PTA会長等の役員は、生徒の父兄が亡くなった場合にPTAからの弔慰金を渡すため、葬儀参列することがあります。この場合、個人からも香典を出すべきでしょうか。
今回は、PTAとして弔慰金を渡す場合の、
・香典を入れる袋の選び方
・香典袋の書き方(表書き、名前、住所を何と書くのか)
・葬儀当日の記帳時に気を付けておきたいこと
・会葬御礼や返礼品の扱い
以上についてまとめました。
PTAが葬儀参列時の香典は個人的に出すべき?
PTA役員として葬儀に参列する場合には、PTAからの「弔慰金」が「香典」にあたります。
PTAからの香典は包んでいるわけですから、個人名で出すかは故人やご遺族との関係により判断するといいでしょう。
PTAの弔慰金は、各学校のPTA会則に基づくものです。PTAの役員が喪家に届けるのは、PTAの仕事の一つでもあるのです。仕事なのですから、プライベートのお付き合いとは、分けて考えて構わないのです。
故人やご遺族ともお付き合いがあった、自分はともかく子供が親しくしているようであれば、個人名で香典を包めばいいでしょう。
故人やご遺族とも面識がない、子供同士も友達ではないのであれば、個人名での香典は不要でしょう。
なお、故人やご遺族がPTA役員だったような場合には、別途個人で香典を包んだり、「PTA役員有志」として少額ずつ連名で包むこともあります。これも、故人やご遺族との関係によるものですから、プライベートの領域です。
弔慰金と香典の違いは?
ここで、弔慰金と香典の違いを簡単にまとめておきます。
弔意(ちょうい)とは、故人を弔い、遺族を慰めることです。
ですから、弔慰金(ちょういきん)とは、故人を弔い、遺族を慰める気持ちを表し、金銭を会社や団体等が支給するものです。
一方で、香典とは、葬儀などの参列者が喪主に渡し、霊前や仏前に供える金品を意味します。
主目的が、遺族を慰めるものか、お供えなのかの違いがあります。
PTAの弔慰金/香典 表書きの書き方と袋の選び方は?
袋の選び方について
香典を入れる封筒については、PTA会則で何の名目でいつ支給するのかによって変わってきます。
・「香典」の場合 〜 不祝儀袋(水引は「結び切り」または「あわじ結び」)
・「弔慰金」の場合 〜 普通の白封筒や茶封筒
学校のPTA会則の慶弔規定の中では「弔慰金」と書かれていることが多いかと思われます。
ただ、お葬式(お通夜・葬儀・告別式)に持参するのであれば、「香典」の扱いとなり不祝儀袋に包むのが一般的です。
お葬式(お通夜・葬儀・告別式)ではなく、日を改めてお渡しする場合には「弔慰金」として、白封筒などに包むことになるでしょう。
これも、PTA会則や学校の慣習によって対応が分かれます。
お葬式(お通夜・葬儀・告別式)に代表者が参列し「香典」として包むことが慣例になっていることもあれば、日を改めて「弔慰金」として渡すことが慣例になっていることもあります。
PTA役員の中に経験された方がいれば相談してみてもいいでしょうし、わからない場合には、学校の先生に聞いてみるといいでしょう。
表書きについて
表書は、いつ渡す、どのような名目で渡すかによっても異なります。
・「香典」の場合 〜 「御霊前」や「御仏前」等
・「弔慰金」の場合 〜 「弔慰金」
仏式の場合、香典の表書は通常「御霊前」、浄土真宗等宗派によっては「御仏前」です。
キリスト教であれば「御花料」または「献花料」。神道の場合は「玉串料」など。
相手の宗教や宗派によって異なりますので、確認が必要です。
氏名と住所について
氏名や住所の書き方は、個人名で出すときと同様です。
ただし、氏名は「○○小学校保護者会」「○○中学校PTA」「○○高校 父母と教師の会」等。
住所は、PTA会則に記載されている住所。通常は、学校内に置かれていますので、学校の所在地を記入します。
名前については、学校によっては「○○小学校PTA 会長××××」と会長名まで書き入れることあるようです。
PTAの会則に基づき支給するわけで、会長個人のお金を包むわけではないので、会長名は不要との考え方もあります。
これも、学校などの慣習によるでしょう。前任者やPTA担当の先生に確認するといいでしょう。
個人で香典を包む場合には、「○○小学校PTA役員××××」などとは書かずに、個人名だけで構いません。
「PTA」を縦書きにするには?
「PTA」は本来横書きにすべきアルファベットではありますが、以下のように縦書きします。
P
T
A
学校名も含めて文字数が多い場合は、2行にしても構いません。
葬儀の受付での記帳と返礼品の扱いは?
記帳では、PTAからの香典の場合は、香典に書いた名前と住所で記入します。
名前はともかく、学校の住所は覚えていないことが普通ですから、参列前に学校の所在地(住所)をメモしておくと、受付で困るようなことは避けられます。
「弔慰金」として持参する場合には、返礼品は受け取らなくても構いません。
「香典」として持参する場合には、返礼品は受け取っても受け取らなくても構いません。
香典に対して、返礼品をお渡しするのは喪家側です。ですから、受け取っても構わないとの考え方が多いようです。
個人として受け取ることが気になる場合には、中身によっては、学校やPTAの会議等で使用すればいいでしょう。もしくは、「PTA会則による弔慰金なので」とお断りするといいでしょう。
ただし、PTA会則は学校によって定めが異なり、「返礼品は一切受け取らない」と細かく定めている学校もあります。その場合には受け取ってはいけません。事前に会則を読み直してこの項目がないかどうか確認しておきましょう。
さいごに
香典を渡す際に、返礼品と共に「会葬御礼」のカードを受け取ることになります。(返礼品と一緒になっていることもあります。)
この「会葬御礼」は、いつどこで誰の葬儀を行ったか、という証明書類になります。香典の場合、相手が受領したことの証明としての領収書が発行されないため、会葬御礼のカードが領収証代わりになります。また、香典を入れる香典袋は通常PTA会費の経費になります。
清算や会計処理上必要なものですから、無くさないようご注意ください。