七夕の願い事はなぜ書くのでしょうか。
幼い頃は深く考えずに書いていた短冊も、小学生になると様々なことが気になり、何を書いたらいいのかわからなくなってしまう子も多いようです。最近は
「願い事なんて叶うワケないんじゃない?どうせ書いたって意味ないじゃん!」
なんて思ってしまうオトナな子もいれば、テストの解答のような完璧な願いごとを書く子もいるようですね。我が家でも、学年が上がると周りの目も気になるので、随分と悩んでいたようです。
今回は、七夕の願い事を書く時の小学生向けのアドバイスをご紹介します。
七夕の願いはなぜ書くの?意味はあるの?
七夕といえば、織姫と彦星が1年間に1回だけ逢うことができる日ですよね。七夕の短冊に願い事を書くようになったのは、この織姫にちなんでいます。
中国では乞巧奠(きこうでん)という行事が古くからあるのですが、この行事では機織り上手な織姫にあやかり、女性にとって大切な手仕事である裁縫が上達するように、と祈りを捧げたのが短冊の始まりです。最初は裁縫だけだったのですが、次第に習字など様々な芸事の上達等を願うようになりました。
乞巧奠(きこうでん)が日本に伝わったのは奈良時代ですが、願い事を書くのが一般大衆に広まったのは江戸時代に入ってからです。
今は、紙の短冊に願いを書くようになりましたが、昔は五色の布を使っていたとされています。機織りの得意だった織姫が由来だからなのでしょうね。
七夕の願い事を書き悩む小学生への書き方アドバイスは?
小さい頃は無邪気に「プリキュアになりたい」「サッカー選手になりたい」なんて書いていた子どもも成長すると現実が見えてくるのか、学校行事の中で願い事を書くことに抵抗があったり、難しさを感じることは珍しいことではありません。
かくいう私も、数十年も前の子ども時代には、人前で夢や目標を語るのは大苦手でした。願いや目標を定めるために、自分自身を見つめるよりも当たり障りのない「作文」や「短文」を書いたものです。もちろん、子どもにはそんなこと言えませんでしたが、、
七夕の願い事はどんなものがいい?
七夕の短冊には、夢や目標といったことを書くことが多いようですが、そもそも七夕の願いごとは機織りや裁縫の上達を願うものでした。そのため、今取り組んでいることで上達したいこと、習い事やスポーツなどで上手になりたいことなどを、書く方が良いとされてきました。
学校や地域にもよるのかもしれませんが、最近は、夢や目標などもっと大きなことを書く傾向があるようですね。
なにが正しいとか間違っているとか、そういうことでもありませんが、何を書くか迷っている、あまり言いたくないような場合には、「上手になりたいこと」を考えるようアドバイスするのがオススメです。
クリスマスではないので、「○○が欲しい」あたりは不向きかと思われます
小学校低学年の子どもへのアドバイス
小学校低学年の子どもが何を書けばいいのか悩んでいるような場合には、今どんなことを頑張っていて、どんなことが上手になりたいのか、上手になったら嬉しいのかを、具体化できるようよく話を聞いてみましょう。
願い事というよりも、生活の中での「目標」でもいいかもしれませんね。
- サッカー:ドリブルが上手になりますように
- 歌手:○○(曲)が上手に弾けるようになりますように
- 水泳:○○泳ぎで○○m泳げるようになりますように
- 学校:絵が上手になりますように、字が上手になりますように、九九が上手に言えますように
七夕の願い事に決まり事はありませんが、将来的なことよりも、もっと近いところで、もっと具体的ななにかを見つけてみるといいかもしれませんね。
ただし、この場合でも、願い事を決めるのは子どもです。親の希望に向かうよう誘導するような言い方は避けましょうね。
小学校高学年の子どもへのアドバイス
小学生でも学年が上がってくると、ますます悩むようになるかもしれませんね。友達などの願い事も気になりますし、周りからどう見られるかも気になるお年頃です。
悩んでいる場合には、大きな目標そのものよりも、学校や習い事、普段の生活の中の目標や小さな目標(ステップ)などを具体化するようアドバイスしてみましょう。
高学年にもなると、目標(将来の夢や、中学受験、検定試験など)に向かって、必要なことを逆算してステップや小刻みの目標を設定することが大切になってきます。小刻みの小さな目標を具体化する練習にもなりますよ。
悩む子どもへのアドバイスに頭を悩ませる保護者の方へのアドバイス
目標や将来の夢をはっきり言えない子どもだと、親の方が心配になったり、焦ったりしがちですよね。
でも、七夕祭りや短冊はあくまで学校や地域の行事ですから、あまり難しく考えたり、問い詰めたりしないで、親はのんびり構えるくらいでいいのかと思います。「他の子どもたちはどうなんだろう?」「○○ちゃんは、去年の願い事でしっかり書いていたけどうちの子は、、」などついつい比較したくもなりますが、別にいいのです。優等生の解答よりも、イベントとして楽しめればいいのではないでしょうか。
本当に何かを願ったり、大きな目標を立てたり、決意するのは、行事に合わせる必要はありません。それぞれにタイミングがあるものです。七夕の願い事は、もっと身近で今の自分にあった願い事を見つめるきっかけになるよう、アドバイスしてあげましょう。
注意ポイント
くれぐれも、親の願いに沿うよう誘導するようなことだけは避けましょう
七夕の願い事が叶う書き方はあるの?
大きな目標や、何かを変えたい、やり遂げたい時などに、アファメーションと呼ばれる「前向きな言葉で自分自身に宣言することで、なりたい自分を引き寄せる」方法がありますよね。
七夕は行事/イベントだと思ってあまり悩まずに割り切って楽しむのもオススメですが、目標を自分ではっきり言える子や、逆に目標を立て願いを叶えることを信じていない・諦めている・興味がない子には、アファメーションもオススメです。
願いを叶える書き方のポイントは2つです。
- 出来るだけ具体的なことを願う
- 願いを言い切る形で書く
→「~になる」「~する」「~できるようになる」「~を手に入れる」等
「〜になれますように」よりも「○○になる」「○○する」といった、願いがかなった、うまくいった自分を宣言する方法ですね。否定的な言葉や、曖昧な表現は避け、具体的に書くこともポイントです。
さいごに
七夕の短冊に願いを書くということは、単なる季節的なイベントの1つではありますが、考え方次第では子どもにやる気を与えたり、大きな目標に対して逆算し小さなステップや目標を設定したりする、いいきっかけにもなります。
あまり難しく考えずに、楽しくお過ごしくださいね。