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喪中はがきで故人の名前なしの場合は?届いたら友人へどう返事する?

喪中はがきで「故人の名前なし・年齢続柄も無し」の物が届いた場合、どうすれば良いのでしょうか。

年賀状だけのやり取りであれば、単に年賀状を送らないようにすればいいのだな、と思うかもしれません。でも、友人の場合は「何かお悔やみを・・・」と考えるでしょう。その際に、誰が亡くなったのか分からないと返事をどうすれば良いのか悩みますよね。

今回は、友達の立場から見た、故人が分からない喪中はがきを受け取った場合の対処方法についてまとめました。

喪中はがきで故人の名前なしの場合に考えられることは?

実は、故人の名前というのは喪中はがきに書かなくても良いものなのです。
なので、「敢えて書かなかった」と考えた方が良いでしょう。

最初に理解しておきたいのが、

喪中はがきは訃報(亡くなったことを知らせる文書)ではなく、
年賀状欠礼(身内が亡くなって悲しいため新年のご挨拶ができず申し訳ない、の意味)

ということです。
言い換えると、喪中と分かれば良いのであり、「誰が亡くなったか」は書かなくても問題ないのです。

だから、相手の事情の分からない喪中はがきが届いたからといって「不親切な便りを送られても困る」「マナーが出来ていないんじゃないの!?」等と相手を批難してはいけません。

「誰が亡くなったか」を書かない便りというのも、実は相手なりの理由があるのです。
ここで考えられることを挙げてみると、大雑把に言うと、次の3通りがあります。

(1)不幸を言わなくてもいいレベル
(2)不幸を言いたくないレベル
(3)葉書の書式上の問題で書けなかった

では具体的に確認しましょう。

(1)不幸を言わなくてもいいレベル
このケースとしては、次のようなものがあります。

  • 香典など相手に余計な気を遣わせたくない場合
  • 故人との血の繋がりは浅いけど親しかったため喪に服したい場合
  • 最愛のペットが亡くなったので喪に服したいけど人間ではないのでハガキに書くのは憚られる場合

(2)不幸を言いたくないレベル
このケースとしては、次のようなものがあります。

  • 寿命を全うできず悲しい場合(若くして配偶者や子供が亡くなった等)

(3)葉書の書式上の問題で書けなかった
このケースとしては、次のようなものがあります。

  • 同じ年に2名以上親族が亡くなった場合(書ききれない)※1
  • 既製品の喪中ハガキ※2をそのまま使ったため

※1 同じ年に2名以上親族が亡くなった場合は2行に並べて書いても問題ないのですが、多いのが気になって敢えて名前等を書かない人もいます。

※2 既製品の喪中はがきを使う理由としては、

  • 枚数が少なくて印刷屋さんに依頼する必要性がない(印刷屋さんの場合は、枚数少ないほど1枚当たりの単価が高くなってしまう)
  • 「母が」と続柄を書くと、使える家族が限定されてしまう(子供が同じ喪中ハガキを使えない)
  • 印刷屋さんに依頼する日数がない(間に合わない)
このような理由があるのですよね。


喪中はがきが届いたら友人の場合どうすれば良いの?

喪中はがきで名前や続柄などの入っていないものが届いた場合は様々なケースが考えられるので、相手とあなたの関係をよく考えて行動しましょう。

ほぼ年賀状だけの関係というなら、「気を遣わせないように」ということで入れなかったのかもしれません。また、それが既製品の喪中はがきだった場合は、自分で手書きで記入するということを思い浮かばなかったかもしれません。

基本的に、不幸というのは相手に全てを伝えなければならないものではないし、悪気があったわけではないのです。

また、あまりにも悲しくて名前を書きたくなかった、身内の死を受け入れることが辛いというケースも充分考えられるので、あまり積極的に根掘り葉掘り聞いてしまうのは相手に失礼です。

ただ、親しい場合には「家族が亡くなったのを知らずにいたこと」を気になりますよね。そこで、どうしても聞きたい場合は、いつも相手と連絡を取っている手段(メールや電話等)で尋ねるようにしましょう。

「喪中はがきを受け取って驚きました。
ご家族の大変な時に何もしなくてごめんなさい。
失礼ですが、どなたが亡くなったのですか。」

ただ、このように連絡をする場合は、興味本位で聞くわけではないので、
誰が亡くなったのか知ったら直ぐにお悔やみの言葉を伝えたり、
香典や何かお供え物を送るなど、
後に自分がどう行動するかを考えてから連絡するほうが良いでしょう。

また、相手としては、要らぬ気遣いをされないようにと故人のことを伝えなかったのかもしれないので、香典などを受け取らない可能性もありますし、万が一逆縁など悲しみが深い場合は、尋ねることで相手の心を傷つける可能性もあります。
ですので、事前にそういうことも想定しておいてください。連絡する際には相手への思いやりの気持ちが大切です。

喪中はがきの返事を友達に出す場合

・・・ということで、以下個人的な見解ですが、親しい相手だけど最近音信不通になってしまったなあ、と言う場合、私の場合は相手に訊くのは怖くて暫く連絡しない、というパターンか、差し障りのないお悔やみの手紙を出す程度で済ませてしまいます。

お悔やみの手紙については、以下のような商品もあります。

香典や何かお供え物を贈るのも良いのですが、これはどちらかというと、相手に誰が亡くなったかを訊いた後の対応になるでしょう。
そして、相手にとっては香典等を貰った場合、必ずお返ししなきゃと考えるものなので(あなたがお返し不要です、と言っても多くの場合はお返ししてくるものです)、相手を悩ませるようなものでなく、本当に気持ち程度にしておく方が良いと思いますよ。

「誰が亡くなったかは訊かないけど、お悔やみを伝えたい」という場合には「手紙」で届いたのだから同じような「手紙」でお返しする、というのが無難ではないかと思うのです。
相手が「誰が亡くなったかを言ってこないのだから、こちらも敢えて訊かずにお悔やみを伝えるだけ」で誠意が伝わるでしょう。

恐らく、相手からは注文印刷か既製品の定型文書で届いたでしょうし、このような既製品である程度文章が書かれている物の方が使いやすいです。(もちろん、このような既製品に頼らず全て自分で手書きするのでも構いません。)


さいごに

誰が亡くなったのか分からない喪中はがきを受け取った場合は戸惑うものですが、何か事情があってのことです。
突っ込んで訊いても問題ないかもしれませんが、訊いたら悲しんだリ怒ったりする人もいるかもしれません。

ですから、年賀状のやり取りだけの関係であれば触らずにそっとしておくのが無難です。
また、親しい関係だから訊きたいという場合には、相手を気遣いつつ訊くようにしましょう。

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