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婚礼のマナー

結婚式ご祝儀中袋が横書きでも金額は漢数字?表に住所記入欄の時は?

noshi
結婚式のご祝儀の中袋を開けたら金額欄が横書きだった場合、どう書けば良いのか悩みますよね。悩む箇所は人によって異なりますが、主に次のようなことがあります。

・横書きの金額は、漢数字とアラビア数字(算用数字)どっちで書くのか?
・縦書きの郵便番号と電話番号は、漢数字とアラビア数字どっちで書くのか?
・表に住所を書いて良いのか?(本来、住所は裏に書くべき)
・表に住所だと駄目なら、中袋だけ別の白封筒を購入すべきか?

今回は、結婚式で使うご祝儀袋の中袋に関する書き方についてまとめました。

結婚式ご祝儀中袋が横書きなら金額の書き方は?

今回のようなケースはイレギュラーなので、最初に基本となる中袋の書き方を理解してから考える方が良いでしょう。

(1)中袋のどこに何を書くのか

表側→中央に大きく縦書きで金額を「金○萬圓」と書きます。
裏側→住所と氏名を書きます。

本来、結婚式等の慶事では住所の記入は不要とされているのですが、近年は「開封する相手に親切」という理由から、住所等を書く人が多いです。また、郵便番号やマンション等の建物名は必須ではありませんが、書いておくと分かりやすいです。

(2)漢数字を使うべきかの判断基準
中袋の金額は縦書きなので、漢数字の難しい字体(通常、旧字体と言っていますが、正式には「大字・だいじ」と言います)を使います。
この字体は元々中国から伝わった表記なのですが、現在でも戸籍や登記等の重要書類においては改ざん防止目的で使われています。

金額が横書きの場合はどうするのか?

ところで今回の悩みのように横書きになった場合はどうかというと、結婚式のマナー書籍等を確認したのですが調べた範囲では確認できませんでした。
ですが、「法律ではどうなっているか」という視点で調べたところ、次の条文がありました。

商業登記規則 第48条第2項(記載の文字)

金銭その他の物の数量、年月日及び番号を記載するには、「壱、弐、参、拾」の文字を用いなければならない。ただし、横書きをするときは、アラビヤ数字を用いることができる。

引用元:商業登記規則-e-Gov法令検索-電子政府の総合窓口

ちなみに、他の法律文書においても同じように、縦書きは漢数字を使わなければならないのですが、横書きはアラビア数字(算用数字)を使うことができるという記載があります。簡単な方の漢数字は改ざんされやすいのですが、アラビア数字はさほど改ざんしにくいので、どちらでも問題ないのですよね。

法律上で漢数字が改ざん防止のために使われることを考えると、結婚式のご祝儀袋で金額を横書きする場合は、無理に漢数字を使わずアラビア数字でも構わないし、大字(漢数字の難しい字体)でも構わない、という解釈が出来るでしょう。

結論としては、ご祝儀袋の金額を横書きする場合は、
例えば、3万円の場合は「金参萬圓」と「金30,000円」どちらでもOK
となります。


結婚式のご祝儀で使う漢数字は?

ご祝儀で使う主な漢数字(大字)については以下の通りです(右側が大字です)。

一 → 壱
二 → 弐
三 → 参
五 → 伍
十 → 拾
十五→ 拾伍

万 → 萬
円 → 圓

旧字体は上記の他の数字も存在するのですが、改ざん防止目的なので、使われているのは上記だけと考えて問題ありません。
この中に含まれていない五、万、円については上記の大字が存在するものの、改ざんされにくいことから五、万、円のまま使う人もいますし、問題ありません。
また、六、七、八についても大字が存在するものの難しく、受け取った人が分からない可能性もあるので、六、七、八のまま使います。

「也」を付けるべきか?

時々「金拾萬円也」というように「也」を付ける人もいますが、通常は付けずに「金拾萬円」として問題ありません。(マナー本によっては、「也」をつけるのは10万円以上の時、と書いてあることもあります。)

結婚式ご祝儀中袋で表に住所がある場合は?

最初にお話ししたように、ご祝儀袋における中袋の書き方は、表側に金額、裏側に住所氏名が正式です。
ところが、市販のご祝儀袋によっては表側に「〒、住所、氏名、電話番号」、裏側に「金額」を書くよう印字されていたり、裏側に金額や住所氏名などを書くよう印字されていたりします。正式な書き方と異なる印字の封筒だと困りますよね。

この場合にどのようにするかについては、次のような方法があります。
そして、これも人それぞれの考え方ですから、絶対的な正解はありません。

(1)中袋をそのまま使う
(2)中袋を別の白封筒に交換する
(3)中袋を止めて「中包み」に交換する(半紙や奉書紙、コピー用紙で包む)

(1)のそのまま使うと正式な書き方から外れてしまいますが、実は、受け取った側というのは、住所が表に書かれていても案外気にしないものです。そのため、気にせず使ってしまっても構わないでしょう。
実際、表書きの氏名や金額の書き方を気にする人は多いのですが、最終的に金額が記載の金額と一致していれば問題ないので、中袋の書き方まで突っ込んでチェックする人は殆どいません。

また、結婚式などの慶事では「住所は不要」とされていますが、それを理由に住所や電話番号を書かないというのは、空欄がある状態である「縁起が悪い」と解釈する人もいるため、あまり良い方法ではありません。

ですから、(1)の方法で行う(折角ご祝儀袋についてきた中袋を生かす)のであれば、住所や電話番号等の印字された項目は全部埋めた方が良いですね。

さいごに

中袋の裏面に住所氏名、金額欄があったので全て書いた場合、
「正式な方法は表に金額を書くのよね?表にも書いた方が良いのかなあ?」
と悩むかもしれませんが、この場合に表面にも書くと、しつこいと思われてしまいます。

中袋の正式な書き方なんて、受け取った多くの人が気にしないものですし、「正式な書き方」にこだわらず臨機応変に、印刷項目に従って書いた方がスッキリ見えるでしょう。

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