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婚礼のマナー

留袖と訪問着の着付けの違いで難易度は?結婚式での選び方は?

kimono
結婚式出席の際の着物で悩むことの1つが、留袖と訪問着のどちらを選ぶべきか、ということですよね。

前記事では留袖と訪問着と付け下げについて着物そのものの違いについてお話ししましたが、今回は、留袖と訪問着の着付けの難易度の違いや結婚式での選び方など、実際に着る際の注意事項についてお話しします。

◆着物そのものの違いはこちらの記事をご確認ください。
留袖と訪問着と付け下げの違いは?紋の数で格はどう変わる?

留袖と訪問着の着付けは同じ方法?

留袖と訪問着の着付けはさほど変わりないだろう、と思う人も多いのですが、実際には留袖の方が着付けは難しく、どちらかというと振袖よりも難しいです。

確かに振袖の帯というのは難しいのですが、それよりも、留袖の着付けの難しさは別の部分にあるのですよね。

人の着付けをする場合、留袖というのは着る人の年齢幅が非常に広く、その人の年齢や雰囲気に合うように着付けするには技術だけでなくセンスも問われます。
というのも、着物の着付けで帯の位置は年齢によって高さを若干変えていくのですが、若いほど帯が上の方が可愛らしくなるし、年齢が上になるにつれて帯の位置を下げていくのです。年齢を考えないで着付けしてしまうと、下手をすると帯が高過ぎて「妊婦さん」に見られてしまうことにもなりますし。その他、衿の合わせや抜き方なども年齢に応じて変えていくし、とにかく留袖を美しく着付けするのは非常に難しいのです。

一方、自分で着付けする場合ですが、こちらもかなり難しいです。留袖は比翼仕立てなのでかなり重みがありますよね。ですから、バランスを整えながら着付けするのがとにかく難しいです。ちょっとでもバランスが悪いと半衿が多めに出たり、比翼がヨレヨレになったりするのです。

ですから、留袖の着付けでは、衿元は出来上がり寸法より少々控えめにして半衿が出過ぎないように注意したり、比翼はピンと張ってヨレヨレにならないよう防ぎます。ただ、これもバランスなのですが、上前や下前を下に引き過ぎてもいけないのですよね・・・。
あと、人の着付けと同様に、帯の高さには要注意でして、特に50代以上で留袖を着る場合はおはしょりの位置は骨盤より3cm程度下に決めるのが美しく見せる最大のポイントです。若い女性と違って、帯を下げる必要があるのです。

ですから、美容院で着付けをお願いする場合でも、留袖については着付け上手な人にお願いした方が良いです。
振袖の着付けは上手でも、留袖はあまり上手でないという人もいるので、留袖の難しさを知っているような人にお願いするのが安心でしょう。


留袖と訪問着 結婚式ではどちらを選ぶべき?

結婚式に出席する際の着物の選び方は、一般的には次のようになります。

親族の場合→留袖(未婚の場合は振袖)
友人や職場関係の場合→訪問着(未婚の場合は振袖)

ただ、留袖については地域や家のルールなどもあるし、親族といっても血縁関係が離れている場合や、結婚式がレストランの立食などカジュアルになる場合は格を落とす必要があるかもしれません。

ですから、親族の結婚式でなければさほど神経質にならずに未婚なら振袖、既婚なら訪問着と考えていて大丈夫ですが、親族の結婚式の場合は、新郎新婦の両親がどのような装いかを確認して、それに合わせてバランスを取ることが大切です。(新郎新婦を中心に、血が濃いほど格が高いものを、遠くなる場合はそれより格下にすることでバランス良くなります。)

どちらかというと、留袖は格が高いため親族の結婚式以外では使う用途がなく、訪問着の方が幅広い用途で使えます。
ただ、訪問着にしても華やかか、大人しいか、などの柄による用途選びは大切です。
例えば、友人の結婚式の場合は華やかさを出す方が好ましいとされているので、訪問着の中でも華やかな柄が良いでしょうし、子供の入園式や入学式では主役が子供であることから、自分は控えめにすべきですから、大人しい柄にすべきでしょう。控えめな柄がなければ、付け下げや色無地などでも大丈夫です。

さいごに

留袖と訪問着、付け下げは着物に馴染みがない場合は違いが分かりにくいのですが、柄だけでなく着付けの難しさや用途など様々な点で違いがあります。
結婚式や子供の入学式などの式典以外では着ない人もいますが、なんとなく、「こんな違いがあるんだなー」程度のことを頭に入れておくといざという時に困らないでしょう。

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