「地域ごとに贈り物のうけとめかたが異なる?」
今回は「ちはる」さんの経験から、地域や相手によってうけとめかたが変わってしまう贈り物についてです。義理の両親に贈り物を考えるときには相手が「縁起」を気にするかを確認しておくことが大事ですね。
それでは、「ちはる」さんお願いします。
私の学生時代の同期が結婚することになり、その結婚祝いを選んだときの実体験で考えさせられたお話です。 各冠婚葬祭に関して様々なマナーは存在していますが、不快に思う方がいない様に広く物事を知っておかなければならないと改めて反省した出来事でした。
せっかくお祝いとしてもらったものなのに周囲からよくない反応をされてしまっては嬉しさも半減してしまうし、使いづらくなってしまいます。 もちろん相手が喜ぶものというのは大前提ですが、仲が良い相手であれば直接確認をとって本人が欲しいもの・良いと思うものを渡すべきだし、確認が取れないのであれば絶対にタブーに当たらないもの、現金やカタログなど相手方で好きな用途に使い道を選んでもらえるものを選ぶことを念頭に置いて慶事の贈り物は選ぶ方が良いのかもしれないと感じました。
マナーが存在する理由
冠婚葬祭における「マナー」というものは縁起の良い悪いを主として行為や物を受け取った人や周囲のそれらを見ている人が全員で気持ちよくお祝いやお別れができる様にと存在しているものだと考えます。もちろん、必要以上に怖がる必要も不必要なマナーを守る必要もないとは思いますが主役を中心に参加者が気持ちよく参加できるために存在するのがマナーであり、ある程度の気遣いは必要です。
特に、どう受け取られるか年代や地域、価値観によって意見が分かれることや時代によって変化しつつあるマナーに関しては参加者をよく考えて、不快に思う人が出るかもしれないと思うのであれば臨機応変に対応しなければならないと思いました。
刃物が縁を切ることから縁起が良くないというのは比較的有名な話しですが、本人と話し合って「新しい良い包丁が欲しい」と明確に言われたのでなければ、渡した時に相手や見ている人を含め「なんで慶事に、そんな演技の悪いもの渡すの?」と思われるであろうことは想像に難くないでしょう。相手に気持ちよく受け取ってもらうためにも、自身のお祝いの気持ちを十二分に伝えるためにもマナーをよく知り、守るということは重要なことだと考えます。
判断の分かれる贈り物
これは私が実際に体験したことなのですが、私が学生の頃の同期にが結婚するということで結婚祝いを選んでいたときのことでした。
相手が好きなもので、かつせっかくだから地元にちなんだものにしたいという思いもあり地元の特産品である「日本茶」に決めました。結婚式の2週間前に何人か仲の良かった当時の仲間で集まることになっていたため、贈り物の用意が間に合うメンバーはそこで渡すことになっていました。
その直前にちょうど私の家に母親が遊びに来ており、その話をしたところ日本茶は結婚祝いとして大丈なのか確認した方がいいよと言われました。母はマナーなどわりとしっかりしている方だったため確認してみようと母の帰宅後、詳しく調べてみたところ「日本茶や緑茶には弔事用の贈り物というイメージが強いため、慶事の贈り物には適さない場合もある」とのことでした。一方で、「茶の木の根は深く根付き簡単には抜けないことから嫁いだ家にしっかりと根付くように」という意味合いを込めて縁起物と取るところもあるそうで地域によって慶事用の贈り物に適しているか否かは意見が割れるところのようでした。
気づいたのが渡す直前だったことと、相手が日本茶が好きなことも知っていて渡したいと思ったのでそのまま送ることにしました。相手の地元も近いのでおそらく大丈夫だろうと思いましたが、後日相手に念のため確認したところ本人は日本茶好きなこともあり満足していたようですが、母親に少し微妙な反応をされたとも言っていました。
よく考えると、相手の母親はその土地で長く暮らしているわけではない可能性もかなり存在しているし、両親と同居しており相手の両親の目に触れる可能性が大いにあったことはよく考えれば想像できたことでした。母にアドバイスを受け調べた上に代替の品としてカタログや現金であれば比較的簡単に用意できたことを考えると、自分の意見を押してまで渡したいと思った上に思慮が浅かったと反省しました。
さいごに
私の体験では地域によって判断が分かれるマナーに関することでしたが、一般的に認識が割れていることや時代の変化で変わってきたことなどマナーや常識に関しては広く情報を知っておく必要があると感じました。
最終的に一番重要なのは受け取り手の判断です。一般的にはタブーであっても本人が望めば包丁などの刃物やグラス、陶器などを渡したという話もしばしば聞きます。しかし、相手が両親と同居しているのか、「縁起」を気にする人なのか、渡すタイミングで他の人の目があるのか様々な状況と視点を総合的に判断して贈り物は決める必要があると再認識した出来事でした。
「全員に配慮なんてしていられないし、人それぞれ価値観が違うのだから仕方ない」で済ませてしまうのは、ある種もっともな意見だとは思いますがそこで思考を停止させずに自分が知識と気遣いを広げることで不快な思いをする人が一人でも減るのであれば、そうするべきなのだと思います。