お盆にはご先祖様も戻られますが、親戚など多くの人が集まることもあります。
どのような食事がいいのか、食べてはいけないものがあるのか、でもスーパーにはなんでも並んでいるし、、悩ましいですよね。
お盆とは、ご先祖様の霊をご自宅にお迎えし、ご先祖様や故人を偲び供養する日本独自の風習のことです。日本古来の祖霊信仰と仏教の融合ですから、厳格な決まり事などはなく、むしろ地域や家の慣習によって大きく異なります。
とはいえ、お盆のお供えに適したものや、お盆期間にはあまり適さないとされているものもあります。
今回は、お盆にまつわる食べ物についてご紹介します。基本事項は押さえつつ、地域や家の慣習にも合わせて、家族や親戚と穏やかなひと時をお過ごしくださいね。
お盆に食べる定番料理やお菓子
お盆は、古くからの日本の風習のひとつなので、地域や家によって慣習もかなり異なります。厳格な決まり事などはありませんが、定番料理や食べ物がいくつかあります。
・そうめん
・天ぷら
・精進料理
・お団子
・おはぎ
・落雁(らくがん)
そうめん
蒸し暑い夏の定番メニューでもあるそうめんですが、お盆ではお盆飾りとしてお供えもしますし、行事食としてもいただく定番料理です。
そうめんは、喜びが細く長く続くことを願う縁起食でもあり、疾病予防を願う行事食であり、ご先祖様が帰る時にお土産の荷物を結ぶ紐や、乗り物の手綱の役割もあるのです。お盆とそうめんには、深い関係があるのですよ。
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天ぷら
信州や東北地方では、お盆に天ぷらをお供えすることもあります。
お供えとしての天ぷらは「精進揚げ」と呼ばれ、肉や魚、卵は使わず、夏野菜やキノコ類を使います。そのため、衣にも卵を使用せず、小麦粉と水で衣を作ります。
あっさりしたそうめんに、天ぷらはよくあいます。精進揚げにはしなくても、そうめんと一緒に天ぷらを食べる家庭は多いのではないでしょうか。
精進料理
精進料理とは、殺生(生き物を殺すこと)を避け、野菜・果物・豆類・海藻などの植物性の食材のみで作る料理です。
宗派によっては、お盆には殺生を避け肉や魚を食べません。ご先祖様と同様に、生きてきた動物も供養し、感謝する意味も込めて精進料理をお供えし、自分たちも食すのです。
★ お供え用であれば、フリーズドライで一式揃うものもあります。ほんと、便利な世の中になりました。
心がないとお叱りを受けそうな気もしますが、忙しい時には上手に利用したいものです。。
仏膳がある場合には、お料理だけのものもあります。
お団子
お団子は、宗派や地域によっても味や数なども異なりますが、お盆期間の代表的なお供え物です。
◉ お迎え団子
お盆の入りには、ご先祖様の長旅を労り、お迎えするために、あんこやみたらしなどの甘味をつけたお団子をお供えします
◉ お供え団子
ご先祖様が家にいるお盆の間には、ご先祖様のおやつとした、あんこやきなこなどをつけてお供えします
◉ 送り団子
ご先祖様が戻られる時には、お土産として何もつけない白いお団子をお供えします
★ こちらも便利な業務用サイズ(冷凍)があります。ほんと、便利な世の中になりました。。
おはぎ
お彼岸の定番食べ物 おはぎ。
・小豆の赤色が邪気を祓う
・もち米は五穀豊穣を願う
邪気を祓い、魔除けの意味もありますので、ご先祖様が帰ってくる時の助けになると、お盆にもお供えし、定番食べ物とする地域も多くあるそうです。
落雁
落雁(らくがん)は、連の花や葉っぱなどの形に型に押しし、固めて乾燥させ干菓子です。
昔は砂糖は高級品でした。大切な仏様やご先祖様に貴重な品をお供えするという意味でも落雁がお供えされてきたのです。干菓子ですから日持ちはしますが、ある程度お供えしたらお下がりをいただきます。食べたら消えてなくなるものなので、「不幸が続かないように」との魔除けや厄除けの願いも込められています。
お供え用の落雁もありますが、和菓子屋さんにある美しい落雁をお供えするのもオススメです。
お盆に食べていけないものは?
宗派や地域によっては、お盆には食べないとされているものもありますが、実際にはあまり気にしていないことが多いようです。
仏教では肉・魚・卵はNG
仏教では、お盆には殺生に関わる食べ物は口にしていけないとされていて、肉・魚・卵は食べてはいけないとされていました。そのため殺生のない、精進料理を食べるのです。
地域や宗派、家によっては、仏教の教えとして、あるいは慣習として、続いています。
現在は食べ物にタブーなし?
伝統的には精進料理なのでしょうが、現実にはタブーなしといったところでしょうか。
実際スーパーに行くとわかるのですが、人が集まる時に便利なパーティーメニューのようなお惣菜が盛りだくさんです。お寿司、ピザ、焼肉、多彩なオードブル、、あれほど並んでいるのをみてしまうと、一般的にはもうタブーはないと、言ってもよさそうです。実際、社会生活も変化しているのですから、風習も変化しますよね。。
さいごに
お盆は、宗教行事のような気もしますが、実際には祖霊信仰の意味合いが強いため、宗派による違いよりも、地域や家の慣習による違いの方が大きいです。
社会生活や食生活の変化もあり、定番料理や食べ物は全国的に画一化されてきているように思いますし、一方でタブーはなくなりつつあるようです。その傾向は、今後ますます進むのだと思います。伝統として残したい部分もありますが、情報も多く多忙な現代に、よりフィットしたお盆の過ごし方になっていくのでしょう。
家で親戚や家族を迎える側だったり、仏壇があると、やることも多く、お盆休みなのに普段よりも慌ただしくなったります。できる範囲でこなしつつ、現代ならではの便利なものが上手に使いこなして、私自身もお盆を穏やかに過ごしたいと願うこの頃です。