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供養のマナー

位牌だけの引越しは可能?老人ホーム入居の場合に持参は?包み方は?


仏壇なしで、位牌だけの引越しは可能でしょうか。

老人ホームに入居する場合、位牌を持ち込んで良いのでしょうか。
それとも、家族がいる場合は家族の方で位牌だけ引き取る方が良いのでしょうか。

実は、我が家では以前、義父が高齢で寝たきり状態になって介護施設に入居することになったのですが、その際に仏壇や位牌をどうすれば良いのか、老人ホームに持ち込むことができるのか等のことで悩みました。

今回は、位牌だけの引越し時の注意事項や位牌の包み方、運び方などについてお話しします。

位牌だけの引越しは可能?

位牌だけの引越しは可能です。

その際の基本的な流れは以下のようになります。

引越し前に、家で位牌の魂抜き法要を行う(お坊さんに来てもらう)

引越し

引越し後に、家で魂入れ法要を行う(お坊さんに来てもらう)

ということで、位牌を移動させる場合には、まず次の2つのことを考えなければなりません。

(1)仏壇をどうするか
今まで仏壇が無かったなら考える必要がないのですが、多くの場合、位牌が仏壇の中に納められていたはずです。その場合、残った仏壇を空き家に放置するのは良くありません。魂抜きをして仏壇を処分するか、閉めておく方が良いでしょう。

(2)魂抜きと魂入れが必要か→菩提寺に相談する
仏壇や位牌を家から別の場所へ移動させる場合は、移動前に魂抜きの法要を行い、移動後に魂入れの法要をしなければならない、というのが多くの宗派の考え方です。ただし、宗派やお寺によって考え方が異なるため、位牌を移動させる場合には「魂抜きと魂入れが必要か」を必ず菩提寺に確認してください。

ちなみに、考え方の違いについては、「位牌は先祖の霊が宿る物」と考える宗派もあれば、「位牌は単なる記録簿であり、あくまでも先祖供養は位牌でなくご本尊に手を合わせるべき」と考える宗派があります。なので、後者であれば位牌だけを移動するなら魂抜きと魂入れは不要ということになります。

また、高田派以外の浄土真宗では、手を合わせるべきはご本尊のみ、ということで、位牌そのものがありません(その代わりに過去帳で先祖の戒名等を管理します)。ただし、仏壇を処分したり閉めておくなら遷座法要(せんざほうよう。浄土真宗における「魂抜き」の呼称)が必要です。

位牌を老人ホームに持ち込むことは可能?

高齢で老人ホームに入居する場合に考えることの1つに「仏壇や位牌を老人ホームに持ち込むことが出来るかどうか」という問題があります。
仏壇や位牌の持ち込みは老人ホームによって異なるのですが、1人部屋の場合には位牌の持ち込み可能なケースが多いです。ですが、入居の申し込みをする時点で施設に確認しておくべきでしょう。

また、老人ホームでは以下のことが考えられます。

  • 仏壇を置くスペースの確保が難しい(部屋が狭いため)
  • ロウソクや線香は不可(事故の防止のため)
  • お経を大きな声で読み上げられない(他の入社の迷惑防止のため)

もし位牌を持ち込む場合は置き場所について考えなければなりません。その場合、以下の2つの選択肢があります。

(1)仏壇を持ち込む方法 → 出来るだけ小さい仏壇や厨子への買い替えが必要になります。
(2)仏壇を処分して位牌だけ持ち込む方法 → 棚やタンス等の上に位牌を置く等の方法になります。

後々位牌の引き取り手に困る場合は、これを機に仏壇を処分して位牌だけ持っていく方法を、また、位牌の引き取り手があるなら、その時点でそちらに移す方法を考えても良いでしょう。

ちなみに、小さい仏壇は2万円程度から購入できますよ。

我が家の場合は、義父が老人ホームに入居する際には完全に寝たきり状態で、車椅子がないと移動が出来ない状態になってしまったため、位牌を持ち込むというのは無理な話でした。(義父は心残りだったようですが、自分で仏壇に手を合わせるだけの力もなくなっていました。)
そこで、義父宅にあった大きな仏壇は閉めておき、位牌だけを私達の家に移動することにしました。


位牌を運ぶ際の包み方は?

位牌の魂抜きをお坊さんにしてもらった後、実際に運ぶのは自分達です。
引越しの場合でも、位牌やご本尊については大事なものなので、業者に任せず自分達で行うことになります。(業者に任せようとしてもお断りされるケースが多いはずです。)

運ぶ際には位牌に傷がつかないよう、風呂敷袱紗で包んでから持ち運びます。
また、位牌を持つ際には、必ず両手で下(台座)と横(文字板)を支えるようにして持つことがポイントです。(位牌は一体化した物もありますが、台座と文字板が外れるタイプの位牌もあるからです。そのタイプだと、片手で持ってしまうと下の台座が外れて落ちてしまう可能性があるので注意してください。)

さいごに

位牌だけの移動なら、いちいちお坊さんにお経をあげてもらわなくても良いのではないか、と考える人もいるかもしれませんが、浄土真宗以外は基本的に家の外に移動する場合、魂抜きと魂入れの法要は必要です。

ですが、これらの法要を2回行うとなると、お布施が1回につき1~5万円プラスお車代が必要なのでかなりの出費ですよね。更に、菩提寺が遠方だとお車代をいくら出さなきゃいけないのだろう・・・と戦々恐々になるかもしれません。

我が家の場合、義父の家と私達の家は車で2時間以上かかる距離でした。菩提寺は義父宅から車で10分の距離だったので魂抜き法要は問題なかったのですが、魂入れのために遠方の我が家まで来てもらうのは・・・と躊躇しておりました。

ですが、仏壇のことはやはり菩提寺に相談しなければなりません。相談したところ、魂入れに関しては、私達の住まいに近いお寺を紹介してもらい、そこから家に来てもらい魂入れの法要を行うことになりました。(もちろん、菩提寺と同じ曹洞宗のお寺で交流のあるところなのだとか。その後、義父が亡くなった際の葬儀でも同じようにしてもらいました。)

とはいえ、「菩提寺が遠くて頼みづらい」とか、「そもそも菩提寺がよく分からない」等の事情がある場合は、以下のようなところに頼む方法もありますよ。

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