インフルエンザに母親がかかってしまった場合、隔離すべきでしょうか。
隔離できない場合はどうすれば良いでしょうか。
また、授乳中の場合は母乳あげても大丈夫でしょうか。
薬を飲む場合、母乳への影響は大丈夫でしょうか。
今回は、授乳中の赤ちゃんがいる場合の母親がインフルエンザにかかった場合にどのようにすれば良いのかをお話しします。
インフルエンザの母親は隔離すべき?赤ちゃんの世話は?
隔離と養生できれば安心だけど、隔離が無理なら頑張る方法もある!
母親がインフルエンザにかかった場合は赤ちゃんも近くにいるため、既に感染している可能性があります。
インフルエンザは完全に治るまで1週間近くかかるため、普段働いている夫に全て休んで世話をしてもらう訳にはいきませんよね。
その他に同居家族がいたら世話をお願いできれば良いのですが、その家族がお年寄りの場合はウイルスが感染してしまうと重症化する可能性もあるので世話をお願いするのは難しいかもしれません。
ですから、インフルエンザ感染者である母親が赤ちゃんの世話をしなきゃいけないというのは、よくあることなのです。
病気の時に赤ちゃんにウイルスをうつさずに世話をするのは大変ですが、インフルエンザは主に飛沫感染によりうつるので、鼻水、咳、くしゃみ、痰、唾液等が赤ちゃんにかからないようにすれば赤ちゃんが感染しないケースもあります。
ですから、自分で赤ちゃんの世話をしなければならない場合は、飛沫感染予防として次のことに注意しましょう。
- 不織布マスクを常にして、赤ちゃんに向かって咳やくしゃみをしない
- 母乳やミルクを飲ませる前に手洗いする
- 離乳食の場合、口でフーフー冷まさない
インフルエンザに罹ったけど母乳あげても大丈夫?
母乳にはインフルエンザの免疫があるので発症中の授乳は大丈夫です。
授乳中の場合にどうしよう、と心配するかもしれませんが、実は、母乳にインフルエンザの免疫が含まれているため、むしろ母乳を続ける方が良いといわれています。
仮に母親が隔離となり母乳を中断した場合には、赤ちゃんは母親の免疫を受けられません。
母親が発症した時点で赤ちゃんも感染している可能性もあるため、免疫となる母乳を飲むほうが良いし、赤ちゃんが発症した場合も軽くて済むといわれています。
また、インフルエンザウイルスは鼻や喉の粘膜で増殖して、咳やくしゃみ、唾液等により飛沫感染する可能性はありますが、母乳にインフルエンザウイルスが出ることは考えられません。
ただ、インフルエンザにかかった母親の状態が非常に重い場合は母乳を飲ませるのさえ難しいかもしれません。
その場合、免疫以外の問題があるかどうか次にお話しします。
母乳を中断する場合の問題はあるの?
(1)母乳が張って辛い
その場合、母乳を与えていた場合は中断すると乳房が張ってしまうため、搾乳をする必要が出るでしょう。
乳腺炎にも注意しなければなりません。
(2)哺乳瓶やミルクを買いに行ける?
また、完全母乳だった場合は哺乳瓶やミルクを買う必要があるため家族の協力が不可欠です。
もしミルクの場合はお湯を温めたりして作るのにも手間がかかるため、寝込んでいる母親が作るのは大変です。
だから、母乳の方が案外ラクなんです。
ですから、家族の協力を得られない場合は、母乳を続ける方が楽ということを再度考えてみましょう。
母乳の場合は母親が横になったままでも添い乳で飲ませることができるし、授乳が終わればそのまま眠っても問題ありません。
ただ、高熱の場合は脱水症状になりやすいため、母乳をあげる場合は水分を十分に摂ることが大切です。
ところで、抗インフルエンザ薬を処方された場合は薬の心配がありますよね。
次に薬の母乳への影響についてお話しします。
インフルエンザや薬の母乳への影響はあるの?
抗インフルエンザ薬では次の4種類が多く使われています。
- タミフル(内服薬)
- リレンザ(吸入薬)
- イナビル(吸入薬)
- ラピアクタ(点滴)
吸入薬のリレンザ、イナビルは体内吸収量が少ないため母乳中への移行は殆どないと考えられるため、授乳中には適しているといわれています。
また、点滴薬のラピアクタも吸収率が低いので赤ちゃんへの影響は殆どないと考えられています。
ただ、内服薬のタミフルについては、授乳中でも赤ちゃんへの影響は殆どないという見解もありますが、動物実験で1才未満の赤ちゃんに大量投与すると脳に影響がある可能性があることが判明したため1歳未満の赤ちゃんには使用しないという見解(2004年1月以降)の方が一般的です。(あくまでも動物実験だけであり、実際の症例はありません。)
ですので、授乳を続けることを考えるのであれば、タミフル以外の抗インフルエンザ薬か、一般的な薬だけを処方してもらえないか医師に相談しましょう。
ちなみに、抗インフルエンザ薬はウイルスを殺す薬ではなく、ウイルスが増殖しないための薬であり、これらを飲んだ場合は1~2日間程度熱が出る期間が短くなるだけです。
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まとめ
インフルエンザに授乳中の母親がかかった場合は赤ちゃんの世話が大変です。
同居家族に任せると乳房が張る等の問題もありますし、ミルクを作る上での問題も出てきます。
ですから、赤ちゃんに感染させないようマスクや手洗いで対応しながら世話を続けるという方法もあるので、確かに一人で頑張るのは大変ですが、横になって授乳しながら体を休むようにして下さいね。