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テンパリングの目的は?簡単温度計不要な方法は?失敗しない裏ワザ

バレンタインの本命チョコや友チョコに、手作りチョコをプレゼントしたい。
でも、テンパリングって難しいと聞くし、家に温度計がないから駄目かもしれない。

こんな悩みを抱えた人は多いでしょう。

確かにテンパリングは初心者にとってハードルが高く見えますが、実は目的や意味を知れば作業が怖くありません。
そして、簡単で温度計不要な方法もあります。
今回は、数種類あるテンパリング方法のうち、初心者にも取り組みやすい方法と、それでも難しそうと感じる人のために失敗しない裏ワザをご紹介します。

テンパリングの目的や意味は?温度を上げ下げする理由は?

テンパリングはチョコレートの温度調節を行うことであり、その目的は、チョコレートを艶良く口どけの良い仕上がりにするため主成分のカカオバターを安定した結晶体にすることです。

テンパリングをしないで固めると、艶がなく口どけも悪くなるし、ブルームという白い斑点やシミも出来ます。
これは、チョコレートの主成分であるカカオバターの油脂分が不安定な構造になっているからです。
この油脂分は数種類あり、それぞれの融点が次のように異なります。

γ型 →融点16~18度
α型 →融点21~24度
β’型 →融点27~29度
β型 →融点34~36度

ちなみに融点(個体が液体になる温度)が高いほど結晶が安定し、密度も高くなります。

テンパリングでは、温度を上げて溶かしたチョコレートを一旦冷やす過程でβ型と一部β’型の結晶までを分離して出し、再び31度程度まで上げることによりβ’の結晶を溶かしてβ型の結晶のみを残すことになります。
こうすることにより、最も安定したβ型だけになるため、安定して密度も高く美味しいチョコレートになるのです。

テンパリングが成功すると?

テンパリングでカカオバターの結晶の種がきれいに出来ると、そこから結晶が固まり全体が規則正しい結晶になって艶が出ます。
また、密度が高く容積も小さくなるので、きれいに型から外すことができます。

テンパリングの流れ

大まかな手順としては次の(a)から(c)になります。

(a)チョコの温度を40度程度まで上げて液状にすることで結晶を全て溶かします。
(b)空気を入れないように混ぜながら27度程度まで下げ、再び32度程度まで上げます。
(c)32度を維持しながら作業を行います。

テンパリングの温度

チョコの種類によって調整する温度は異なります。
ミルクチョコやホワイトチョコの場合、チョコに含まれる粉乳が多くカカオバターの凝固を妨げることからスイートチョコよりも若干低い温度になりますし、販売しているメーカーによっても若干異なりますが、大まかには次のようになります。

【スイートチョコレート】
(a)溶かす温度→50~55度
(b)冷ます温度→27~29度
(c)上げる温度→31~32度

【ミルクチョコレート】
(a)溶かす温度→40~45度
(b)冷ます温度→26~28度
(c)上げる温度→29~30度

【ホワイトチョコレート】
(a)溶かす温度→40~45度
(b)冷ます温度→25~27度
(c)上げる温度→28~29度


テンパリング簡単で温度計不要な方法は?

テンパリングで一番重要なのは、道具をきちんと拭いて水分や油分等を残さないことです。
ですから、湯せんよりも電子レンジの方が水分が入らないので安全です。
(ただし、電子レンジでは焦げる可能性もあるためよく注意して見ている必要があります。
湯せんする場合は水分がチョコに入らないように注意して下さい。)

【材料】
板チョコ

【道具】
まな板・クッキングシート・包丁・耐熱容器・ゴムべら・ドライヤー

(1)まな板の上にクッキングシートを敷いてからチョコを刻みます。
(4分の3量を5mm角程度の大きさに、残り3分の1量は3mm角程度の大きさにします)。
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(2)刻んだチョコの3分の2量をクッキングシートごと持ち上げて耐熱容器へ移します。(クッキングシートを使うことでチョコを無駄なく入れることができます。)

(3)電子レンジで加熱してチョコの温度を45度程度まで上げて溶かします。

板チョコ50gを500w電子レンジで加熱すると1分20秒程度かかりますが、一気にやると焦げるため、10~20秒程度ごとに止めてレンジから出してヘラで押し付けるように混ぜ、再び加熱の繰り返しを行います。
(混ぜる時は空気を含ませないようにします。グルグルかき混ぜると空気が入ってしまうため「押し付ける」のがポイントです。)

(4)残っていた3分の1量のチョコを入れて、ヘラでゆっくり混ぜながらチョコを溶かし、全体の温度を下げます。
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チョコを入れて溶かすことにより温度が下がってきますが、どこまで下げるかという目安は
「かき混ぜていると徐々に艶が出て、ドロッとした状態でヘラが重たく感じるようになるまで」です。

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(5)再度、電子レンジで31~32度まで加熱します。
加熱は10秒毎に行い、止めて少し混ぜ、再び加熱を繰り返します。

どこまで温度を上げるかの目安は、
「少し混ぜて、ヘラですくって垂らしてみるとタラタラ絶え間なく流れ落ちている状態になるまで」です。
サラサラ状態になってしまうと温度が上がり過ぎなので失敗です。
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テンパリングが上手に出来た状態では、ヘラについたチョコをナイフや包丁の刃につけてみると、問題なければ直ぐに固まりますし、艶があって指紋もつきません。
失敗した場合は3分経っても固まりません。固まらなかった場合は成功するまで、最初の温度を上げる手順(3)から(5)の作業をやり直しましょう。

(6)シリコン型などにチョコを流し込みます。
時間がかかる場合は湯せんで31~32度を維持しながら作業します。
テンパリングが上手くできた場合は固まるのが早いため、固まり始めたらドライヤーを少しあてて生地を緩める方法もおすすめです。

(7)片付け
全作業が終わったら片付けますが、ボウルに残って固まったチョコはドライヤーで溶かして取りましょう。


テンパリングで失敗しない裏ワザは?

やっぱり温度管理が難しい!という場合は、以下の裏ワザがおすすめです。

(1)チョコを溶かし、45度程度にします。
(2)30~32度まで下げた段階でチョコレート重量の3%純ココアを加えます。
(3)ココアの粉がなくなるまでかき混ぜます。
その後、ボウルの底のチョコを剥がすように右回り左回り各20回、しっかり混ぜます。

純ココアのカカオバターが結晶の種になるため、テンパリングと同じ効果が得られます。

まとめ

テンパリングは難しいと感じるかもしれませんが、やってみると温度計無しでも意外ときれいに出来るものです。
高級クーベルチュールでなく市販の板チョコでもできるので、一度試してみてくださいね。

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