小さい子供というのは夜、病院が閉まった頃になって急に高熱を出すものです。
冬の場合だと、「インフルエンザかもしれない?いや、風邪か?」と悩んだり大慌てしますよね。
今回は、インフルエンザかもしれない場合にいつ病院を受診すべきか、その段階でどう対処すべきか、風邪とインフルエンザの症状の違いなどを理解し、熱が出た時の看病方法までをお話しします。
インフルエンザかもしれない時に夜間救急診療に行くべき?
発熱して直ぐの段階では、慌てて病院へ行かない方が良いです。
その理由は2つあります。
冬、インフルエンザが流行している場合はインフルエンザを真っ先に疑うものですが、インフルエンザの検査は発症してから12時間以内だと判定できないケースが非常に多いからです。
検査キットは発症から12時間以上経過しないと精度が上がってこないのです。
検査のタイミングについてはこちらの記事をご覧ください。
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インフルエンザ検査タイミングは?痛くならない方法は?陰性の薬は?
もう1つの理由としては、夜間救急診療は非常に混雑していることが多いし、冬の寒い中行って診察を待っても多くの場合1日分しか薬を処方してもらえず、翌日かかりつけ医を受診するよう指示されるからです。
(例外的に、夜間救急診療でインフルエンザの診断が下った場合だけは、そこでタミフル等を5日分処方されてその後は薬を飲み終えるまでの期間安静を言い渡されます。)
つまり、高熱で苦しい状態なのに夜間救急診療と翌日かかりつけ医の2度の通院は辛いので、慌てて行かない方が良いのです。
ところで、インフルエンザと風邪の症状は非常に似ており素人には分かりませんし、病院でも検査をしなければ分かりませんが、2つの症状の違いなどは予備知識として頭に入れておく方が良いので次にお話しします。
インフルエンザと風邪の症状の違いは?
インフルエンザと風邪の症状は共通する部分も多いのですが、次のように違う部分も多くあります。
感染力と病原菌
一番理解しておきたい部分として、感染力の違いがあります。
インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因の病気でA型、B型、C型があるのですが、A型とB型は非常に感染力が強く毎年冬に大流行します。
インフルエンザウイルスは1日で1個が100万倍に増加するといわれるくらい増殖スピードが速いですし、高熱が出るなどの発症前から感染力が強く、熱が下がってもウイルスは生き続けているため、数日間は周囲に感染する可能性があります。
インフルエンザウイルスは発症から24時間から48時間までが最も感染しやすい期間なので、その間は看病する人も十分に警戒する必要があります。
風邪の病原菌はアデノウイルス(年中)、ライノウイルス(冬)、コロナウイルス(冬~春)、RSウイルス(11~3月頃)、パラインフルエンザウイルス(3~7月頃)等のウイルス、その他細菌、マイコプラズマ等があります。
病原菌によって症状は様々ですが、ウイルスや細菌はインフルエンザウイルスと異なり急激な増加はなく、感染力もあまり強くありません。
初期症状と主な症状
インフルエンザの初期症状は、悪寒、突然の高熱(38~40度)、頭痛等があります。
その後、全身の倦怠感や腰痛、筋肉痛、関節痛など全身症状が強く出たり、風邪と同じような咳、喉の痛み、鼻づまり、痰などが出ます。
一方、風邪の初期症状は、くしゃみ、鼻咽頭の乾燥感があります。
その後、鼻づまり、鼻汁、咳、喉の痛みがあります。
全身症状は少ないのですが、倦怠感が出たり、微熱が出るケースもあります。
主な合併症
インフルエンザの場合、重症化すると次のような合併症にかかる可能性があるので注意しなければなりません。
インフルエンザ肺炎、脳炎・脳症(特に乳幼児)、熱性けいれん、気管支炎、細菌性肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、クループ、肝障害、ライ症候群、ギラン・バレー症候群、心筋炎、腎不全等。
一方、風邪の合併症としては副鼻腔炎、気管支炎、肺炎、中耳炎、結膜炎、髄膜炎等で、死に至るような合併症は殆どありません。
インフルエンザや風邪で発熱時の看病方法
インフルエンザで熱が出るのは、インフルエンザウイルスを退治するために必要があるからです。
体の免疫力を高めてウイルスを駆除しようとしている状態であり、ウイルスそのものが悪さをして熱を出させるのではありません。
ですので、医師の診察無しに解熱剤を使ってはいけません。
病院受診するまでの間は、以下のことをして熱を下げる努力をしましょう。
発熱間もない段階
部屋の温度を高めに設定し、体温を逃がさないように布団をきちんとかけます。
熱が上昇した段階
(1)掛け布団は薄手に
(2)氷枕やアイスノン等※で体を冷やす(頭、首回り、脇の下、腿の付け根、手首と足首の動脈部分など)
汗を搔くと体の湿度が上昇するので、湿度を嫌うインフルエンザウイルスを抑制することに繋がります。
ただ、汗をかいたまま放置すると体が冷えてしまうため、数時間毎にパジャマを着替えるようにしましょう。
※アイスノン等が無い場合
- 小さい保冷材
- ビニール袋に氷と水を入れて縛る
氷が直接肌に触れると嫌がる場合は、ガーゼやタオルで包んで当てましょう。
また寒がっている場合は無理に当てる必要はなく、気持ち良いと感じる部分だけにします。
(3)こまめな水分補給
脱水症状にならないよう、少しずつ、こまめに水分を飲ませるようにします。
もし吐いてしまう場合はスプーンで一口ずつ口に含ませるようにしましょう。
飲ませる物は経口補水液が良く、最低限1日につき500mlから1000mlは必要です。
特に子供の場合は脳症を併発する可能性もあるので脱水症状には特に注意しなければなりません。
脱水症状については唇に縦皺が深くなったり、おしっこの量が極端に減る場合は要注意です。
病院を受診すべきケース
夜は熱が上がりやすい時間帯なのですが、夜間救急診療は非常に忙しいし寒い中病院へ行っても疲れるだけ、ということになりかねません。
ですから基本的にはその日は家で頭などを冷やしながら静かに寝ているのが良いのですが、症状によっては直ぐに病院を受診すべき時もあります。
次のような場合は、脳症や肺炎等の合併症も心配なので、直ぐに受診しましょう。
- 呼びかけても返事が遅い
- 目の焦点が合わない
- 痙攣している
- いつもと明らかに様子が違う言動がある
病院を受診すべきか迷ったら
休日や夜、直ぐに受診すべきか迷った場合やどう対処すれば良いのか分からない場合は、小児救急電話相談に電話をすると小児科医や看護師に相談できます。
小児救急電話相談の電話番号は、#8000です。
この短縮電話で現在居住している都道府県の相談窓口に自動転送されます。
まとめ
子供が熱を出したら慌ててしまうことが多いのですが、夜は熱を出しやすい傾向がありますし、インフルエンザかどうかの判定は12時間以上経過しないと難しいです。
その日に夜間救急診療に行っても余計に疲れるだけなので、出来れば静かに熱を下げるよう冷やしておき、翌日に病院へ行く方が良いでしょう。
インフルエンザと風邪は症状が似ているので素人判断はできませんが、感染力の違いなどもあるので看病時に感染しないよう用心しながらお子さんの看病をして下さいね。
看護人がうつらないようにするための対策はこちらの記事をご覧ください。
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