【経験談】卒業式イベントの偽セレブ 空気を読むことは学校行事には求められる

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【経験談】卒業式イベントの偽セレブ 空気を読むことは学校行事には求められる

「子供の卒業式や学校行事に合わせることが大事」

今回は「世界」さんの卒業式に何を着ていくかを悩んだ体験談です。
私立校では親として参加するときには空気を読むことも求められる点について体験を話していただきました。

それでは、「世界」さんお願いします。

初めての子供だと、保護者は卒業式に何を着て行こう?入学式には何を着て行こう?卒業式と入学式は同じ格好はマズイのかな?と色々悩むことだろう。

卒業式も入学式もたった1日のこと、たった1日のために洋服を買うのは勿体ないと誰もが思うことだが、それでは済まされない。 たった1日と見るか、大事な1日と見るかは人それぞれ。

学校関係者は卒業式や入学式のことを、たった1日のことと思っているだろうか? そんな風に考えている学校に、大事な子供を預けたいと貴方は思いますか? 卒業式も入学式も大事な行事、だから、毎年欠かさず行われているのだ。 良い加減な気持ちで学校行事に参加すると、子供の評価に悪影響を及ぼします。

子供と共に保護者も成長

ヤレヤレ、やっと娘が小学校を卒業だ。
娘が通っている小学校は私立校、問題さえ起こさなければ大学まで無試験で進学出来る。

私の姉(娘にとっては叔母)、「卒業式には何を着て行くの?」
私、「今度の土曜日、ママ友と卒業式用の洋服を買いに行く」
姉、「私も付いて行こうか?」

私の姉は元ヤンキー、娘の入学式にヤンキーファッションで来たため、卒業式には呼びたくない、娘もそう思っている。

私、「大丈夫、ママ友達と一緒だから」
姉、「娘を私立に通わせてから、アンタ、私を避けてるよね?」
私、「そんなことないよ」

姉ちゃん、ごめん、私、姉ちゃんのことを避けている、だって、娘が通う学校には姉のような元ヤンは1人もいないから。

姉、「Aちゃん(私の娘)は卒業式に何を着るの?」
私、「あの子は学校の制服」
姉、「美容院は予約した?」
私、「したよ」
姉、「どこの美容院?」
私、「〇〇にある美容院」
姉、「〇〇は遠いじゃない」
私、「ママ友は皆、そこの美容院へ通っているの」
姉、「その美容院は良いの?良いなら私も行こうかしら」
私が予約した美容院はセレブのお客が多く、元ヤンの姉では居心地が悪いだろうと思い、別の話をした。

私、「Aちゃんが卒業式で着る制服をクリーニングに出さないといけないわ」
姉、「クリーニング屋さんもママ友達と同じところに出すの?」
私、「クリーニングは、好きなところに出してるわよ」
姉、「卒業祝いに、私がクリーニングに出しといてあげる」
私、「助かる、クリーニングだけで良いからね、余計なことはしないでよ」
姉、「・・・」

私と姉が育った町では、卒業式のために制服に刺繍を施す習慣があり、「余計なことはしないでよ」と釘を刺さなければ、娘は「夜露死苦」と刺繍の入った制服で卒業式に出るところだった。

既にバトルは始まっている

私の夫は自動車通勤をしているのだが、ママ友らと卒業式用の洋服を買うために、その日の夫はバスで通勤してもらった。

娘が通う私立校はセレブの親が多く、移動の基本は車。
待ち合わせ場所へ行くと高級車がズラリ並んでおり、ママ友らのファッションは上から下までブランドもの、私だってブランドもの、・・・古着だけど。

私の姉なら、ブランドものを見付けると「幾らした?」とスグお金の話をするのだが、セレブは思っても口には出さない、口には出さないが値踏みはする。
待ち合わせ場所での立ち話は値踏みの時間、もちろん、子供が着ているものも値踏みされている。

娘が小学校に入学した時にはまだ幼かった下の子も今は小学3年生になり娘とは違う私立校に通わせている。

私立校に通わせている保護者は、他の保護者に見せびらかすかのように子供に学校の制服を着させる。
しかし、娘が通う学校にはセレブの親が多いため、下の子が通っている私立校では話にならない。

ママ友らと立ち話をしていると、族車らしきウルサイ車が近くを通った、すると下の子が「あっ、オバチャンだ」と言いかけたため、私はとっさに下の子の口を手で押さえた。

私の姉はヤンキーファッションで娘の入学式に参加した過去があるため、ママ友らは私のことも元ヤンと陰口を叩いている。
元ヤンと言われているのは良い気がしない、出来ることならタバコで根性焼きを入れてやりたいが、娘と下の子のために我慢をしている。

泣いているのは誰?

泣く、ママ

娘が学校を卒業しても私の我慢は続く、なぜなら、娘が通う学校はエスカレーター式で進学するから。
卒業式と言っても、他校に移る生徒は極わずか、殆どの生徒は皆と同じで内部進学する。そのため、卒業式で子供が泣くようなことはなく、主に泣いているのは保護者。

公立校は住所で通える学校が決まっており、子供が望んでも他の学校に入学できない。そのため、私と姉が通った公立校では卒業式に女の子が泣くのは珍しくなかった。
子供は泣かなくても保護者は泣いている、子供の成長が嬉しくて泣いているのではない、優しいお母さんを演じるために嘘泣きをしているのだ。

娘が通う学校に入学するには親子面接があり、親も合否に影響を及ぼしている。
学校関係者に良い保護者と認められると、その子供の評価にプラスとなる。そのため、ママ友らは嘘泣きをする、負けじと私も嘘泣きをした。

整形をしているかどうかを見抜けるように、嘘泣きかどうかは同性なら分かること、しかし、嘘泣きであっても構わない、空気を読むことが学校行事(卒業式等)には求められている。
皆が泣くと、他のママと差を付けられないのだが、嘘でも泣かないと、かえって目立ってしまうため、私はハンカチで顔を隠しながら嘘泣きをした。

娘、「ママ、泣いてないでしょ?」
私、「・・・」

卒業式会場の最前列のほうから、大きな泣き声が聞こえると、

下の子、「あっ、オバチャンだ」
私、「えっ、・・・」

最前列ではヤンキーファッションをした私の姉が白々しいほどの嘘泣きをしていた。

最後に

偽セレブの私は、娘の卒業式に着た洋服を買い取りショップに売りに行くと、買い叩かれてしまった。

ショップ店員さん、「卒業式が終わると、売りに来られる方が多いんです」

買い取りショップでは販売も行っており、店内には客から買い取ったブランドものが沢山売られていた。
どうやら、偽セレブは私だけではないようだ。

卒業式と入学式を同じ日に行ってくれれば、保護者が着る洋服は1つで済むのだが、たいていは別の日に行われる。
卒業式と入学式を別の日に行われると、同じ洋服というわけにはいかない。

ママ友は他の保護者が何を着ていたかは見ている、見ているのは学校関係者も同じ。
教育に相応しくない格好をしていれば目を付けられ、子供の評価に影響を与えてしまう。
それが嫌でママ友らは、同じような洋服を選び、同じ美容院に通っている。

個性を伸ばす教育を真に受けてはダメ、日本では空気を読むことが教育の現場でも求められており、和を乱すことは許されない。

 

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