ぶといいでしょう。
初節句の内祝いお礼状文例
内祝いを贈る際に欠かせないのがお礼状です。
今は電話やメールなどの瞬時に連絡する方法もあるとはいえ、手紙やハガキによる昔ながらの方法が丁寧であり好印象を与えます。その際に初節句の写真を同封すると、相手に子どもの様子がわかるので喜んでもらえるでしょう。
フォトフレームなど、オンラインで手配し、そのまま相手に直送できる場合には、メッセージカードを添えるといいでしょう。
親しい方への手紙の構成は以下の通りです。
・お祝いをいただいたお礼
・最近の子供の様子
・今後もよろしくお願いします、の旨
以下のメッセージは過去に我が家で初節句の内祝いのお礼として親しい叔父叔母宛に書いた内容です。
メッセージ文例
この度は、 ○○ の初節句に過分なお祝いをいただき誠にありがとうございました。
子供というのはあっという間に育つものですね。
生まれたばかりの頃は「泣くか寝るか」しかなかった〇〇ですが、
最近ではニコニコ笑顔で私達を癒してくれるようになりました。
また、いたずらして私達をビックリさせることもあります。
おかげさまで、家族3人毎日が新鮮で、とても楽しく過ごしております。
いつも暖かく〇〇のことを見守っていただき感謝しております。
本日は感謝の気持ちとして心ばかりの品をお贈りいたしましたのでご笑納くださいませ。
今後とも、〇〇の成長を見守りくださいますようお願いいたします。
まずはお礼まで。
メッセージカードの場合には、より短文になりますので、お礼と子供が元気に育っている旨記載するといいでしょう。