お盆にはよくそうめんを食べますが、その理由や意味、お供えでの飾り方はご存知ですか?
蒸し暑い季節には、のどごしがよく食べやすいそうめんですが、お盆に食べることにも、お供えすることにも意味があるのです。
・お盆にそうめんを食べるのはなぜ?
・お盆にそうめんをお供えする理由や意味は?
・お盆にそうめんをお供えする由来は?
・お盆のそうめんの飾り方は?
今回は、お盆時期のそうめんについてのアレコレをまとめました。残暑厳しい時期ですが、昔からの風習を感じながらお盆のそうめんを楽しんで、健やかにお過ごしくださいね。
お盆にそうめんを食べる理由
のどごしのいいそうめんは、お盆の時期にもよく食べられますが、お盆飾りとしてお供えされることも多いのです。
お盆には、お供え物を食べることが多いですよね。おはぎやお団子などもお供えしてから食べたりするのですが、そうめんも同じです。
そうめんに込められた意味には諸説あり、お盆とそうめんの関係もさまざまな文献に記述が残っています。その関係性は地域によっても異なりますが、逆から見れば、さまざまな地域でそれぞれにお盆とそうめんの関係性があったことを意味するのですね。
そうめんにもたくさんの種類がありますが、我が家では三輪そうめんです。土地としてのご縁はないのですが、奈良にある日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」にお参りした際に、現地で三輪そうめんをいただいてから、すっかり虜になってしまいました。
◉ ギフトであれば、創業300年を誇る老舗「三輪山本」の白龍がオススメ。麺つゆ付きですし、麺の量も多くないので贈り物にも最適です。「たくさんいただいても食べきれないし、、」ということにはなりません。
◉ 自宅用では、箱買いもオススメ。メーカーは違いますが、こちらのそうめんも絶品です。夏はもちろん、寒い時期には温かく食べても◎
もう少し小さいサイズでもいいのですが、どうせ食べるしこの木箱がかわいくいて、ついつい選んでしまいます。ふるさと納税にもありますよ。
お盆にそうめんをお供えする理由や意味
お盆とそうめんの関係性は地域によっても異なりますが、お盆飾りとしてお供えされるのには主に4つの理由があります。
・ご先祖様が帰るときに荷物を結ぶための紐
・ご先祖様が帰るときに使う手綱
・喜びが細く長く続くようにとの縁起を担ぐため
・疾病予防を願うため
ご先祖様が帰るときに荷物を結ぶための紐
そうめんは、ご先祖様が帰るときに荷物を結ぶための紐としてお供えされる意味があります。
ご先祖様の魂は、お盆期間中、様々な料理やお土産を振る舞われます。たくさんのお土産などを持ち帰るために、荷物を背負います。その荷物を括る紐の役割がそうめんとされています。
ご先祖様が帰るときに使う手綱
ご先祖様はお盆の最終日に送り火の煙にのって帰ります。
その際、精霊馬に乗ってあの世に帰るのですが、そうめんが精霊馬の手綱の役割をすると言われています。
精霊馬(しょうりょううま)とは、ご先祖様をあの世へお迎えしたり送ったりする乗り物のこと。
ナスやきゅうりに割りばしを刺して、お盆に飾ります。割り箸は精霊馬の脚に見立てています。
ご先祖様は、来る時はキュウリの馬に乗り急いでやってきて、帰りはナスの牛に荷物を積んでゆっくり戻るとも言われています
喜びが細く長く続くようにとの縁起を担ぐため
そうめんは、糸のように細長い形をしていますよね。「幸せや喜びが細く長く続きますように」との願いを込め、縁起を担ぐ意味でもお供えに用いられるようになったとの説があります。
お節料理の一つ一つに縁起をかつぐ意味があるように、お盆のお供え物にも縁起があります。
縁起もよく、日持ちもし、お盆飾りにもなるそうめんは、お中元でも人気です。
疾病予防を願うため
そうめんを食べると熱病にかからないと古くから伝えられてきました。
古代中国の伝説から、無病息災を祈願して「索餅」(さくへい・さくべい)という、そうめんのルーツともなる小麦のお菓子、奈良時代の日本に伝わりました。平安時代には宮中行事として七夕が行われ、索餅をお供えしたそうです。やがて、「索餅」は「そうめん」へと変化し、七夕にそうめんを食べるようになったと伝わります。
旧暦のお盆は7月15日頃、その一週間前である7月7日は七夕の日。七日盆(なぬかぼん)と呼ばれ、地方によってはお墓や井戸を掃除したり、仏具を洗ったりとお盆の準備が始まります。七夕とお盆には深い関係があるのです。
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そうめんをお供えするようになった2つの由来
そうめんをお供えするようになった由来には主に2つの説があります。
・麦の収穫祭
・七夕行事
麦の収穫祭
麺類をお供え物として使うようになったのには、麦の収穫祭を兼ねている、つまり豊作を感謝しそうめんをお供えしたと言われています。
ちょうど、秋まきの小麦の収穫時期にあたりますね。
精霊馬に使われるナスやきゅうりも夏の野菜です。合わせて、季節の野菜もお供えされています。
七夕行事
前述の通り、七夕行事とそうめんにも関わりがあります。
平安時代の宮中行事として行われた七夕では、「索餅」(さくへい・さくべい)という小麦のお菓子をお供えしていました。やがて、「索餅」は「そうめん」へと変化し、七夕にそうめんを食べるようになったと伝わります。江戸時代には、庶民の間でも7月7日はそうめんを食べる習慣あったとの記録もあります。
七夕そうめんは、地域にもよりますが、現代にも受け継がれた風習のひとつです。
そうめんのお供えの仕方〜お盆飾りや行事食
お盆でそうめんをお供えするには、主に2つの方法があります。
・盆飾りとしてお供えする
・行事食としてお供えする
盆飾りとしてお供えする
盆飾りとしてお供えする場合は、ゆでずにそのまま束で盆棚にお供えをしましょう。
ゴザがある場合はそのままで、ない場合はお皿などに乗せます。
※ 乾麺なので日持ちはするのでそのままでも大丈夫かとは思いますが、高温多湿の時期なのでカビなどにはご注意ください。
行事食としてお供えする
行事に合わせた特別料理「行事食」としてお供えする場合には、ゆでて麺つゆもつけてお膳でお供えします。
私たちは、仏壇にお供えしたものを同じ料理を食べます。もちろん、お下がりではなく、別に用意したものですが、、
行事食としてそうめんを食べるのは、一般的には8月15日です。
お盆期間の行事食は、精進料理や、白玉団子、型菓子(落雁/らくがん など)などもあります。
さいごに
蒸し暑く食欲も落ちる時期のそうめんは、救世主のようなものですが、お盆とも深く関わっているのです。地域差もあり、諸説あるとはいえ、お盆とそうめんの関わりを知ると、よりそうめんに愛着がわいてきます。
それにしても、きゅうりの馬に乗って家に急いで帰ってくるご先祖様も、お土産をたくさん持ってナスの牛でのんびり戻られるご先祖様も、想像するだけでほっこりします。
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