喪中で年賀状を受け取った場合、年賀状でなく正月明けに寒中見舞いを書いて送りますよね。
でも、故人に年賀状が届いた場合は寒中見舞いで良いのでしょうか。
今回は、故人宛に年賀状が届いた場合の寒中見舞いの書き方と文例について、喪中の理由をどこまで書くか等の問題も含めてお話しします。
寒中見舞いで故人に年賀状が届いた場合の書き方は?
故人宛に年賀状が届いた場合も寒中見舞いで大丈夫です。
ですが、自分宛の書き方とは若干異なる点もあるので注意が必要です。
故人宛の場合は以下の構成で書いていきます。
(1)定型挨拶文「寒中見舞い申し上げます」
(2)年賀状のお礼
(3)故人に関する報告・連絡不達のお詫び・お付き合いのお礼
(4)相手への気遣い
(5)日付「令和○年1月」
故人宛の場合のポイントは、(3)の「故人に関する報告・連絡不達のお詫び・お付き合いのお礼」です。
よく、「自分の知らない相手にいきなり寒中見舞いを送っていいのか」と迷う人がいますが、本人が亡くなって送れない以上は遺族が代わりに寒中見舞いを出すのは相手に対する礼儀なのです。
故人の死の報告
↓
連絡が遅くなったことのお詫び
↓
生前のお付き合いへの感謝
この一連の流れを通じて「相手と故人のお付き合いを終了させていただく」ということが遺族の重要な役割です。
では次に、文例をご紹介します。
寒中見舞い文例で故人宛の場合は?
寒中見舞い文例を2つご紹介します。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年頭のご挨拶をいただきありがとうございました
父 〇〇は昨年○月○歳にて永眠いたしました
本来ならば旧年中にお知らせ申し上げるべきところ
年を越してしまいましたご無礼の段 どうぞお赦しください
故人が生前賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
令和○年1月
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年始状をお送りいただきありがとうございました
実は 昨年○月に 私どもの父○○は○歳で他界いたしました
本来であればこちらからご連絡差し上げるべきところ
行き届かずに大変失礼いたしました
生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに
皆様がご健勝でありますよう心よりお祈り申し上げます
寒さ厳しき折柄、ご自愛下さい
令和○年1月
寒中見舞いに喪中の理由をどこまで書くべき?
今回ご紹介した文例は故人の名前や年齢を入れれば、そのまま使えます。
ただ、「故人の知り合いに送ることだし、亡くなった理由についてきちんと書く方が良いのではないか」と考える人もいるでしょう。でも、寒中見舞いは「季節の挨拶状」なので、亡くなった理由はあまり触れずに一般的な内容で送る方が無難です。
確かに故人の知り合いだから、どうして亡くなったか等を知りたい人もいるでしょう。でも、挨拶状の中に悲しい出来事を事細かく書くと、本来は相手を気遣う目的の挨拶状なのに、故人のことでまた悲しみが湧き上がり相手への気遣いをうっかり忘れてしまうことになりかねません。また、受け取った相手も悲しみを深める可能性があります。
「こうしなきゃいけない」という決まりはないので最終的には書き手の考え方次第ですが、もし相手が故人と生前親しかったのであれば、寒中見舞いを受け取った後に再び連絡をしてくるでしょう。相手から聞かれたら、その時点でに故人の病気や最期の様子などを話すなり手紙で伝えれば良いのです。
さいごに
今回送るのは年賀状の返事としての寒中見舞いです。しかも、手紙でなく「内容が外から見える」葉書形式の挨拶状なので、あまり先走ってあれこれ書かない方が無難でしょう。