遠方のお墓だと、お墓参りに行くのが毎回大変ですよね。
いっそのことお墓を移す方が良いのでは・・・と思ったことがありませんか。
でも、お墓を移すと「祟りがある」とか「よくない」という話も聞くし、心配な人もいるでしょう。また、お墓を移す場合には手続きが大変だろうし、東京など都会のお墓だと高くて購入できないのではないか、と不安になるかもしれません。
そこで今回は、
- 遠方のお墓はどう管理すれば良いのか?
- 移す場合に祟りなどは問題ないのか、問題ある場合の対処方法は?
- お墓を移す場合の手続きや費用は?
以上についてまとめました。
遠方のお墓の管理って?
近年は、実家が遠方なのでお墓参りになかなか行けない、という人が増えています。
できれば自分でお盆、春秋のお彼岸、年末やお正月などにはお参りしたいものですが、年4回というのが難しい場合は最低でもお盆かお正月など、年1回は行ってお墓掃除などをしたいものです。
とはいえ、仕事が忙しくて年1回でさえ厳しい人もいるでしょう。その場合にはお墓参りやお墓掃除を誰かに依頼する方法を検討してみましょう。
その「誰か」ですが、以下のような人が考えられます。
- お墓の近くに住む親戚
- 墓地の管理事務所
- お墓参り代行サービス
お墓の近くに親戚が住んでいれば、その親戚に連絡してお墓参りに行ってもらえるようお願いする方法もあります。ただ、その親戚が将来的に入るお墓でなければお墓参りをする必要のないものですし、毎回きちんとお礼した方が良いですね。
また、墓地の管理事務所に依頼する方法もあります。
公営墓地等の場合には年間管理料を払うので枯れた花の処分程度はやってもらえます。でも、お寺の墓地だと年間管理料以外にお布施が必要となるところもあるし、ちょっと難しいかもしれません。
・・・このように色々考えていくと、自分でお墓参りが出来ないのであれば、お金を払って仕事としてやってもらえる「お墓参り代行サービス」が一番確実な方法でしょう。ちなみに、このサービスはダスキンのような清掃サービス会社もあれば、石材店などが行っているところもあります。インターネットで調べたい場合は、「お墓参り代行 ○○市(地名)」などと入力して検索すれば表示されますよ。
とはいえ、お墓参りは確かに大切なことですが、本来は「ご先祖様を大切にする気持ち」が重要なはずです。ですから、「お墓が遠くてあまり墓参りが出来なくても、毎日家できちんと仏壇に手を合わせてお参りしているから大丈夫」と考える人もいて、1年に1回行けなくても気にしない人もいます。
これは人それぞれ考え方次第とも言えるので、ご自身が納得する方法を選べば良いでしょう。
とはいえ、近年は、「誰かに任せるのでなく自分で定期的にお墓参りしたい」という考えから、遠くのお墓を家の近くに引越ししようと考える人が増えています。お墓が家の近くにあったらお墓参りがとても楽になって良いですよね。
でも、先祖代々の墓を自分の都合で移してしまって良いのでしょうか。
次に、この「お墓を移すのはよくないのか」という問題についてお話しします。
お墓を移すのがよくない場合どうする?
「お墓を移すのはよくない」という話がどこからか出ていますが、これは単なる迷信です。仏教上ではお墓を移すとバチが当たる、ということはありません。
「人は亡くなると魂は天に還り、肉体は大地に還る」と言われておりますが、そこから、亡くなった人の魂は2つに分けられ、仏壇の位牌に精神が、お墓に肉体が宿るということになります。
そして、肉体の魂が宿っているお墓は、確かにご先祖様が購入した愛着のある場所かもしれません。でも、現状では子孫がお墓参りに行くのが困難で、思うような供養が出来ていないのですよね。
では、お墓を移したらどうなるでしょう。
- 今よりもお参りに行く頻度が増える
- もっとご先祖様を大切にできるようになる
こうなりますよね。
そもそも、ご先祖様というのは自分の血の繋がった子孫に対して懲らしめるなんてことはしません。あまりお墓参りしてもらえず淋しいと思うかもしれませんが。逆に、先祖を大事にしてくれる子孫なら大喜びするはずです。
ですから、きちんとした手順で引越し手続きを行い、お坊さんに閉眼供養(魂抜き)や開眼供養(魂入れ)などを行ってもらえば大丈夫です。ご先祖様に日々感謝し、大切にして、きちんと供養する、という気持ちこそが重要なのです。
お墓を移す手続きはどんな流れで行うの?
では、実際にお墓を移す場合、手続きはどんなことがあるのでしょうか。
実は、お墓を移す際の手続きは結構ややこしくて、以下の1)〜5)の流れで行います。
(以下の1と2は同時進行で出来ます。3以降は1と2が終了した後に行います。)
1)今の墓地の管理者への依頼事項
(1)今のお墓の管理者にお墓の引越しについて相談し、必要な書類手続きについて聞いておきます。
※お寺の墓地の場合は檀家をやめることから離檀料という名目のお布施が必要になるため、この時によく費用を確認します。
(2)市町村役場で「埋蔵証明書(改葬許可申請書)」の用紙をもらい(各自治体のHPで書式をダウンロード可能)、今の墓地管理者に必要事項を記入捺印してもらいます。(この書類は「この墓地に遺骨が埋蔵されている」という趣旨のものです。)
2)新墓地の管理者への依頼事項
(1)引越し先のお墓を探して契約します。
(2)「受入証明書(墓地使用許可証)」を発行してもらいます。
3)市町村役場へ行く
今のお墓がある市町村役場に以下の書類を提出し、改葬許可証を発行してもらいます。
- 受入証明書(墓地使用許可証)
- 埋蔵証明書(改葬許可申請書)
4)墓じまいをして、更地にして返還する
墓じまいの際、お坊さんに閉眼供養(魂抜き)をしてもらいます。また、墓石の撤去は石材店か土木業者に依頼します。業者によって金額が異なるため複数見積りを取り比較して決めましょう。
なお、遺骨の取り出しについて「一部の人のみ」、「骨壺から一部の遺骨のみ(分骨)」等の場合は墓じまいの必要はありません。
5)新しいお墓で納骨法要と開眼供養を行う
改葬許可証を新しい墓地管理者に提出して納骨します。お坊さんと石材店に依頼します。
お墓を移す費用はどのくらいかかるの?
お墓の引越しに関する費用は、今の墓地や引越し先の墓地の相場や新しい墓石等によって異なるので一概には言えませんが、主な項目としては以下が挙げられます。
(1)今のお墓にかかる費用
- 離檀料(目安は約10〜20万円ですが、お寺により異なります。)
- 閉眼供養(目安は1〜5万円)
- 墓石の撤去(目安は約20〜30万円)
(2)新しいお墓にかかる費用
- 墓地使用料
- 墓石購入
- 墓石の建立(工事)
- 開眼供養(目安は1〜5万円)
さいごに
今のお墓にかかる費用については墓地管理者やお寺等に問い合わせすれば直ぐに分かりますが、新しいお墓にかかる費用については地域やお墓の広さ、お墓の形態などによって金額が全く異なります。ですので、どのくらい費用がかかるか知りたい場合は、まず最初に、希望する地域だとどんな霊園墓地があるのか、どんな形態があるのかを調べる必要があります。
以下のサイトでは、希望する地域や予算などを入力して検索ボタンを押すと、条件に合った墓地が表示されるので比較検討や一括資料請求が手軽に出来ますよ。
→Life.(ライフドット)のお墓探し
お墓の形態については樹木葬や納骨堂、永代供養、ペットと一緒に入れるなど様々あります。このサイトには全国8,700件超の霊園墓地が登録されているので、自分の条件だと難しいと思っていた場合でも案外ちょうど良い墓地が見つかるかもしれません。
また、墓地に詳しいアドバイザーにお墓の引越しについて相談可能なので、手続きが複雑で心配な方や、お寺の離檀が上手く出来るか不安な方は一度相談してみては如何でしょうか。
Life.(ライフドット)のお墓探し