結婚式や葬儀を行うときに大安、仏滅、友引等の六曜を気にする人は非常に多いです。
でも、気にするわりに、
- 六曜がどんな意味か
- 並び方の順番はどうなっているのか
- 縁起のいい順はどうなるのか
これらのことを知らないのですよね。
今回は、六曜にまつわる基本知識と、六曜を信じるべきか等をまとめました。
六曜の意味と由来は?
六曜は先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類があり、現在では冠婚葬祭等の儀式を行う日取りを決める際に吉凶判断として活用されています。
ですが、元々は室町時代に中国から伝わった占いが元で、当時は現在のように曜日(七曜)がなかったため、その代わりとして旧暦の1ヶ月30日を5つに分けて日を区別するために六曜を曜日として使っていましたが、実は江戸時代まで注目されていませんでした。
ところが明治時代に入り旧暦から新暦へ移行した段階で「吉凶付きの暦は迷信」として政府が禁止したことにより、逆に注目されるようになり、第二次世界大戦以降、広く普及されるようになりました。
六曜それぞれの意味は?
六曜の読み方は複数あり、どれが正解かというものはありません。
また、意味も昔と今の解釈が異なるものが多く、例えば「大安」は現在では無条件で良い日であり、「友引」に葬儀を行うべきでない日とされていますが、昔の解釈は異なります。
ただ、「赤口」の解釈だけは昔も今も、唯一変わらないとされています。
ここでは一般的な読み方と意味についてお話しします。
大安(たいあん)
「大いに安し」の意味で、六曜の中では「万事吉で成功する日」とされており、結婚式や結納など慶事を行うことが多いです。
友引(ともびき)
現在は「凶事に友を引く」「凶禍が友に及ぶ」の意味がありますが、昔は「共引」、つまり勝負事は全て引き分けになる日」という意味でした。
葬儀を行うと友が死の世界へ引き寄せられるという迷信は字面からのこじつけですが、信じる人が多いことから火葬場が休日とされている地域が多いです。
慶事は「幸せのお裾分け」と解釈して結婚披露宴の引出物を発送する人もいます。
ただし、慶事において、昼前後11時から13時の間は凶とされているので、気にする場合はその時間帯を避けて結婚式を行う人もいます。
先勝(せんしょう・さきがち)
「先んずれば即ち勝つ」の意味で、急ぐことが吉とされています。
具体的には、午前中に物事を行うのは吉(午後二時から六時までは凶)、結婚式については午前中に式を開始すれば午後まで差し掛かっても問題ないとされています。
先負(せんぶ・さきまけ)
「先んずれば即ち負ける」の意味で、午後に物事を行うのが吉(午前中は凶)とされています。
何事も控えめにして平静を保つべき日であり、勝負事や急用を避けるべき日とされています。
赤口(しゃっく・しゃっこう)
陰陽道の「赤舌日」という凶日が由来で、午の刻(午前11時から午後1時まで)だけ吉で、それ以外は凶で、特に慶事には「大凶」といわれています。
この午の刻だけ吉というのは、赤口の赤が「強い太陽」であり昼を意味し、この太陽の気が口先だけ出るのが「赤口」ということからです。
また、「赤」が血を連想させるため、刃物を持つ仕事の人には注意すべき日とされています。
ちなみに、法事を行うのは問題ありません。
仏滅(ぶつめつ)
「仏も滅するような大凶日」の意味で、六曜の中で最も凶の日とされており、結婚式などの慶事を敬遠する習慣があります。
終日凶とするのが通説となっていますが、午後は縁起が良いとする説もあります。
葬式や法事は行っても問題ありません。
六曜の順番に決まりはあるの?
六曜の順番については次のようなルールがあります。
(1)六曜における旧暦月の1日は次のように決まっており、月末でリセットされます。
1月・7月 →先勝
2月・8月 →友引
3月・9月 →先負
4月・10月→仏滅
5月・11月→大安
6月・12月→赤口
(2)先勝、友引、前負、仏滅、大安、赤口の順に繰り返されます。
この結果、現在のカレンダー(新暦)と六曜の決まりである旧暦は月日がズレているため、現在のカレンダーで六曜を見ると、
「規則性がありそうだけど、時々月の途中で急に変わっている!?」
と気付くことになります。
そして、その突然の不規則さに神秘を感じて、占いが当たるかのように思えてしまうようですね。
旧暦では当たり前だったのに、明治時代になり新暦に移行した結果六曜のルールを知らない人が増えたため、その頃から六曜の人気が出たようです。
順番については覚えたい場合は次の語呂合わせで覚えるのが早いです。
「大きな赤ちゃん勝てば友達、負ければ仏」
大きな →大安
赤ちゃん→赤口
勝てば →先勝
友達 →友引
負ければ→先負
仏 →物滅
六曜 縁起のいい順は?
六曜は単純に順位を決められるものではありません。
ですが、結婚式など慶事の場合は一般的な順位としては次のようになっています。
六曜の良い順
(1)大安
(2)友引
(3)先勝
ただし、友引は正午が凶で、先勝は午前中が吉となっています。
結婚式の場合は友にも幸せのお裾分けをするという縁起担ぎで大安の次に人気がありますが、昔からの言い伝えである「葬儀で友を引くから友引を避ける」の逆パターンの言い伝えは結婚式においてはありません。
また、先勝の方が物事を行う上で先手必勝ということで、友引よりも良いと考える人もいます(ただし午前中から行うことが条件となります)。
この2つを比べてどちらが良いかというと見解が分かれているようです。
六曜の悪い順
(1)仏滅
(2)赤口
(3)先負
よく話題になるのが、仏滅と赤口のどっちが悪い日かという問題ですが、一般的には仏滅の方が最も悪い日とされています。
ただ、赤口についても「厄日」とされており、特に「慶事や新しく始めることを慎むべき日」とされているため、どちらが悪いかというと「似たり寄ったり」、また、赤口は昼以外が大悪日とされているため仏滅よりも悪いという説もあるようです。
しかしながら、赤口の方が「午の刻(11時から13時)だけは吉」とされているため、それなら仏滅よりは赤口の方がマシだよね、ということで結婚式を正午前後に開始するパターンで入れるケースもあるようです。
六曜は信じる必要があるの?
六曜の中に「仏滅」があり、「仏」の字が入っているため仏教と関係あると想像する人が多いのですが、実は無関係です。
そもそも、お釈迦さまは占いを禁止していたそうですし、現在の仏教でも浄土真宗では吉凶を選んで行うことを否定的に考えているそうです。
また、神道にも関係ありません。
だから、人の信じたいという気持ちで縁起担ぎ程度のもので、本当は、意味がないのです。
とはいえ、ちょうど流行り出した世代が今の年長者であることから若い人が「結婚式をしようとしたら、仏滅だったから反対された」というケースは多いようです。
そのため年配者が気にするという理由で仏滅に結婚式を入れない人も多く、結婚式場では「仏滅の結婚式を安くする」プランを設定しているところが多いです。
まとめ
六曜は元々曜日の代わりに使っていたものであり、宗教とは無縁なので冠婚葬祭を六曜にこだわる必要性はありません。
ただ、気にする年長者が多いことから、一般常識程度に次のことだけ理解しておきましょう。
先勝→午前中〇、午後×
友引→昼前後×、それ以外〇
先負→午前×、午後〇
仏滅→一日中×
大安→一日中〇
赤口→昼前後〇、それ以外×
そして、年長者があれこれ気にする場合は、お互い納得するよう話し合うことが大切です。
■六曜について詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。→「六曜」一覧