ひなまつりといえば、はまぐりの潮汁が定番ですよね。
でも、はまぐりは年に1回しか食べないから、砂抜きのやり方が分からないという人も多いでしょう。
今回は、砂抜きと砂抜き後の冷蔵保存や冷凍保存方法、砂抜きに使う3%食塩水の作り方をまとめました。
貝の開く仕組みや砂抜きの不安についてはこちらの記事をご覧ください。
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貝が開くのはなぜ?加熱しても開かないのは食べれる?砂抜き不安解消
はまぐりの砂抜きのやり方
はまぐりの砂抜きは、あさりの砂抜きと同じ方法で、使うものは3%食塩水です。
(1)水500mlに塩大さじ1(15g)を溶かして3%食塩水を作ります。
適温は15~20度程度です。
(2)ボウルにザルを入れて、その上にはまぐりと(1)の食塩水を入れます。
はまぐりは重ならないようにして、水はひたひたになるくらいにします。
(貝が完全に浸からない程度にします。)
(3)新聞紙をかけて暗い場所に30分程度置きます。
(4)ザルに上げて水道水でよく洗ってぬめりを取ります。
殻をこすり合わせるように洗いますが、強すぎて壊さないように。
(5)再度3%食塩水に30分程度つけます。
はまぐり砂抜きしても出てこないのは傷んでいる証拠?
はまぐりが砂を吐かないケースは多くあります。
砂を吐かないからといって、傷んでいる、死んでいると考えなくて大丈夫です。
はまぐりとあさりの砂抜き方法は同じですが、大きな違いがあるのでご注意ください。
それは、あさりは沢山の砂を吸っているため砂抜きすると沢山砂が出てくるのですが、はまぐりは殆ど砂を吸っていないため、あまり吐きません。
全く吐かない物もあります。
また、水につけておくと、あさりは口を開けて舌を大きく動かすのですが、はまぐりは口を開けず、僅かに舌を出して呼吸する程度です。
はまぐりは砂を吐かないとはいえ、殻の中に砂が入っていることもあるため、きれいに洗うことが大切です。
また、ぬめりがあるのは傷みではなく、分泌液であり、新鮮な証拠です。
水道水で洗えばきれいに落とせるので心配しないでください。
はまぐりが傷んでいる状態か知る方法は?
スーパーのパック詰めのあさりやはまぐりの場合、賞味期限、消費期限等の記載がある商品もあります。
ですが、そもそも生き物なので期限の表示義務はなく、どちらかというと、良い状態で保存してあるかが重要です。
期限よりも前であっても、保存状態が悪ければ傷んでしまいます。
はまぐりが生きているか確認したい場合は?
はまぐりが生きているか確認したい場合、次の方法があります。
(1)貝の殻をつついてみる方法
直ぐに閉じる場合は生きており、元気がなくなってくると閉じるけれど動きが鈍くなります。
殻をつついて全く反応が無い場合は死んでいる可能性が高いです。
(2)貝殻の音を確認する方法
はまぐりを2つ持って、殻同士を音が鳴る程度に強く叩き合わせてみましょう。
生きている場合は澄んだ、響きのある音がします(刺激により貝柱が強く閉じるため)。
死んだ場合は鈍くて軽い、ガシャガシャッというような音がします(貝柱が縮まず貝が開きっぱなしの状態なため)。
(3)水の濁りや臭いで確認する方法
貝が入っている塩水が濁っている場合は死んでいる可能性が高いです。
また、死んだ場合は強烈な臭いがします。
1つ死ぬと周囲の貝も傷み始めるので、すぐに取り除きましょう。
(4)貝が閉じるか確認する方法
貝が死んだ場合は貝殻が開いた状態になります。
ボウルの水を捨てて、ガシャガシャ音を立てるくらい強く混ぜ貝に刺激を与えると、生きていればビックリして閉じてしまいます。
もし開いていたらぎゅっと指で無理矢理閉じてみましょう。
こうやっても開いている場合は死んだということです。
ザルの中にあるはまぐりを(1)から(4)の方法で確認して死んでいると思われる物を取り除いてから再度きれいな塩水に入れてみましょう。少し様子を見ていて動くようなら大丈夫です。
はまぐり砂抜き後の冷蔵保存と冷凍保存方法
はまぐりを砂抜きした後は塩抜きしましょう。
砂抜き後の作業
(1)ザルに上げて乾燥させないよう濡れ布巾をかけて最低1時間(出来れば3時間くらい)塩抜きします。
(調理までに時間がある場合、夏は暑いため、野菜室に入れておく方が良いでしょう。)
(2)貝同士を擦り合わせてきれいに洗います。
塩抜きで3時間くらい放置しておくと貝にストレスがかかり、旨みが増えるからです。
貝は水が無くなるとエラ呼吸が出来ず、呼吸を止めます。
そして、それまで体に蓄えておいたグリコーゲンをエネルギーに変えて生き延びるのです。
冷蔵保存
乾燥しないよう、新聞紙を濡らしたものにはまぐりを包んで野菜室で保存しましょう。
冷蔵庫で保存する場合、2~3日以内に使いましょう。
冷凍保存について
冷凍保存する場合、食感は若干落ちますが、旨味は増します。
冷凍保存方法
ジップロックに入れて密閉して保存します(出来るだけ空気を抜きましょう)。
2~3ヶ月保存できます。
調理方法
冷凍保存した物を使う場合、解凍しないで凍ったまま沸騰したお湯の中に入れて加熱します。
通常の場合は水から入れて沸騰させますが、冷凍した場合は急激に熱を加えることによって貝が開く確率が高くなるため、水でなく、沸騰したお湯に入れるのがおすすめです。
3%食塩水の作り方
調理する際の3%食塩水の覚え方は、水500mlに対して塩大さじ1(約15g)で問題ありませんが、厳密には異なります。
【理由1】大さじ1の塩は、種類によって密度が違うため重量が異なるから。
- 精製塩(サラサラな塩)→大さじ1:約18g
- 湿った塩(天塩、伯方の塩等)→大さじ1:約15g
【理由2】「塩分濃度=(食塩の重量)÷(水と塩の合計重量)」が正しい計算式だから。
料理においては大雑把な濃度で問題ないため、覚えやすいように水の分量で割る記載が多いのですが、理科や算数の問題で正確な答えを求めるなら、1Lの3%食塩水は、塩30gに対して水970g(水と塩の合計重量1000g)で作ります。
ちなみに、計算式は次の通りです。
「3%食塩水を1000g作りたい場合に、塩を何gにすれば良いのか?」という問題の場合、
塩の重量をXgとすると、水の重量は(1000-X)gとなります。
式は、
濃度=(塩の重さ)÷(溶液の重さ)
または、
濃度=(塩の重さ)÷(水の重さ+塩の重さ)
ですので、
X÷1000=0.03
または、
X÷{(1000-X)+X}=0.03
となり、これを計算すると、
塩の重量 X=30gとなり、
水の重量(1000-X)=970gとなります。
厳密には500mlの水と15gの塩という測り方は正しくないことになりますが、正直あまり気にする必要もありません。。
まとめ
はまぐりは、あさりと違って砂を殆ど吸っていないので砂抜きしても、砂を吐かないかもしれません。
ですが、吐かないからといって死んでいる訳ではありませんので、間違えて捨てないようにしましょう。
貝は死ぬと悪臭がするので、異常な臭いがなければ大丈夫ですが、もし心配な場合は貝同士を叩いて音を確認したり、貝が閉じるか確認して下さい。
◆その他、しじみの砂抜き方法や、貝の開く仕組みはこちらの記事をご覧ください。