冠婚葬祭マナー

喪中の誕生日祝いは駄目?旅行はキャンセルすべき?海や山は?

喪中はお祝い事を慎むというため、子供の誕生日祝いをやってはいけないのでしょうか。
また、予定していた旅行もキャンセルすべきでしょうか。

今回は、喪中における家庭内のお祝い事やイベントについてどのように考えれば良いのかをお話しします。

喪中の場合子供の誕生日祝いは止めるべき?

birthday

喪中というのは悲しみが深いためお祝い事をする気持ちになれない、という意味ですが、子供の誕生日祝いまで喪中を理由に止めてしまったら可哀想ですよね。
喪中というと、何が何でもお祝い事は駄目、と思いがちですが、なぜそのお祝いをするのか、1つ1つの行事の意味を考えてみると案外出来ることも多いです。

子供の誕生日祝いというのは、無事に過ごして成長し1歳年をとった節目のお祝いです。
一方、忌中のタブーは「ハレ」とされるお祝い事で、七五三のようなハレの場以外に、自宅での派手なパーティ等も避けるとされています。
でも考えてみると、死の悲しさを理解するからこそ、誕生日を迎えた子供は「生きていることって有難いんだなあ」と命の尊さを感じられるはずです。

派手などんちゃん騒ぎでなく、「1年間無事に過ごせて良かったね」「元気で過ごせていることを感謝しよう」という意味での「お誕生日おめでとう」という言葉や内輪でささやかなお祝いをするのは子供の心を育てる上でとても大切です。

故人を偲ぶことは大切ですが、喪中を理由に子供の誕生日祝いも無しにしてしまったら、故人はどう思うでしょうか。
亡き人は、子供のためにお祝いして欲しいと願っているでしょうし、くよくよせずに残されたあなた方には前を向いて歩いて欲しいと思うでしょう。
あまり「喪中だからあれもこれも出来ない」と気を回し過ぎないで、お祝い事の本来の意味を考えて行動しましょう。

ちなみに、母の日や父の日、敬老の日など日本には誕生日以外にも様々な行事がありますが、これも本来の意味を考えれば「感謝」なのですから、喪中でも全く問題ありません。


喪中の旅行はキャンセルすべき?

旅行というのは「ハレ」のお祝い事ではないので喪中のタブーには入ってこないはずですが、人によっては娯楽の意味で「ハレ」に含まれると考える人もいます。
そのため身内が亡くなって間もない時期に旅行に行くと、「不謹慎」「喪中なのに・・・」と言われる可能性はあります。

もちろん、喪中は外出を避けるという意味で、亡くなってからすぐに旅行の計画を立てて四十九日前に旅行するのは問題ありますが、亡くなる前から計画していた場合は、身内が亡くなったからキャンセルするとなると、時期によってはキャンセル料が発生する可能性もありますよね。

旅行というと傍から見ると「娯楽」「バカ騒ぎ」のイメージがあるかもしれませんが、旅行する本人にとっては故人の供養目的というケースもあり得ます。

・気持ちを整理するため
・お寺巡りをして心を清らかにしたい
・故人と訪れた場所であれば、その思い出に浸りたい

ですので、旅行が全て喪中のタブーかというと、そうではないでしょう。

これは、人によって異なるので、大切なのは、人が喪中に旅行に行くといってもとやかく言わないことと、我が身になったときは周囲の騒音に振り回されないことです。
キャンセル料が発生する場合は、ギリギリまで考えて気持ちの整理がつくかどうかで決めたら如何でしょうか。

もちろん、旅行と法事が重なる場合は法事を優先させるべきですが、そのような事情がなければ問題ないのです。

そして、旅行に行くと決めた場合は「旅行も供養の1つ」と割り切ることです。
旅行前に仏壇に手を合わせて、供養の気持ちを胸に刻んでから出かけ、旅行先で仏壇に供えるお菓子や故人の好物を買ってお供えしましょう。

喪中に海や山に行ってはいけないの?

喪中に旅行する場合で、海や山に行くと祟られるというようなことを耳にしますが、これは様々な誤解から生じたことだと思われます。

「海に行ってはいけない」と言われているのは喪中や忌中でなくお盆期間のことです。
昔から海岸近くに住む人々は子供達に「お盆期間は地獄の蓋が開いて亡霊がたくさん出るから海には入ってはいけない」と言っていたものです。
漁師の仕事もお盆期間は休みにして、船を陸に上げていました。

実際には亡霊なんていないので迷信でしょうけど、実際のお盆時期の海は台風による高波やクラゲに刺される危険などが非常に多いため、このような言い伝えが生まれたのだと思われます。
これが喪中に海に行ってはいけない、に曲解されたのではないかと思います。

また、山については、喪中期間(正確には忌中期間)は穢れとされているので神社に行ってはいけないとされているのですが、山に神社が建てられていることも多いことから、山の神社には行ってはいけないという意味でしょう。

ですので、喪中に海や山に行ったからといって、海や山の神様に祟られるということではありません。

さいごに

喪中は派手なお祝いごとは控えるべきですが、誕生日や旅行は子供たちにとって楽しみの1つですから故人を偲び、生きていることの感謝とともに家族で質素にお祝い、旅行すればいいのです。

ただ、古い考え方の人には「喪中なのに・・・」と言われるかもしれないのであまり口外しないほうが良いでしょう。

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