寒くなると甘酒が美味しいですよね。
初詣に行った帰りに甘酒を飲んで温まって帰りたくなりますが、車の運転をする場合は飲んでも大丈夫なのでしょうか。
また、駄目な場合は何時間経ったら大丈夫なのでしょうか。
今回は、甘酒の原材料である麹や酒粕の違いを含めてお話しします。
甘酒を飲んで車の運転は大丈夫?
甘酒の原料としては米麹と酒粕の2種類があり、米麹で作った甘酒なら飲んで運転しても大丈夫ですが、酒粕で作った甘酒の場合はアルコールが含まれていて飲酒運転に該当するため運転は避けましょう。
ちなみに、アルコール度数については麹は0%、酒粕は約8%となっています。
(ただ、酒粕は「日本酒の絞りかす」なので、原材料である日本酒の度数次第で酒粕に残る度数も若干異なります。)
甘酒を薄めるとアルコールではなくなるの?
元々酒粕は日本酒の「絞りかす」なので、例えば、8%のものを2倍に薄めるとアルコール度数4%、4倍なら2%となります。
だから、理論上は8倍以上に薄めれば1%未満でアルコールとは見做されません。
ちなみに市販品の大関甘酒は法律上はアルコール度数1%未満となっており酒類でなく清涼飲料水という区分になるのですが、原料に酒粕が含まれているため0%ではありません。
また、HPに「数本飲んでも飲酒運転にはならない」という記載と併せて「お酒に弱い人や子供の場合は注意が必要」という内容も書かれています。
アルコールが含まれていない訳ではないので、全くお酒が飲めないような弱いタイプだと、このような8倍以上に薄めた甘酒でも酔う可能性がありますし、ほんの少しでも、飲んでから時間があまり経過していなければアルコール検知される可能性はあります。
甘酒を飲んで車の運転は何時間経ったら大丈夫?
何時間経ったら大丈夫という基準はありません。
アルコール濃度は量だけでなくその人の体質が関係しているから個人差があるのです。
飲酒運転で警察に捕まるかという問題は単純に「飲んだか飲まないか」でなく次のいずれかの基準によります。
・血液中のアルコール濃度が一定値以上か
・呼気中のアルコール濃度が一定値以上か
アルコールを飲むと胃と小腸で吸収されて肝臓で殆どが代謝されます。
この代謝能力は個人差があるのですが、体重60~70kgの人で1時間につき5~9g程度だそうです。
ちなみにアルコールの代謝能力については一般的に男性よりも女性の方が体格が小さく肝臓も小さいため、お酒に弱い傾向があります。
また、年を取ると体内水分量が減るため酒に弱い傾向がありますし、アルコールが脂肪に溶けにくいことから、体脂肪率が高いほど体の水分割合が低いため血中アルコール濃度も高くなるといわれています。
このような個人差もあることから、お酒に弱い人はちょっとの酒でも飲酒運転の可能性が高くなるし、奈良漬や粕汁でも飲酒運転と見做されてしまうケースもあるのです。
そして、代謝時間についても個人差があるため、必ず何時間経過すればアルコールが抜ける、とは言えないのです。
甘酒一杯程度なら大丈夫でしょ?と思うかもしれませんが、飲酒運転は重大事故に繋がる可能性が高いし、罰則も厳しいです。
過去には粕汁を飲んだ直後に運転した人が書類送検されたという例があるそうですし、心配だと思ったら、運転する人は別の飲み物にする方がいいですね。
お酒を飲んだ場合に心配だったら、次のようなアルコールチェッカーで調べる方法もあります。
ちなみに私の父はお酒を全く飲めない下戸なのですが、ウイスキーボンボンや奈良漬でも真っ赤になる性質です。
当然、粕汁は飲めませんし、甘酒も酒粕のものは一口で真っ赤になります。
ですので、甘酒は米麹で作るものしか飲めませんし、酒粕の甘酒を飲んで運転するなんてことは一切ありませんでした。
甘酒で麹と酒粕の違いは?
甘酒の作り方は大きく分けると原材料が米麹か酒粕か、の2種類ですが、細かくいうと次の3種類があります。
・米と米麹を煮詰める方法(米麹のみの場合もある)
・酒粕を煮詰めて砂糖を入れる方法
・酒粕を煮詰めて米と麹の糖化液で甘味をつける方法
甘酒って発酵させるけどお酒じゃないの?
甘酒は発酵させて作るのですが、通常の酒と異なり酵母を入れないため、糖をアルコールに変換する工程がありません。
そのため、原料中にアルコールが含まれるかどうかで次のような判断になります。
- 米麹で作る場合→発酵させるけど酵母無しの「糖化液状態」なのでノンアルコール。
- 酒粕で作る場合→酒粕にアルコールが含まれるのでアルコール。
ちなみに、市販の甘酒では、缶飲料の殆どに酒粕が含まれています。
最も重要な違いは上記の「アルコールかどうか」ですが、その他様々な違いがあるので確認していきましょう。
米麹による甘酒
米麹を発酵させると麹の消化酵素の働きで米のでんぷんがブドウ糖に分解されます。
これが米麹の甘みになります。
甘み成分がブドウ糖であることから「飲む点滴」と呼ばれることもあります。
酒粕による甘酒
酒粕は日本酒を作る際に出た絞りかすで、言わば不要品です。
そのため、米と麹で作る甘酒よりも安く作れます。
殆どの栄養素は米麹で作る甘酒よりも多いのですが、ミネラル分は米を絞る際に減っているため、米麹のよりも少ないです。
また、甘みとして糖類を加えるため米麹で作るものよりもカロリーが高いです。
ちなみに甘みの主成分はショ糖です。
- 金額 →酒粕の方が安い
- カロリー→米麹100%の方が低い
- 食物繊維→酒粕の方が米麹よりも数倍多く含まれている
- 味 →酒粕はアルコールの匂いがあり、米麹の方が上品な甘みと酸味がある
栄養素は両方とも豊富で、ビタミンB1・B2・B6、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛等が含まれています。ただし、酒粕の方が鉄、亜鉛、タンパク質、脂質、ビタミン類等全体的に多く含まれています。
まとめ
車を運転する人で甘酒を飲みたくなった場合、原材料に酒粕が含まれていない物を探して飲んで下さいね。
市販の甘酒はアルコール1%未満の清涼飲料水という区分になっていることが多いのですが、アルコールが含まれていない訳ではないので体質によって検知される可能性もあるからです。
くれぐれも、飲酒運転にはご注意ください。