結婚式のご祝儀で兄弟姉妹の場合は5万円や10万円が常識などと言いますが、未婚独身の場合はどうなのでしょうか。特に、社会人一年目や、親と離れて一人暮らししている場合は稼ぎが少ないのでご祝儀なしでも問題ないでしょうか。また、学生の場合は収入がないから出さなくて良いのでしょうか。
今回は、兄弟姉妹が結婚する場合の未婚者の出すご祝儀についてまとめました。
結婚式のご祝儀 兄弟姉妹で未婚の場合は?
世間一般的には次のように言われています。
・学生の場合も不要。
・ただ、20代後半なら社会人として自立している年齢なので5万円程度包んだ方が良い。
この、「親と一緒に暮らしていれば不要」というのは、「一世帯につきご祝儀は1つ、引出物も1つ」という考え方に基づきます。
親と一緒に暮らしている兄弟がご祝儀を出したとしても引出物はありません。だからご祝儀は不要ということになるのですが、だったら全ての場合で同居なら不要かというと、そうでもないのですよね。
ご祝儀等のお金に関しては世の中全てに通じるマナーというのは存在せず、人それぞれ、自分の考えがマナーなのだと思っている傾向があります。
そして、「親族、特に兄弟姉妹なら多く包むのは当然でしょ、社会人にもなってお祝い金を出さないのは常識ないでしょ!」と思う人もいます。結婚式は自分の家族以外に結婚相手の家族の考え方もあるので、自分の家族は納得したけど結婚相手が「兄弟なのにご祝儀無しなんて非常識」と白い目で見てくる可能性があり、これが原因で親戚付き合いがギクシャクしてしまうこともあります。だから、
学校を卒業したら社会人として一人前の収入があるから、未婚で同居の場合でもご祝儀を出すべき。
という考え方もありますし、
親が子供の分を上乗せして、親名義でまとめてご祝儀を出す。
というような考え方の親もいます。
ちなみに、結婚式のご祝儀の額については
・親族の場合は1人当たり5万円
というのが一般的な目安とも言われています。
兄弟姉妹だと10万円出すという人もいますが、これは夫婦の場合なので5万円×2人分で10万円という計算ですし、一人でそこまで頑張る必要はないでしょう。
結婚式のご祝儀 兄弟なのに なし の場合の問題点とは?
「未婚で親と同居しているからご祝儀は無しで良い」「学生だから無しで良い」という考え方は当然だと思われがちですが、ここには大きな落とし穴があります。
自分が結婚していないと気づきませんが、自分が結婚してみて初めて「冠婚葬祭の費用ってバカにならないのね!?」と気付くのです。結婚すれば結婚式以外にも出産、入園、入学、それ以外にもお年玉というように毎年兄弟間での付き合いにお金がかかってくるのです。 そして、この時になって、
「自分の時には弟にご祝儀を貰えなかったのに、弟が結婚式をする時には夫婦出席だから10万円も払わなければいけないなんておかしいじゃない!?先に結婚して損したわ!」
というような、先に結婚した者が損する、という不満が噴き出してしまうのですよね。兄弟が多いほど、そういう不満を抱える人が多いようです。
世間一般的には学生や、社会人でも未婚で世帯が同一なら不要、という考え方が通っていますが、これを鵜呑みにすると後々の兄弟間の付き合いに亀裂を生じさせる可能性もあるため、兄弟が誰か最初に結婚する時に、親を含めて家族で話し合う方が良いでしょう。
友人知人の場合は嫌な思いをしたら縁を切れば済むことですが、兄弟姉妹だとそういう訳にはいかないし、一生恨みつらみを言い合うことになり兼ねないからです。
この話し合いについては、
・基本的に家のルールや親の意向があればそれに従う
・上記がない場合は、細かい取り決めをする
ということが大切です。
例えば、
・兄弟の出産祝い→○万円
あるいは、
・兄弟ならご祝儀なしで相手の欲しい物をプレゼントする
このように、家族が納得できるルールを先に決めてしまうのが一番良いのです。
ちなみに、私の知っている例を挙げると、
・親の意向があり、特に親に余裕がある場合ですが「子供名義でご祝儀を出すけど実際にはお金を親が出していた」ということもあります。
・兄弟間で話し合うと「ご祝儀は無しで、事前に家電など欲しい物を訊いてプレゼントする」という案が多いようです。お金の出し合いだと、お金を使うだけでお互いの家計が苦しくなるだけなので無駄な物を無くす、ということですね。
結婚式のご祝儀 兄弟で学生の場合について
学生であっても、兄弟の結婚をお祝いしたい気持ちがあるなら、自分の出せる範囲でプレゼントを贈ることをおすすめします。
高校生ならアルバイトしない人もいますが、大学生の場合は多くの人がアルバイトをしていますし、多少なら自分で稼いだお金でお祝いできますよね。既にお話ししたように、将来的に自分が結婚する時には兄弟がお祝いしてくれるものです。その時に、兄弟が「自分が結婚した時にお祝をもらっていなかったのに自分が出すのは腹立たしい」と感じる人もいます。また、自分自身が「自分が兄弟に対してご祝儀を出していないのに、兄弟からご祝儀をいただくのが申し訳ない」という気持ちに陥るはずです。
ですから、もし今の段階で「些細な金額しか出せないけど兄弟のために何かお祝いしたい」という気持ちがあるなら、世の中の常識に惑わされず、自分の気持ちをお金やプレゼントとして表すことをおすすめします。学生ですから3万円とか5万円なんて大きな金額でなくても良いのですよ。今の時点で精一杯のお祝いをすれば相手は喜んでくれるでしょうし、自分自身の気持ちがスッキリするはずですよ。
さいごに
ご祝儀というのは一般的な相場があるとはいえ、元々はお祝いしたい気持ちを形に表したものであり、必ず相場通りの金額でなければならない、ということではありません。
とはいえ、お金というのは諍いの元ですし、相手によってどう感じるかは全く違います。兄弟姉妹は今後も何十年という付き合いが続く関係ですから、事前に話し合って、お互いに納得のいく形にするのが良いでしょう。