喪中はがきを作る際には通常、故人の名前や年齢、続柄を書くものですが、入れないで済ませるというのは駄目でしょうか?
また、名前、年齢、続柄のどれかを抜くのはどうでしょうか。
今回は、喪中はがきの故人の情報をどこまで書くべきか、既製品の場合の書き方をどうするか等も含めてお話しします。
喪中はがきに故人の名前や年齢続柄を書かないと駄目?
喪中はがきには、故人の名前や年齢、続柄等の情報を入れるという決まりはありません。
とはいえ、印刷屋さんの文例の多くは次のように、故人の氏名や年齢、続柄が記載されています。
【印刷屋さんの喪中はがき用文例(抜粋)】
「母 ○○が△月△日に□□歳で永眠いたしました」
ですので、多くの人が、「これらの情報は掲載すべきもの」と認識しているのですよね。
ですが、そもそも喪中はがきというのは「身内が亡くなり悲しいため喪に服しています。そのため新年のご挨拶ができず申し訳ありません。」ということを伝えるための詫び状であり、家族の死亡通知ではありません。
なので、故人の細かい情報は相手に伝えなくても構わないのです。
だから、喪中はがきの文章は、
「喪中のため年末年始のご挨拶を遠慮させていただきます。」
という一文だけでも大丈夫です。
そうはいっても、賛否両論あるのは事実です。
何故でしょうか?
次に、喪中はがきに故人の名前や続柄、年齢などを入れないとどういう事態が考えられるかについてお話しします。
喪中はがきに故人の情報を書かないとどうなるの?
喪中はがきに故人の名前や続柄、年齢がないと、
「誰が亡くなったのだろう?」
と、喪中はがきを受け取った人が考えてしまうのですよね。
喪中はがきを受け取った相手の反応としては、大きく分けて次の4通りが考えられます。
- 親しい関係で喪中と知っていたため(葬儀に参列した人も含む)、「喪中はがきを送ってきたんだな」と確認するだけ。
- 年賀状だけのやり取りなので、「そうか、喪中だから年賀状を出す必要がないのか」で終わる
- 親しい(と相手は思っていた)のに喪中を知らなかった→誰が亡くなったのか知らなくてショックを受ける
- 年賀状だけのやり取りだけど、喪中を知らなかったので気になって根掘り葉掘り聞きたくなる
この中で、(1)と(2)なら問題ありませんが、(3)と(4)だと後から色々訊かれたり、香典や線香などのお供物を贈ってくる可能性があります。
これは喪中はがきを送る相手によって全然反応が異なるので、どのパターンが多いかはフタを開けるまで分かりません。全然訊かれずに済む可能性もありますが、付き合っている相手によっては、後からの問い合わせが多くて大変だった、という結果になる可能性もあります。
また、相手によっては、単なる問い合わせだけでなく、「どうして教えてくれなかったの!?」「どうして亡くなった人が誰か書いてないの!?」と非難されたり、うっかり亡くなった人を勘違いされる可能性もあります。
そういう人は、喪中はがきに故人の情報を書くのが当然だと思い込んで非難してくるので、こちらが「喪中はがきは書かなくてもいいもの」と主張しても聞く耳を持たないかもしれません。
ですので、このあたりのことも含めて、名前等を入れるかどうかを判断した方が良いでしょう。
とはいえ、喪中はがきを注文印刷するならともかく、枚数が少ないので印刷屋さんに依頼できず、既製品を使いたいという人もいますよね。
次に、既製品を使う場合の書き方についてお話しします。
喪中はがきで既製品の書き方は?
喪中はがきには文章の印刷された既製品も存在します。

ですが、これは既製品なので当然、故人の名前や続柄、年齢が入っていません。
そこで、「誰がいつ亡くなったかを書いてから送った方が良いのではないか」と悩むことになりますよね。
これについては、既にお話ししたように、喪中はがきは絶対こうしなければならない決まりはありませんし、「新年のご挨拶の欠礼」が主目的なので故人の情報は入れなくても問題ないとされています。ですから、最低限書き入れるべき情報としては、以下の内容があります。
- 送る年月※
- 送り主の住所、氏名
- 相手の住所、氏名
※故人の情報を書かない場合でも、「いつ喪中はがきを送ったのか」が分かるよう年月情報を入れる方が良いです。文末に「平成○年11月」などの月日を入れておきましょう。
また、故人の名前や続柄、年齢等を書きたい場合は、文末に次の内容を書くと良いでしょう。
○(続柄) ○○(名前)が ○月○日に○○歳で永眠いたしました
平成○年○月
参考までに、氏名などを入れたイメージを掲載します。
さいごに
故人の名前や続柄、年齢は、喪中ハガキに絶対に書かなければいかないものではありません。
でも、世の中にはいろんな考えの人がいて、「訃報を知らなかった」と、喪中ハガキを受け取ってショックを受けて詮索してくる人もいるかもしれません。
ですから、相手のことを思いやって故人の情報を入れる方法もあります。ただ、あなたにとっては身内を亡くした悲しみが大きくて、故人の名前などを入れることによって悲しみが一層深くなるかもしれません。そんな場合には周囲の目を気にするよりも、まず自分がどういう気持ちなのか、どうしたいのかをよく考えて決めてください。
大前提は、喪中ハガキは「新年の挨拶の欠礼」であり、死亡通知ではないということです。
今回の記事が参考になれば幸いです。
◆喪中の際のマナーはこちらにもまとめてあります↓