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供養のマナー

夫婦位牌とは?2人は別でなくまとめる方が良いの?左右の並べ方は?


夫婦位牌をご存知ですか。

夫婦の場合、別々の位牌にするのでなく、1つの位牌にまとめて2人の戒名等を刻む方が良いのでしょうか。
また、その場合は左右どちらに夫と妻の戒名を書くのでしょうか。

今回は、夫婦位牌のメリットやデメリット、左右の並べ方等についてまとめました。

夫婦位牌とは?メリットはあるの?

夫婦位牌(めおといはい)は、1つの位牌に夫婦二人の戒名等を連名で入れるものです。

「夫婦は1つの位牌に入れるべき」という考えの人もいますが、これは特に強制されるものではありません。むしろ、「位牌は1人につき1つ」という考え方が一般的であり、夫婦位牌を知らない人も多いことから、夫婦位牌を見るとビックリされることも少なくありません。

夫婦位牌を選ぶ場合のメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

  • 省スペース(仏壇が小さい場合や位牌が多い場合に便利)
  • 子孫が先祖の家系を判別しやすい(夫婦位牌なら、見ただけで夫婦だったと判別できる)
  • 「あの世でも夫婦でいたい」気持ちを表せる


位牌を夫婦別にするか、まとめるべきか?

夫婦位牌にするか、1人ずつ位牌を作るか考える際には、購入するタイミングと手間、費用の問題を認識しておく必要があります。

夫婦位牌を作るタイミングとしては以下の2つがあります。

  • 夫婦どちらかが亡くなった時点
  • 2人とも亡くなった時点

ですが、どちらのタイミングで作るにしても長所短所があるため、よく考えてご自身に合う方法を選ばなくてはなりません。

では次に、2つのタイミングでどのような問題が生じるかをお話しします。

(1)どちらかが亡くなった時点で夫婦位牌を購入する場合

1人亡くなった時点で夫婦位牌を作る場合は、亡くなった方の戒名だけを片側に刻み、もう一方は空けておきます。
この場合、将来的にもう1人が亡くなった時点での流れが次のようになります。

お寺で魂抜きをする(1人分)
     ↓
仏具屋さんで文字入れしてもらう(追加1人分)
     ↓
完成後にお寺で魂入れをしてもらう(2人分)

この場合、お寺に2回お布施を支払う必要があり出費が増えます。
そこで、最初の魂抜きを省略する方法を選ぶ人も多いです。ですが、その場合は「魂抜きしていない位牌を仏壇から出して仏具屋さんに預ける」ことになるため、これを問題視する人はきちんと2回お寺で魂抜きと魂入れをするか、次の(2)「2人とも亡くなった時点での夫婦位牌購入」を選ぶようにしましょう。

また、この場合は次のようなデメリットも生じます。

  • 縁起が悪いと感じる可能性がある(先に1人分だけ刻むと隣が空欄なので、そこに早く名前を入れるのを待ち望んでいるという気持ちに通じる)
  • 左右の文字がアンバランスになる可能性がある(追加文字入れが数年後だと、先に刻んだ文字色が劣化する)

ということで、夫婦位牌を選ぶ人の多くが、次の(2)の時点での購入を考えるようです。

(2)2人とも亡くなった時点で夫婦位牌を購入する

2人とも亡くなった時点で夫婦位牌を作る場合は、先に亡くなった方については1人用の位牌を作っておき、もう1人が亡くなった時点で夫婦位牌に作り替えることになります。この場合は位牌の半分が空欄にならないので違和感がないし、もう1人が亡くなった際に魂抜きしていない位牌を仏具屋さんに預ける心配がありません。

ただし、位牌を2つ購入することになるので、その分の出費が増えるというデメリットがあります。


夫婦位牌の左右文字の並べ方は?

夫婦位牌の表面の文字入れは、夫が右側、妻が左側という決まりになっています。

ただ、裏面については以下の2種類があります。

  • 表面と同様→夫が右側、妻が左側・・・「交差型」
  • 裏面は逆→夫が左側、妻が右側・・・「真裏型」

ただ、どちらかというと「交差型」(表裏両方とも夫が右側、妻が左側)が一般的です。

また、位牌に刻む情報としては、表面に戒名と没年月日、裏面に俗名と没年齢となっているのですが、夫婦位牌の場合にはこの2人分の情報を1つの位牌に刻むため文字数が2倍になりごちゃごちゃになってしまいます。そこで、表面をスッキリさせるために戒名だけにして、残りの没年月日、俗名、没年齢を裏面にすることもあります。
こういう細かいことは家に同じ夫婦位牌があればそれに倣う方が良いですし、家に無ければ仏具屋さんに相談して決めると良いでしょう。

ちなみに、夫婦位牌の大きさは、仏壇スペースを考慮して決めましょう。基本的に、1人用の位牌よりも大きく、「先祖代々之霊位」の位牌よりも小さいもの(または同じ大きさ)にします。文字が非常に多くなるため、少なくとも4寸以上のサイズにする方が良いです。

さいごに

夫婦関係は当事者でないと分からないこともあるため、夫婦位牌にするかどうかは当事者が希望する場合のみ作る方が無難です。

もし、仏壇が狭くて位牌の置き場に困るという理由で既に亡くなった両親や祖父母の位牌を夫婦位牌に作り直したいと考えるのであれば、既に亡くなっている人の考えは分からないのでおすすめできません。むしろ、先祖全員分の位牌を1つにまとめる「繰り出し位牌」に作り直す方が省スペース化できるし、夫婦間のしがらみも気にせずできますよ。

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