冠婚葬祭マナー

喪中はがきで出産報告NGなら子供の名前OK?クリスマスカードは?

今年子供が生まれたけど祖父が亡くなり喪中はがきを出す場合、年賀状での出産報告が出来なくなりますよね。
この場合、出産報告はどのようにすれば良いのでしょうか。

喪中はがきの差出人のところに子供の名前を入れる方法や、クリスマスカード、寒中見舞いなどの方法が思い浮かぶのですが、これらについて問題がないか、どの方法が良いのかなどをお話しします。

喪中はがきで出産報告 差出人に子供の名前を入れるのは?

折角待望の子供が生まれたから出産報告をしたい!と考えるお母さんは多いですよね。
でも、喪中はがきというのは「身内が亡くなって悲しみが深いため、お祝いをする気持ちになれません。新年のご挨拶を失礼させていただきます。」という先方へのお詫び文なのです。
この中にお祝い事である出産報告を含めるというのは非常におかしい話になるのです。

マナーとしては次のことを覚えておきましょう。

・慶事と弔事は同時に入れてはいけない
・慶事と弔事が重なった場合には弔事を優先させる
喪中はがきには自分の近況を盛り込まない(用件「年賀状欠礼のお詫び」のみ。)

ですので、喪中はがきに「○月に出産しました」という近況報告を手書きで入れるのもNGです。

それなら、差出人名として夫婦の名前だけでなく、子供の名前と年齢を「綾香 ○ヶ月」のように、年賀状と同じような家族連名にすれば出産したことが相手に伝わる!

・・・と考える人がいるのですが、喪中はがきは厳粛な文書なので連名にするなら夫婦のみが一般的です。
子供の名前を入れると「そこまでして出産報告したいのか」と驚かれるケースもあるのでご注意ください。

ですので、喪中はがきでの出産報告は人間性を疑われる可能性もあるため避けましょう。

クリスマスカードでの出産報告はOK?

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では、クリスマスカードでの出産報告はどうでしょうか。
年賀状はお祝い事なのでNGですが、クリスマスなら良いのでは?と迷うかもしれません。
キリスト教には「喪中」という考え方がありませんしね。

でも「メリークリスマス!」というのは「クリスマスおめでとう!」という意味ですから、一種のお祝い事なのですよね。

喪中という考え方がないのは仏教とキリスト教の霊に対する考え方の違いであり、お祝いして良いという意味にはなりません。

なので「メリークリスマス!」というお祝いの文字が入ったクリスマスカードにするのは避けた方が良いです。

寒中見舞いでの出産報告喪中だけど大丈夫?

そうなると、次のチャンスは正月明けの寒中見舞いになりますが、ここでの出産報告はどうでしょうか。

これは微妙かもしれません。

寒中見舞いで出産報告する、という人も確かにいます。
あまり派手にせず、簡潔な文章と写真にするようです。

ただ、繰り返しますが、喪中は「悲しみが深いためお祝いする気分になれない」という意味なので、正月が明けたらすぐにお祝いの報告をしても良いのか、という問題があります。

ですので「喪が明けた時期」に改めて出産報告をする、というのが無難でしょう。

喪が明ける時期は?

喪が明ける時期というと、今は自分の気持ちで決めて良いとされていますが、明治時代の目安としては

父母・・・13ヶ月
祖父母・・・父方150日、母方90日

詳細はこちらの記事へ→喪中はがき範囲は何親等まで?別居の義兄は?文例で続柄は?

となっており、今回のように、祖父母が亡くなった場合は寒中見舞いの時期か、春頃でしょうし、その後に出産報告という形で行っても良いのかもしれません。

祖父母の服喪期間について

ですが、祖父母は2親等なので、別居していれば喪中にしなくても問題ないし、年賀状を出す人も少なくないというのが実情です。
今回、喪中はがきを出すということにこだわらなければ年賀状と出産報告を同時にしても全く問題ありませんし、その方が自然かもしれませんね。

ただ、「悲しみが深いから喪中はがきを作成する」というのであれば、それと同時に「喜びの出産報告もしたい」というのは矛盾してしまいますし、周囲にも違和感を感じられることでしょう。

ご自身の気持ちをよく考えてどちらにするか決めてくださいね。

出産報告は本当に必要か?

年賀状で出産報告するのが世の中の流れになっているので「我が家でも子供が生まれたし・・・」と当然のように出産報告するものと考えているかもしれませんが、ここでは逆に、出産報告はがきを受け取った人の気持ちを一度考えてみましょう。

親しい友人なら

「あー、○○さんもついに赤ちゃん生まれたんだ!良かったなー」

と喜んでくれるでしょう。

可愛がってくれていた伯母さんも

「あんな小さかった○○ちゃんも、ついにお母さんになったんだね。成長したものねー。」

と我が子の成長と同様に嬉しく感じてくれることでしょう。

でも、年賀状だけの付き合いの疎遠になっている友人や、退職した会社の人、 自分と直接関わりがない夫の会社関係の人などは、

「ふーん、そうなんだ」

程度でしょうし、一歩間違えると

「これ、お祝いの催促してきたのかな?」

と曲解される可能性もあるのです。

なので、年賀状で出産報告を出せない場合でそれ以外で出産報告はがきを作成するのであれば、出す人は特に親しい関係だけにして、全員に対しては翌年の年賀状で「1歳○ヶ月」になったことを報告すれば全く問題ないのです。
1年抜けたのは喪中だったから、と理解してくれるし、案外気にしない人も多いですよ。

さいごに

出産報告は「しなければならないもの」ではありません。
お祝い事になるため喪中はがきを送る場合は送る時期に気を付けるか、無理せず翌年の報告にするのが無難でしょう。

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