親の葬儀の際、親戚には電話で家族葬にすることを伝えたけど、生前父と交流のあった人にはいつ、どのように伝えたら良いのだろう?
こういう場合に使うのが「死亡通知状」です。はがきで出すので「死亡通知はがき」「訃報ハガキ」とも呼ばれます。
普段目にする機会もないので、いざとなると書き方も、出すタイミングもわからないものです。
・死亡通知状は誰に、いつ、どのような内容で出す文書なのか
・家族葬の場合の文例
・香典辞退の場合にどう書くか
といった、死亡通知状の基礎知識をご紹介します。
死亡通知状はいつ・どんな内容で出す?出す相手はどこまで?
死亡通知状とは?
死亡通知状とは、主に家族や親族が亡くなった際に、生前お世話になっていた方々に訃報や葬儀日程をお知らせすると共に、生前お世話になったことにお礼を伝える書面です。葬儀後にお知らせする際には、葬儀を滞りなく済ませたことを報告するものでもあります。
通常、ハガキで送るため、「死亡通知はがき」「訃報はがき」などとも呼ばれます。
死亡通知状(死亡通知はがき)を送るタイミング、記載内容、文例は?
身内に不幸があった際には、適切なタイミングで死亡通知状を送付することが大切です。葬儀前と葬儀後とで送るタイミングが分かれますが、いずれにしても故人と縁のあった方々には早めに訃報をお知らせするべきでしょう。
◉ 葬儀前に死亡通知状(死亡通知はがき)を出す場合
親族や会社関係者、故人と親しくされたいた方など、葬儀に参列して欲しい方には、他界し葬儀日程が決まり次第死亡通知状(死亡通知はがき)を送付します。
葬儀日程によっては、間に合わないこともあるため、親族や会社、親しい友人には電話などで直接連絡する方が一般的です。
一方で、社葬やお別れ会のように、他界後時間がある場合には、ハガキや封書などでお知らせするケースが多いです。
【死亡通知の目的】
身内が亡くなったことと葬儀の日程をお知らせます。
【死亡通知を出す相手】
親族、故人の友人や関係者(知人、会社関係、学校関係、その他の活動関係など)、遺族の関係者(親しい友人や勤務先など)
【出す時期】
葬儀日程が決まり次第
【形式】
基本的には書面(はがきや封書)
・葬儀に間に合わない場合は電話連絡や、相手によってはメールを使うこともあります
・故人の社会的地位が高かった、事業をしていた、交友範囲が広いなどの場合や地域によっては、新聞などで訃報や葬儀の情報を知らせる広告(訃報広告、死亡記事)を出し、お知らせすることもあります
【記載する内容】
・故人に関する情報(氏名、喪主との続柄、死亡日、年齢、死因等)
・葬儀に関する情報(お通夜、告別式(葬儀)日時、場所等)
・故人が生前お世話になったことのお礼
・喪主に関する情報(氏名、故人との続柄、住所、連絡先)
※ 香典や供物を辞退する場合には、その旨も記載します
【死亡通知の文例】
父 ○○○○儀 去る○月○日[死因]のため○歳にて永眠いたしました ここに生前のご厚情に深く感謝をし 謹んでご通知申し上げます なお 葬儀告別式は 仏式により左記(下記)の通り執り行います 故 ○○儀 通夜・葬儀告別式 通夜式 令和○年○月○日(曜日) 午後○時から 葬儀告別 令和○年○月○日(曜日) 午後○時から 場所 セレモニー○○ 場所 ○○県○○市○○区○○町○-○-○ 電話番号 ○○○-○○○-○○○○ 令和○年○月○日 喪主 ○○○○○ 外 親戚一同 住所 ○○県○○市○○区○○町○-○-○ 電話番号 ○○○-○○○-○○○○
※死亡通知の場合、「拝啓・敬具」や時候の挨拶は不要です。
※死亡した理由は入れなくても問題ありません。
※ レイアウトはご利用端末により表示が崩れることもあるため、左寄せにしてあります。ネット上にテンプレートがたくさんありますので、実際に作成する際にはそちらをご利用ください。
◉ 事後報告〜葬儀後に死亡通知状(死亡通知はがき)を出す場合
家族葬など身内のみで葬儀を執り行う場合には、事後報告として葬儀後に死亡通知状(死亡通知はがき)を送付するケースが多いです。
【死亡通知の目的】
身内が亡くなったことと、葬儀を終えたことをお知らせます。
【死亡通知を出す相手】
親族、故人の友人や関係者(知人、会社関係、学校関係、その他の活動関係など)、遺族の関係者(親しい友人や勤務先など)
【出す時期】
葬儀を終えたら速やかに出すとも言われていますが、実際には四十九日の法要や納骨など、故人のお見送りにひと段落ついたタイミングが目安となっています。
亡くなった時期によっては、喪中はがきで年賀欠礼の挨拶とともにお知らせしてもかまいません。
【形式】
基本的には書面(はがきや封書)
【記載する内容】
・故人に関する情報(氏名、喪主との続柄、死亡日、年齢、死因等)
・葬儀を終えたことの報告と事前にお伝えしなかったことのお詫び
・故人が生前お世話になったことのお礼
※ 香典や供物を辞退する場合には、その旨も記載します
【死亡通知の文例】
父 ○○○○儀 かねてより病気療養中でございましたが 去る○月○日○歳にて永眠いたしました 本来ならばすぐにお知らせすべきところでございましたが 深い哀しみのうちにご通知が遅れました事をお赦しください なお葬儀は○○月○○日故人の意志により近親者のみにて執り行いました ここに生前中賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます 令和○年○月○日 住所 電話番号 氏名
※死亡通知の場合、「拝啓・敬具」や時候の挨拶は不要です。
※死亡した理由は入れなくても問題ありません。
※ レイアウトはご利用端末により表示が崩れることもあるため、左寄せにしてあります。ネット上にテンプレートがたくさんありますので、実際に作成する際にはそちらをご利用ください
香典・供物を辞退したい場合の死亡通知状への書き方・文例、注意点
死亡通知はがきを出す際に香典を辞退したい場合には、次のように対処します。
香典や供物を辞退する旨、死亡通知状(死亡通知はがき)に書き添える文例
故人や遺族の意向で香典や供物を辞退したい場合には、その旨死亡通知状(死亡通知ハガキ)に書き加えます。
葬儀日程や、家族葬であれば葬儀の報告文の後ろに加えるといいでしょう。
・御香典、御供花等につきましては 故人の遺志により固くご辞退申し上げます
・弔問及びご香典・弔電・ご供花などのお気遣いは、故人の遺志により辞退させていただきます
・誠に勝手ではございますが 故人の遺志により御香典・ご供花・御供え物の儀は固くご辞退申し上げます
香典や供物の事態に関わる注意点
◉ 香典辞退が失礼だと考える人もいる
香典や供物は、結果的に遺族に渡すものではありますが、本来は「故人にお供えするもの」です。そのため、香典辞退すると言われても、故人に対して何かしたいのに、、と考える人も少なからずいます。特に、家族葬などの場合、お別れもできないため、なおさら残念に思うことは、理解できることかと思います。
香典や供物を辞退する場合には、「故人の遺志により」の一文が重要です。「失礼だ、残念だと思うかもしれませんが、故人の遺志なのでご理解くだいさいね、、」と、やんわり伝えることができます。
◉ 香典や供物を辞退しても届いた
香典や供物等を辞退する旨ご案内しても、自宅に届いたり、弔問で受け取ることもあるでしょう。そのような場合には、頑なに拒む必要はありません。直接であれば一度お断りし、それでも、、ということであればありがたく受け取りましょう。
香典返しは、地方によってすぐ(葬儀などでは即日)お渡しする場合と、四十九日をすぎた後に郵送する場合とあります。地域の風習に沿ったタイミングで、いただいた香典の半額〜1/3程度の香典返しをお送りするのがいいでしょう。
香典や供物の辞退をお伝えしている場合には、必ずしも香典返しが必要なわけではありません。先方も、香典や供物辞退を承知した上でお持ち(送って)いるわけですから、お返しをしなくても失礼にはあたりません。そうはいっても、辞退したにも関わらず、香典や供物をご用意されるような相手方ですから、そのお気持ちをいただき、丁寧な対応をすることが望ましいでしょう。
さいごに
死亡通知状(死亡通知はがき)は、現在では家族葬などで身内だけで葬儀を営んだ場合に、後日ご報告として送ることが多いです。その場合でも、葬儀後なるべく早めに送ることが望ましいです。弔問や、香典、供物を辞退したい場合には、その旨記載しておけば、あまり大変なことや面倒なことにはならないでしょう。
故人と相手との付き合いの程度にもよりますが、亡くなった時期が晩秋の場合には、11月頃の喪中はがき送付時期に合わせて送る方法もあります。その場合には、死亡通知状(死亡通知はがき)として送るか、喪中はがきとして送るかで、文面等も変わってきます。それぞれの考え方や対処法は、下記の記事でご紹介しています。
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